BAN TOXICS! 声明 2009年3月26日
マニラは船舶解体産業の設立に要注意

情報源:BAN TOXICS! 2009/3/26
Manila warned against putting up shipbreaking industry
http://bantoxics.multiply.com/journal/item/11/Manila_warned_against_putting_up_shipbreaking_industry

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年3月31日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/shipbreaking/090326_Manila_shipbreaking_industry.html


【マニラ、フィリピン】フィリピンは船舶解体産業を設立するという提案に注意を払う必要がある。それは船舶解体がヒトの健康と環境に有害な物質の処分を伴うからである。

 地域に船舶解体施設を建設するというこの提案が承認されれば、”フィリピン人労働者は危険にさらされ、我々の海岸は有害物質で汚染される”と環境団体であるバン・トクシックス(Ban Toxics)はその声明の中で述べている。

 船舶解撤とも呼ばれる船舶解体は船舶のリサイクルであるが、それでも”有害物質の廃棄”を伴う。

 ”船舶は様々な有害物質を船体構造に使用している”とバン・トクシックス(Ban Toxics)の代表リチャード・グティエレスは述べた。”船舶が解体されるときに、有害物質も一緒に解体される”。全体として、この提案は”不利な取引”であるとバン・トクシックス(Ban Toxics)は述べた。

 グティエレスは、”これらは、日比経済連携協定(JTEPA)で懸念されていた投資と産業の問題そのものである”と付け加えた。

 ”我々の政府はこの提案にだまされてはならない。廃船は有害廃棄物である”と彼は付け加えた。

 バン・トクシックスは、先週のマニラでの会議で日本の船舶会社が船舶解体産業の設立を提案したとの報道を受けてすぐにこのこの声明を発表した。

 日本は約5,000隻の船舶を所有しており、そのうち5〜10%、推定300隻を解体しているとバン・トクシックスは主張している。

 船舶中にある有害物質には、通常機関室で見出される発がん性物質のアスベストや、鳥や動物を脅かす廃油や燃料残渣、ヒト発がん性があり、塗料、ガスケット、ケーブル中にも見出されるPCB類、及び神経毒性がありバッテリーや電気機器中に見出される重金属などがある。

 少なくと毎日一人が船舶解体現場で爆発や事故で死んでいるとバン・トクシックスは主張している。

 世界の船舶解体の主要国はインドやバングラデシュのような南インドの諸国である - GMANews.TV


訳注:関連情報
 最近、日本の国交省が発表した「シップリサイクルシステム構築に向けたビジョン(案)」では、今後、日本の船舶を解体する施設が逼迫する問題を提起していますが、その問題を解決するために途上国に船舶解体施設を建設するという提案であると思われる。


化学物質問題市民研究会
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