MUSIC
モノガタリとオンガクのHONEYMOON
文/南澤大介
みなみさわ・だいすけ
おんがっか。『南澤大介のアニメ&特撮ソロ・ギター』TABより発売。CD付き。
「白い巨塔」

モノオンハニも今回で12回目。12と言えば干支や星座は言うまでもなく、一つの大きなフシメですな。というわけで、今回は私の心の師匠・渡辺岳夫氏の「白い巨塔」をご紹介しまする。TVドラマ「白い巨塔」は1978〜79年に放送された、病院を舞台にしたヒューマンドラマ。最終回放送直前に主演の田宮二郎氏が自殺、最終回でそのテロップが流れるという、そういう意味でも強烈な物語でした。「巨人の星」や「キャンディ・キャンディ」「機動戦士ガンダム」などでも有名な渡辺岳夫氏ですが、この「白い巨塔」では、無機質と情感の狭間で揺れ動くような、氏独特の寂寥感に満ちたメインテーマが、この「病院(=白い巨塔)」という物語の象徴的主題にフィットしていて、まだ12歳だった私はそのメロディに魅せられて、思わずTVの前にラジカセを置き録音してしまいました。おかげで最終回の一部は今でも暗唱できます。「早く上告の…」(笑)。最近ようやくDVD化されましたので、映像と共にそのサウンドに触れることができますが、残念ながらCDは未だ発売されていません。渡辺氏の最高傑作とも言えるこのサウンドトラックのCD化、強く強く期待しています。
●物語と音楽の幸せな出会いを求めて。貴重な視点での音楽評。
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