危険な製品:欧州委員会(EC) クレオソート使用を制限
情報源:EC Press Release 10/26/01 Dangerous preparations: Commission directive restricts creosote applications IP/01/1500 Brussels, 26 October 2001 http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=IP/01/1500|0|RAPID&lg=EN 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2001年11月10日 欧州委員会(EC)は、クレオソートが今まで考えられていた以上に、また、現行規制の値以下であっても、がんの原因となり得るというEU科学委員会の最近の研究結果を受けて、木材防腐剤の消費者へのクレオソート販売を禁止する新しい指令を採択した。 この禁止令は2003年6月30日から発効となるが、クレオソート処理を行った木材の販売も禁止される。 クレオソートは、他の産業分野、例えば鉄道線路の枕木や電信柱等では今後も使用されるが、その成分については今までより厳しい規制が適用される。 クレオソーはコールタールの蒸留よって得られる混合物で、これらの混合物の中のあるものは発がん性物質として分類されている。これら混合物の一つであるベンゾ-a-ピレン(BaP)は、混合物中のマーカーとして使用される。 BaPは、その濃度が50ppm以下の場合は、発がん性物質としては分類されない。 欧州委員会の求めで行われた研究の結果は、専門家の審査のために毒性生態環境委員会(CSTEE) に提出された。 CSTEEは、この研究成果が妥当であり、現行規制(注1)の許容値以下の濃度であっても、BaPクレオソールまたはそれを含んだ木材により、消費者が発がん性のリスクを負うという論拠を支持し、そのリスクの程度は明らかに懸念に値するものであると結論づけた。 新たな指令(2)は消費者の保護だけでなく、クレオソート処理を行った産業用木材に関しても、現行EU規制と比較してBaP濃度を10分の1に減少する厳しい規制となっている。また、そのような木材が皮膚にしばしば接触するような場合、例えば、庭用備品には使用できない。 詳細情報は下記ウェブサイトで: http://europa.eu.int/comm/enterprise/chemicals/index.htm 注(1): Directive 94/60/EC which amends Directive 76/769 on the marketing and use of dangerous substances and preparations 注(2): C(2001)3227 (訳:安間 武) |