専門家委員会の報告書
「7種類のフタル酸化合物が人間の生殖機能に与える影響」
に対するパブリックコメント募集

情報源:米環境健康科学研究所(NIEHS)/プレスリリース 10/11/00
FOR RELEASE October 11, 2000 NIEHS PR #00-12
Public and Scientific Comment Sought
On Expert Panel Reports
On the Possible Human Reproductive Effects of Seven Phthalates
http://www.niehs.nih.gov/oc/news/phthcom.htm
掲載日:2000年10月14日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_00/00_10/00_10_11_niehs.html

 米環境健康科学研究所(NIEHS)とその下部組織である米国家毒性計画(NTP)は本日、専門家委員会の報告書「7種類のフタル酸化合物が人間の生殖機能に与える危険性」を発表し、国民の科学的なコメントを求めることとした。
 国民のコメントは検討の上、NIEHS/NTPの人間の生殖に関するリスク評価センター(Center for the Evaluation of Risks on Human Reproduction.)が発行する最終報告書の作成に使用される。

 専門家委員会は15ヶ月の間に3回の会議を持ち、塩化ビニールに柔軟性と強度を与えるために用いられる化学物質に曝された人間と動物に関する、公開されている情報を15ヶ月に渡って検討した。
 専門家委員会は、現状で人間が曝される環境下において、これらの化学物質が及ぼすかもしれない生殖機能への悪影響について、一般的には”極微”または”無視できる”と述べた。

 しかし、専門家委員会は、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP) については”深刻な懸念”があると述べている。この化合物は、危篤状態にある新生児への栄養補給、呼吸補助、等の医療に使われる塩ビ製チューブやその他の塩ビ製医療器具に使われる塩ビの可塑剤として使用されている。
 専門家委員会は、そのような医療行為により、新生児たちは通常の人々よりもはるかに多くDEHPに曝されることになり、男性生殖機能の発達に影響を受けることになるかもしれないと述べている。
 専門家委員会のメンバーは、6月の会議の終わりに、この懸念により、DEHPを含まない新生児用医療器具が開発されることを望んでいると表明した。同時に、DEHPを含む医療器具が、未熟児や生死の境にある重病の新生児の命を救う可能性を持つことを認めた。

 専門家委員会には、政府内外からの毒物学、疫学、及び医学の各分野を代表する16人の専門家が含まれている。専門家委員会はDEHP以外に、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-n-ヘキシル、フタル酸ジ-n-オクチルについてのデータも評価した。

 専門家委員会の報告書はNTPのウェブサイトhttp://cerhr.niehs.nih.gov/index.html
または下記への手紙または電話により入手することが出来る。
Ms. Harriet McCollum,
CERHR coordinator, 1800 Diagonal Road Suite 500,
Alexandria, VA 22314-2808, (703) 838-9440

 本報告書に対するコメントは60日以内に下記に提出下さい。
Michael D. Shelby, Ph.D., CERHR director, B3-09, the NIEHS/NTP,
Box 12233, Research Triangle Park, NC 27709

さらなる詳細についてはFederal Register notice of October 10, Volume 65, Number 196, page 60206を参照下さい。

(訳:安間 武)

化学物質問題市民研究会
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