ChemSec 2016年1月15日
フランスは化学物質代替規則に向けて
最初の第一歩を踏み出す


情報源:ChemSec 15 January 2016
France takes first steps towards national substitution regulation
http://chemsec.org/news/news-2015/october-december/
1522-france-takes-first-steps-towards-national-substitution-regulation


訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年1月24日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/France/
Chemsec_160115_France_towards_national_substitution_regulation.html


 2016年1月14日、フランス国会は、代替を促進するための新たな法案を第一読会で審議した。この法案は DETOX と呼ばれ、 Ecologiste という会派のジョン=ルイ・ルメガスにより提案された。

 この法案は、会社が有害化学物質を代替するためにインセンティブを与え支援し、顧客はラベル表示から製品が含有する化学物質に関してより多くの情報を得ることを目指している。

 フランス政府はこの法案を支持しており、政府のアラン・ビダルは、”この法案はビジネスが、フランスのより良い健康状態に向けて舵を切り、フランスの会社の競争力を強化することに重要な貢献をする”と述べた。

  Ecologiste のジョン=ルイ・ルメガスは、この法案は消費者の安全に向けた第一歩であると考えている。

 この提案は我々懸念する市民に対する回答である。多くの研究が、市民は食物、家具、化粧品、病院の点滴バッグ、そして玩具などを通じて有害な化学物質に暴露していることを示していると彼は述べた。

 ChemSec は、これは重要な提案であると信じている。代替についてインセンティブと情報交換の必要がある。候補リストは、近い将来、法的に代替される必要のある化学物質がについての最低ラインを示している。

 時宜を得て代替と革新の計画を立てることを可能とするために、将来の消費者の要求はもとより、今後制定される規制を予測するためのツールを用いることが有効である。我々の SIN List はそのようなツールであり、 SIN List 上の内分泌かく乱化学物質( EDCs)はすでに多くの会社、投資家、消費者団体、及び購入プロセスにおいて高く位置づけられていると、ChemSec の上席毒性学者アンナ・レンクイストは述べている。

Adopted text (in French)
ChemSec's SIN List


訳注:補足
Chemical Watch の記事概要
French substitution bill takes first step
Chemical WAtch, 21 January 2016, French substitution bill takes first step

 フランスでは先週、代替を促進するために有害化学物質のリストを確立するための法案が審議のために下院の第一読会に送られた。議会の採決の前に上院の第一読会でも審議される。議会の採決には少なくとも1年かかるであろう。
 この法案は比較的少数勢力の EELV (Europe Ecologie Les Verts) により提案されたが、EELVによればフランス政府がこれを支持している。
 代替は義務的なものではなく、会社にその製品がリストにある物質を含んでいるかどうかチェックし、結果を報告することを求めるものである。
 フランス政府は代替を促進するために報奨金を提供する。リストがいつ完成するのか不明確であるが、法案テキストは、REACH の候補リストにあるすべての高懸念物質(SVHCs)を含むことを求めている。EELV は、そのリストは ChemSec の SIN list と同様なものであることを望んでいるとしている。



化学物質問題市民研究会
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