欧州委員会 22種類の毛染め剤を禁止
製造者が安全証明を提出せず
長期使用で膀胱がん等の懸念あるもの

”安全が証明されない物質は市場から消える”

情報源:Environment News Service, July 21, 2006
EUROPE BANS 22 HAIR DYE CHEMICALS
http://www.ens-newswire.com/ens/jul2006/2006-07-21-03.asp

紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年7月24日


  • 7月21日のENS によれば、欧州委員会は、消費者用の毛染め剤(ヘアダイ)の安全を確保するために、長期間使用すると膀胱がんを引き起こす等の懸念がある22種の毛染め剤を禁止した。7月20日に採択されたこの禁止は2006年12月1日から発効する。

  • ヨーロッパでは女性の60%以上、男性の10%以上が毛染めを行っている。EU における毛染め剤の市場規模は2004年で26億ユーロ(約3,600億円)である。

  • この禁止は、人の健康に安全であるとみなされる毛染め剤のポジティブリストを作成するために、2003年4月に EU 加盟国と利害関係者が合意した欧州委員会の全体戦略に基づくものである。

  • 欧州委員会は化粧品製造者らに彼らの製品の安全を示す書類(safety files)を提出するよう要求していた。これらの書類は、科学的専門性に基づき、対象物質は消費者に健康リスクを及ぼさないことを立証しなくてはならない。

  • これに対応して昨年末に化粧品産業は、毛染め剤に関する115件の書類を EU 科学委員会による評価のために提出した。

  • 今回の禁止は産業側が安全を示す書類を提出しなかった22種類の毛染め剤に対するものである。
     欧州委員会の副委員長(企業・産業担当)グンター・フェアホイゲンは、”安全が証明されない物質は市場から消える。我々の高い安全基準は EU の消費者を守るだけでなく、ヨーロッパの化粧品産業に法的確信を与えるものである”−と述べた。

  • 安全書類が提出された115の毛染め剤の安全性は科学委員会によって評価が行われており、10月に委員会の見解が発表されることとなっている。委員会の見解に基づき、欧州委員会はこれらの毛染め剤の法的規制について決定を下す。


訳注:関連資料


化学物質問題市民研究会
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