Banyan Tree 2010年9月21日
環境・労働団体 IMO シップリサイクル条約と 自由貿易協定(FTAs)を非難 情報源:Banyan Tree, September 21, 2010 Environmental & Labour Groups Denounce IMO's Treaty & FTAs by Bargad, Banyan Tree http://bargad.wordpress.com/2010/09/21/alang/ IMOWatch 20/09/2010 Environmental & Labour Groups Denounce IMO's Treaty & FTAs http://imowatch.blogspot.com/2010/09/environmental-labour-groups-denounce.html 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2010年10月12日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/shipbreaking/100921_Grpups_Denounce_IMO's_Treaty_FTAs.html
2007年9月の最高裁の命令(判事アリジト・パサヤットと判事SH カパディア・ベンチ)が出た後にインド水域に入ってくる廃船の大部分は偽造文書をほしいままにしており、、きちんとした審査が必要である。同様の内容を要求する手紙が内務省にも送付されている。 ビハール、アップ、ジャークハンド、オリッサから来ているアランへの移住労働者は、人権など全くない奴隷のようなグアンンナモ米軍拘留センターの拘留者のような状況で生活し働いている。もし、アラン海岸と解体作業がメディアに公開されれば、奴隷制度反対の戦争は全く終わっていない。 有毒で危険な製品や廃棄物の移動や投棄の有害影響に関する国連人権理事会のオケチュクウ・イビアヌ教授は2010年1月11日から21日までの10日間の調査期間中に、特別報告者として、船舶解体のような有害な活動がこれらの分野で働く、又はこれらの活動が行なわれる場所の近くに住む無数の個人の人権に及ぼすという有害影響を最小にすることがインドによってどれだけ達成されたかを調査した。 彼は多くの船舶解体現場を訪れた。(イビアヌ教授の報告書はここにある。) イビアヌ教授は、インドでは現在、船は一般的には”ビーチング方式”と呼ばれる方法で海岸で解体されており、周囲の環境や生活の糧として農業や漁業に依存している地域の生活について議論が続いていると記している。”船舶解体産業の環境影響を確認するために、私は、独立した研究が危険な物質を自然環境中に放出することにより引き起こされるかもしれない実際の及び潜在的な有害影響を、リスクのレベルとともに評価することを勧告する”と彼は記した。
船舶解体に関する最高裁委員会は、裁判所命令及びその他の関連活動の実施のために、環境森林省(MOEF)、労働省、グジャラート海事委員会(GMB)、中央汚染管理委員会、インド鉄鋼スクラップ及び船舶解体業者協会(ISSSAI)等からのメンバーで構成されている。最高裁は、労働団体及び環境団体を委員会に含めるよう求めたが、現在に至るまで実施されていない。 円卓会議の参加者らは、自由貿易協定、GMBの役割、船舶省、及び、先進国の船主の命を受けて働いている国連の国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)に強く批判的であった。国際海事機関(IMO)は、船舶リサイクル国が、船舶の安全で環境的に適切なリサイクルのための国際条約を採択するよう誘導した。 特にインドそして南アジアの環境団体及び労働団体は、一般的にこの反環境的で反労働者的な条約をボイコットするよう求めている。船舶解体産業ですらこの条約に反対し、バーゼル条約及びバーゼル禁止条項の長所を調べ始めている。 現在までのところ、この条約は署名されており、フランス、イタリア、オランダ、セントキッツ・ネイビス(西インド諸島)、トルコによって批准又は受諾されている。世界で5大船舶解体国のひとつであるトルコはこの後ろ向きの条約に署名した。円卓会議は、バーゼル条約やバーゼル修正条項を損ね、アラン(インド)、チッタゴン(バングラデシュ)、ガダニ(パキスタン)等の南アジアの現状の汚染を許すIMO条約締約の締約国になることによって、自由貿易協定を通じて有害廃棄物の無秩序な自由貿易を推進する日本のような諸国と結託しているフランスやオランダなどの欧州諸国の二重規範を強調した。 環境健康に関わる団体は、有害廃棄物貿易をそのまま続けることを許す欧州連合と日本との協定を含んで自由貿易協定(FTAs)に反対している。インド政府は、日本政府と欧州連合との協定について非常に秘密主義である。これらの団体は、そのような有害廃棄物貿易をともなうインド・日本経済連携協定及びインド・EU経済連携協定に反対するキャンペーンを実施している。円卓会議は、バングラデシュに解体目的で輸入される船舶の事前浄化/汚染除去を要求する2010年5月11日のバングラデシュ高等裁判所の命令を歓迎した。それ以前の命令及び2010年5月11日の命令は特に、解体のために輸入される全ての船舶は、元の場所でかつバングラデシュ領域外で汚染が除去されなくてはならないということを要求している。 裁判所の命令に従い、事前浄化認証が輸出国当局によって発行されることを確実にするよう輸入方針命令(Import Policy Order)が修正された。この修正は、バングラデシュは最低限の処理施設すら持っていない有毒で発がん性物質の”安全な”投棄のために、これらを搭載した船舶のバングラデシュへの入港を許可することを主張する環境森林省(MoEF)の要求によって修正された。 MoEFのおかげで、船舶解体業者は、最終的には2010年5月11日の命令によりやめなくてはならない汚染された船舶を輸入し続けた。インドでは、議会の最終セッションでジャイラム・ラメシュは、有害廃棄物貿易の規制を支援することを求めて商務省及び財務省に手紙を書いたが、現在までのところ進展はなく、有害廃棄物貿易は商務省によって推進され続けており、このことは不安なことであると報告した。 日本が2004年にG8サミットで新たな廃棄物イニシアチブを立ち上げたことは注目主べきことであった。このイニシアティブの目的は、有害廃棄物国境を越える移動を最小にすることを求めるバーゼル条約の主要な目的と矛盾するものであり、日本の3Rイニシアティブは廃棄物の貿易障壁をなくし、有害廃棄物を含んでリサイクル可能な物質の地域内での自由な移動を求めている。日本はその財力に物を言わせて、地域の廃棄物貿易スキームを推進するという3Rイニシアティブの議題を決めた。有害廃棄物処理施設への利害関係(訳注:焼却炉の輸出など)とアラン海岸の船舶解体現場は同じ構図である。 日本は、経済連携協定を通じて、バーゼル条約つぶしのためにあちこちうろついた。2008年、日本は地域内で廃棄物貿易を推進するために日・ASEAN包括的経済連携協定に署名した。ASEANは東南アジア諸国連合( Association of Southeast Asian Nations)の10カ国からなる。同じ構造がインドでも複製されている。国連の有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の先回の盟約国会議で日本は、1995年以来懸案のバーゼル修正条約阻止のために先を見越した役割を果たした。日本のアジア諸国との自由貿易の展開とともに、日本が有害廃棄物を非廃棄物であると再定義したいと望んでいることは明らかである。それは言葉の退廃である。同様な経済連携協定がフィリピンの最高裁で争われている。 商務省は、インド・日本自由貿易協定(FTA)は反環境的であるにも関わらず、総理大臣マンモハン・シン総理大臣の10月中の東京訪問中に署名できるよう、内閣の承認を求めている。日本・インド及びインド・EU自由貿易協定は、主権国家によって享受されている権利であり、バーゼル条約によって認められている有害廃棄物の貿易禁止をインドが実施することを難しくするであろう。インドは、有害廃棄物の輸入に自身を脆弱にするのではなく、バーゼル修正条項を批准すべきである。 円卓会議の参加者には、労働組合、環境団体、弁護士、研究者及びメディアの人々が含まれていた。 (New Delhi 20/9/2010) |