EPA 米科学アカデミーに人体での毒性テスト調査研究について意見を求める
−暫定措置として発表
情報源:EPA Headquarters Press Release 12/14/01 EPAは、12月14日付けで米科学アカデミーへ書簡を送り、有毒物質の毒性とその影響を確認するために、意図的に人体に毒物を投与して得た第三者機関の調査研究を使用するというEPAの提案に関し、科学的及び倫理的な面での問題点について速やかにレビューするよう要求した。 今後、そのような第三者機関の調査研究を受け入れるかどうか決定する際に、EPAが特に考慮しなければならない点と判断基準について勧告を出すよう、科学アカデミーに要求することになる。 最近、EPAに対する依頼の大部分は、例えば浸透性農薬の有毒性評価の様な農薬の毒性テストに関することがらである。 科学アカデミーに対し、国際的に受け入れられている規約、あるいは”人体実験保護規定”(EPAの主導又は支援で実施される調査研究で人体実験が行われる場合の保護を詳細に規定した”共通規定”)が、そのような調査研究をEPAが評価するために必要な科学的及び倫理的基準を策定するために適用することができるかどうかも、勧告するようEPAは求めている。 科学アカデミーのレビューの重要ポイントとなるであろうこれら第三者機関による調査研究は、”EPA共通規定”あるいはその同等規定があるので、連邦政府機関から指揮されたり、基金を受けたりしたことは、今までになかった。 「これらの調査研究に関する政策を策定して行く上での主要な懸念は、人間の健康保護であり、最も厳格な科学的及び倫理的基準である」とEPA長官クリスティ・ウィットマンは述べ、さらに「我々のこの懸念をはらす様な政策を策定することは容易なことではなく、この難しい問題を評価するあたって、科学アカデミーがEPAを支援することに合意してくれることを感謝したい。すべての関係諸機関が合意したことは、人体実験データの使用に関する公式な政策をEPAが確立する必要があるという点である。EPAは、透明で責任ある対応をするつもりである」と述べた。 EPAは、科学アカデミーがッレビューを行うにあたって、関係者の全てが本件に対する懸念とアイディアを提示できるよう、情報公開とその参加プロセスを早期に確立することを要求する。 科学アカデミーのレビューを受けて、EPAは、この政策を練り上げ、将来の人体実験に関する合意と法的信頼性を得ることができるよう、政府内諸機関、関係諸団体、国民への情報公開と政策決定への参画を約束する。 科学アカデミーがこの問題について検討している間、及びEPAの政策が決定するまでは、すでに提出されている、あるいはこれから提出される調査依頼に対する法的決定にあたって、EPAはそのような人体実験を考慮しないし、依存することもしない。 この過渡期に、EPAが人体実験の考慮あるいは依存を法的に要求された場合には、EPAは科学審議会を招集し、当該人体実験に関する科学的妥当性と倫理的容認について諮るとともに、パブリック・コメントを求めることとなる。この外部のレビュー(パブリック・コメント)は、当該人体実験を考慮する前に求めることとし、科学審議会はすべての入手可能な情報に基づき、レビューすることとなる。 暫定措置ではあるが、連邦政府の現行”殺虫剤、殺菌剤、殺鼠剤条例”及び”有毒物質規制条例”により、産業界はそのような調査研究から得られたどのような有害情報についても、報告する義務がある。第三者機関による人体実験データが公共の健康に懸念を与える可能性を示した場合には、EPAは即座にその情報を考慮するであろう。 科学アカデミーへの書簡 (訳:安間 武) |