EurActiv 2006年9月8日
中国からの違法な遺伝子組み換え米 ヨーロッパの食物連鎖中に混入 環境団体が指摘 情報源:EurActiv, 8 September 2006 NGOs: Illegal Chinese GM rice has entered European food chain http://www.euractiv.com/en/food/ngos-illegal-chinese-gm-rice-entered-european-food-chain/ article-157521 訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2006年9月9日 このページへのリンク http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_06/06_09/060908_eu_gm_rice.html ドイツ、フランス、及びイギリスのアジア系食品店で購入した米加工食品に中国からの遺伝子組み換え米が含まれていることが判明した。欧州委員会は輸入者に厳しく対処することを約束した。 環境団体、”地球の友”と”グリーンピース”は、3カ国で販売されている5銘柄のライススティック及びライスバーミセリ(米の麺)に、Cry1Ac たんぱく質又は Cry1Ab/Cry1Ac 混合たんぱく質の痕跡を見つけた。米EPAが一部協力した1999年の調査で、微生物農薬BT剤(訳注1)に由来するCry1Ac たんぱく質が農場労働者にアレルギー反応を引き起こすことが判明した。EUでは、このたんぱく質はメイズ(トウモロコシ)だけが食品使用として認められている。メイズでの使用であってもオランダ及びイギリスでは事前届出の対象である。 同環境団体によれば、この汚染は中国における未許可の畑作テストで遺伝子組み換え米を限定区域に保持することに失敗したことにより生じた。同環境団体によれば、中国の研究所と種子会社は未承認の遺伝子組み換え米を農民に販売している。この主張は当時、中国政府により無視されたが、その後告発を受けて、多くの種子会社が罰せられたようである。また最近起きた中国の3つの省でのハインツ社の米加工製品に関わる出来事と合わせて、中国の食物連鎖全体を通じて汚染が拡大していることを示唆している。 グリーンピースと地球の友は、中国からの米の輸入を直ちに禁止することを要求した。両団体はまたポジティブテストにより中国の米製品のリコールを含む系統的なテストを要求した。そのような決定は、2006年9月11日開催予定の欧州委員会・食物連鎖動物健康に関する常任委員会でなされなくてはならない。それまでは、同委員会は、8月中旬に露見したが恐らく2006年1月から起きていたであろうアメリカからの遺伝子組み換え米 LL 601 の輸入問題に関してのみ討議することを予定している(訳注2)。 欧州委員会は2006年9月5日、違法遺伝子組み換え製品を排除するために”明らかに十分なことをしなかった”として食物輸入担当者を非難した。同委員会は、”我々はどのような違法な米製品も市場から排除されることを期待している”と輸入業者に書簡を送った−と報道官バーバラ・ヘルファーリッヒは述べた。彼女は、”加盟国に対し米製品の管理を強化し9月11日に報告するよう要請した”−と付け加えた。 中国は世界で最も主要な米生産国であり、全世界の生産高の約31%を占めている。 訳注1 微生物農薬BT剤:昆虫病害菌であるBacillus turingiensisの産出毒素を製剤化したものでトウモロコシ、ワタ、ジャガイモの遺伝子に組み込まれたGMOもある。 訳注2 EurActiv 2006年8月24日/EU 米産の長粒種米 輸入制限 未認可の遺伝子組み換え米の混入に対する措置(当研究会訳) |