船舶解体に関するNGOプラットフォーム プレスリリース 2006年5月12日 有毒客船 SSノルウェー号 活動家の警告 インドにより入港を拒否される 情報源:NGO Platform on Shipbreaking Press Release May 12, 2006 Toxic cruise ship SS Norway denied entry by India after activist warning More Asbestos than Clemenceau http://www.ban.org/ban_news/2006/060512_ss_norway_denied.html (HTML) http://www.ban.org/Library/press_release_ss_norway_india.pdf (PDF) 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2006年5月14日
大型客船SSノルウェー号の船内にはは、クレマンソー号よりもはるかに多い1,200トンから1,300トンの汚染アスベストがあり、さらに大量の有毒PCBの汚染物もあると考えられている。今年の2月に、バングラディシュは同船が同国の解体場に入港することを拒絶したが、伝えられるところでは同船はインドの船舶解体コンソーシアムであるリージェント・シッピングに売却され、先週金曜日(5月5日)にマレーシアのポート・キングを出港し、インド、グジャラート州の海岸にある悪名高い船舶解体場に向けて引かれていた。同船は、現在、この最新のスキャンダルが解決されるまでの間、どこに行こうとしているのか不明である。 ”船舶スキャンダルが増えているが、真のスキャンダルは世界中の政府と海運業界が、世界中で、最も貧しい人々、最も搾取されている労働者、そして共同体に向けて有毒廃船が投棄され続けることは最早許されないということを認めないことにある”−とアスベスト禁止ネットワーク・インド((BANI)のゴパール・クリシュナは述べた。 毎回、船舶ごとに対応することに変えて、”船舶解体に関するNGOプラットフォーム”は、関係する全ての諸国に対し、船舶が開発途上国の解体場に輸出される前に先進国で船舶の汚染を除去しなくてはならないというバーゼル条約の要求に合致した包括的な政策を採択するよう求めている。そしてSSノルウェー号のように歴史的に著名な船の場合には、単にリサイクリングだけを考えるのではなく、修理し再利用する方法をまず第一に検討すべきであるとしている。 SSノルウェー号の場合には、同船の問題に責任ある国にはドイツとマレーシアが含まれるが、それは昨年、同船はドイツのブレマーベンから不法に輸出することを許されたからであり、またマレーシアについてはバーゼル条約で要求されている有害廃棄物の輸出届けをせずに、つい先日、同船がインドに向けてマレーシアを出港したからである。 アスベスト廃棄物の輸入もまた、インドでは有害廃棄物(管理及び取り扱い)法修正規則2003年によって禁止されている。そしてすでになされたインド最高裁の命令に従って、船の汚染除去は廃船のインドへの輸出のための事前条件である。”船舶解体に関するNGOプラットフォーム”のメンバーであるグリーンピース・インドは、インド政府に対して、最近の欧州委員会の発表(訳注1)はもちろんのこと、バングラディシュ(訳注2)やフランス(訳注3)のような諸国と同じように対応することを求めた。 ”クレマンソー号に続き、この船についても拒絶することで、我々はインド最高裁がヨーロッパ及びOECD諸国に対し普遍的な政策−廃船は解体に向けて輸出される前に汚染除去されなくてはならない−を採択することを求める明確なメッセージを送っていると信じる。我々は、来週、非道徳的であるが利益の上がるこのやり方を維持したいと望む非常に強力な海運権益が、このことを捻じ曲げないよう希望するだけである”−と船舶解体に関するNGOプラットフォーム代表イングビルド・ジェンセンは述べた。 訳注1: ![]() 訳注2: ![]() バングラディシュの海岸に有毒廃船を捨てるな 環境団体が一重殻石油タンカーの廃棄船の引き返しを要求 訳注3: ![]() クレマンソー号 国際法と環境正義の勝利 ”幽霊退役空母” どの国も廃船をアジアに棄ててはならない
船舶解体に関するNGOプラットフォーム
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