3Rイニシアティブ高級事務レベル会合 配布資料(2006年3月6日 )
船のリサイクリングの状況
欧州委員会からのインフォーメーション・ノート

情報源: Ship recycling - state of play
Information note from the European Cummission
Senior Official Meeting on The 3R Initiative, March 6-8, 2006


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載 2006年3月9日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/SOM/ship_recycling.html


 有害物質を含んだ廃船は、いくつかの開発途上国に影響を与える世界的な問題であり、また今後数年で解体が必要となるタンカーやその他の船舶の数が増大することで、もっと深刻な事態となるであろう。この船舶解体はしばしば、環境を汚染し、労働者の生命と健康を危険にさらすような状況の下で行われている。欧州委員会はこの問題を、船舶解体のためのもっと厳格な世界的制度を確立し、世界中で船のリサイクリングが安全で環境的に適切な方法で実施されることを確実にすべき重要事項であると考えている。

 この件に関し、国際レベルで法的強制力をもった協定とするための取組が行われていることを評価する一方、この問題は非常に緊急を要するので、国際条約が発効するまでの暫定期間のための措置もまた必要である。

 欧州委員会のレベルで、下記の措置がとられつつある、あるいは検討中である。
  • 我々は、労働安全衛生基準及び環境に適切な管理に適合している、又は適合していない船舶の解体量の把握はもちろんのこと、今後数年で解体される船舶の状況と展望を更新する必要がある。欧州委員会はさらなる問題と政策を特定しつつ、この件に関する作業を実施するつもりである。

  • 船のリサイクリングはまた、欧州連合(EU)の海事政策における問題でもあり、そのために欧州委員会は緑書(Green Paper)を準備している。今後の行動のための選択肢−立法措置及び非立法措置−が欧州委員会サービスによって評価されている。

  • この問題を扱う各国の戦略は、国際海事機構(IMO)にはもちろんのこと、全ての当該EU加盟国によって欧州委員会にも伝えられるべきでる。

  • 欧州委員会といくつかの加盟国は、クリーンな船舶解体のための研究とパイロット・プロジェクトを支援している。公共投資及び私的投資がもっと必要であり、例えば、トルコにプロトタイプのプラントを建設する予定がある。

  • 短期間で既に有効となっている主要船主会社と重要な顧客(例えば石油会社)との間の、国際基準に合致した施設にのみ船を送り出すという自主的な協定は何にもまして強調するに値する。既存のエコラベリング制度とクリーン船舶の認定は、そのような公約を支援するために用いられるべきである。欧州海事安全機構(EMSA)は、この分野での自主的な取り組みの概要を作成中である。

 3Rイニシアチブの枠組みの中で、船のリサイクリングは、科学と技術、G8諸国と開発途上国の協力、特にキャパシティ・ビルディング、人材開発、及び環境的に適切な管理に適合したリサイクリング・プロジェクトの実施を推進をすべき重要な分野である。


化学物質問題市民研究会
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