Beyond Pesticides, 2005/10/18
フロリダの野菜生産会社 農薬の違法使用で 罰金111,200ドル(約1200万円) 情報源:Beyond Pesticides, Daily News, October 18, 2005 Vegetable Grower Fined $111,200 for Pesticide Misuse 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2006年3月4日 フロリダ州最大の野菜生産会社、Agマート・プロデュース(Ag-Mart Produce)は、フロリダ農業局から88件の農薬違法使用の罪で111,200ドル(約1200万円)の罰金を科せられた。この罰金は、この種の違反に対する罰金としては異例に厳しいものとみなされている。Agマートは、イモカリーとジェニングスの2つの農場で起きたとする違反の大部分について意義を申し立てるとしている。 Agマートはまた、グレープ・トマト(訳注:プチトマトの一種)を生産しているサンタ・スウィート社として知られており、フロリダ州、ノースカロライナ州、ニュージャージー州、及びメキシコで農場を経営している。農場労働者から生まれた3人の先天性欠損症の赤ちゃんに関する件(参照 Daily News)で既に捜査の中心となっているフロリダの巨大なトマト栽培会社は、同社は先天性欠損症に関連していた農薬の使用を今後は使用しないと発表してから1週間とわずかの後フロリダ州の同社に対する罰金の措置を知った。 農業文書によれば、その捜査によって、Agマートが消費者と労働者の安全を確保するための規制を広範囲に違反していることがわかった。レイクウォースの”移動農業労働者正義のプロジェクト”の弁護士グレッグ・シェルは、もし当局がもっとよくAgマートの労働者から事情を聴取していれば、もっと多くの違反が見つかったはずであると述べた。彼のグループが実施した同社の北フロリダのジェニングスにある農場における約80人の労働者の調査で、その20%がその場で直接、散布を受けており、半分を少し下回る労働者が漂流を通じて農薬に曝露していたことが分かった。”Agマートはそれは手続きに欠陥のある捜査だというであろう”とシェルは述べた。”私は全ての労働者の20%が散布を受けていたと言うつもりはない。調査で分かったことは多くの人々が被害を受けているということだ。” パーム・ビーチ・ポスト(Palm Beach Post)の記事の中で、フロリダ農業消費者サービス局(FDACS)の広報担当官テリー・マックエルロイはこの捜査には農もっと多くの農薬調査官が必要であることが判明したと述べた。現在、フロリダ農業消費者サービス局(FDACS)は、合計44,000の農場、家畜場、及び2億平方フィーの養樹場の管理に約45人の農薬曝露調査官を雇っている。農業委員会チャールス・ブロンソンは、彼は追加の10人の農薬安全調査官と食品安全部門に追加の5人の調査官を雇うための予算を要求するつもりであると述べた。 Agマートがイモカリーに農場を持っているフロリダ州コリエール郡で健康当局により発表された報告書は、フロリダ州の農場で使用されている農業用化学物質と昨年の冬にAgマート農場の労働者から生まれた3人の赤ちゃんの先天性欠損症との間には関連はないとした。その報告書が農業用化学物質と先天性欠損症との間の関連を見つけることができなくても、コリエール郡出生まれる子どもの先天性欠損症の発生率は最近のアメリカの平均より高いことを見出したが、当局はその理由を説明することができなかった。”農場労働者正義基金”の共同代表シェリー・デービスによれば、”彼らはもっとよく調査する必要があると思う。これはまだ序の口だ。” デービスは、農薬法に従わない会社は消費者と農場労働者をリスクに曝ていると述べた。農薬ラベルは農薬散布後どのくらい経過すれば、農場労働者が農場に入ることができるか、そして作物を収穫することができるかを指定している。Agマートが引き合いに出されている88件の違反のうち、65件は要求される7日間の待機期間の前に作物を収穫したことに関係しており、ある場合には労働者達は農薬を散布した翌日に畑に入り野菜を収穫していた。これらの違反にもかかわらず、農業当局によれば、通常の抜き取り検査では違法な残留農薬は発見できなかった。 ”ビヨンド・ペスティサイド”の代表ジェイ・フェルドマンによれば、そのことは食品は食べても安全である、又は農場は労働者が働いても安全であるということと同等ではない。例えば、多くの農薬が使われていおり、それらのあるものは内分泌かく乱物質として知られているが連邦政府は許容残留値を設定していないものがある。”もし、先天性欠損症の赤ちゃんたちがいて、それが何かを示唆しているとすれば、当局が最良の方法で問題を見ているのかどうか、そして曝露の追跡をきちんとしているのかどうかを評価するためのまさに根拠となる。” 一方、フロリダ農業当局による捜査の一日後に、ノースカロライナ州の農業当局は同社に対し少なくとも同じくらいの違反行為が同州においても行われていたと通告した。パーム・ビーチ・ポスト(Palm Beach Post)の記事の中で、ノースカロライナ州の当局は、同社が正式な通告を受け取るまでは当局が見出した違反行為や罰金の金額について詳しく述べないということを明らかにした。その記事によれば、ワシントンDCの環境保護庁(EPA)当局は、ノースカロライナ州でAgマートがいくつかの農薬をラベルに表示されている許容回数より多く散布していた疑いがあることを確認した。EPAは疾病管理予防センター(CDC)を含む他の機関とともに、フロリダとノースカロライナの調査結果を分析することを計画しているとEPA当局は述べた。 Agマート社広報担当のデービッド・シェオンはナポリ・デーリー・ニュースに、”我々は州によってリストされ、州によって訴求されているような違反が事実に基づくものとは信じない”と述べた。シェオンはAgマートは十分に当局の調査に協力しており、今後のどのような調査にも協力すると述べた。Agマートは、農薬が散布された直ぐ後に労働者を農場に入れたという容疑を含んで、フロリダにおける農薬の違法使用の件のほとんどについて上告するであろう。 |