厚生労働省健康局生活衛生課 御中
2007年8月13日
化学物質問題市民研究会
担当:事務局長 安間節子

〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階


2007年8月13日提出
建築物における維持管理マニュアル(仮)(案)に係る意見
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/iken/2007/pc070813_tatemono_kanri.html

【建築物における維持管理マニュアル(仮)(案)に係る意見の募集について】
【建築物における維持管理マニュアル(仮)(案)】


1. はじめに
 「建築物の良好な環境を維持するための管理方法の一例を示すこととした。」とあるが、「ここに示した方法を順守されたい」等ともっと積極的な姿勢を示すべきである。これでは単なる一例となり、マニュアルをわざわざ作る意味が無くなってしまう。マニュアルの位置づけをきちんとするべきである。マニュアルは建築物環境衛生維持管理要領をより具体化したものと理解しているが、もしそうならばこのような表現は不適切である。

第6章 ねずみ等の防除
<基本的な考え方>
 「ここでは、調査方法とそれに基づく効果判定法等などIntegrated Pest Management(総合的有害生物管理)(以下IPMという。)による防除体系を示す。」とあるが、単なる例を示すように受け取れる文言である。
 「調査方法とそれに基づく効果判定法等などIntegrated Pest Management(総合的有害生物管理)(以下IPMという。)に基づいた防除体系によるべきであると、もっと強く言うべきである。

<維持管理方法>
1.IPMの実施にあたって
1) IPMに組み入れるべき要素−(4)有効かつ適切な防除法の組み合わせ
・薬剤とトラップの利用を並列しているが、トラップの利用等、物理的防除を優先させるべきことを明記すべきである。また、薬剤による防除も、毒餌剤の利用等散布以外の方法を優先検討し、薬剤散布はやむを得ない場合のみとすることも明記すべきである。

1−1)−(5)評価
・「発生源対策、物理的方法など、優先してとる対策方法の一つ一つについて評価を行い、管理体系にフィードバックすること」を付け加えるべきである。

1−2)IPMの手順について−(4)必要な措置の実施
前述1)−(4)と同様。

1−2)−(5)薬剤を使用する場合の利用者への周知
・「処理前後3日間のその旨の掲示」とあるが、「前後1週間」とし、また、掲示する内容(日時、作業方法の他に、実施場所、使用薬剤名、健康影響の例と注意事項)を明示すべきである。
・掲示場所は、入り口など、わかりやすい場所に掲示すべき。なお、観光施設など、遠方からの不特定多数の利用者の多い施設は、HPでの周知も実施すべきである。
・防除実績の通年掲示についても記載が必要である。
・薬剤散布の際の什器等の汚染防止、薬剤散布後の入室禁止の措置、毒餌剤の誤食防止など、留意事項について記載すべきである。

1−2)−(6)効果判定
・事後処理として、防除作業終了後、必要に応じて強制換気や清掃、残留薬剤の除去、施設利用者への注意喚起を行う旨記載すべきである。

3 IPM実施モデル
2)ゴキブリ−(D)防除作業−A防除作業
・物理的な防除と明記して、(b)粘着トラップの利用を加える。

3−2)−B殺虫剤による防除−(a)事前通知
・事前周知は3日前ではなく、1週間前とし、周知する内容として、日時、作業方法、実施場所、使用薬剤名、健康影響の例と注意事項等を記載して、実施1週間後まで入り口に掲示しておくこととすべきである。

3−2)−B−(c)散布処理
・散布の前に、より影響の少ない塗布を優先検討することを記載すべきである。
・留意事項として、薬剤散布の際の什器等の汚染防止、薬剤散布後の入室禁止の措置について、加えるべきである。

3−2)−(3)効果判定と事後処理
・防除作業終了後の強制換気や清掃、残留薬剤の除去、施設利用者への注意喚起についても明記すべきである。

3−3)蚊
(5)防除作業−(@)環境的な対策−@幼虫対策
 屋外の空き缶など人工容器の除去等、建物内外の不要なたまり水をなくすことが重要であることを明記するべき。除去できない小水域では、水抜きや蓋(覆い)、防虫網を設置する。屋外の池など他生物が生息可能な広水域が発生源の場合は、メダカやヤゴなどの天敵を利用することなども記載する。

3−3)−(5)−(A)薬剤を用いた対策−@事前通知
・事前周知は3日前ではなく、1週間前とし、周知する内容として、日時、作業方法、実施場所、使用薬剤名、健康影響の例と注意事項等を記載して、実施1週間後まで入り口に掲示しておくこととすべきである。

3−3)−(5)−(A)−A幼虫対策−ハ
・有機リン剤で処理の記載があるが、削除すべきである。薬剤使用がやむをえない場合でも、よりリスクの少ない薬剤を選択すべきである。

3−3)−(5)−(A)−B成虫対策−イ
「発生のある又は発生が予想される水槽内及び飛翔区域にULV処理等により空間噴霧する」とあるが、「発生が予想される」は削除するべき。IPMを基本とするとしながら、矛盾している。散布はやむを得ない場合のみとすべきである。

3−3)−(5)−(A)
・防除作業終了後の強制換気や清掃、残留薬剤の除去、施設利用者への注意喚起についても明記すべきである。

以上



化学物質問題市民研究会
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