ブックオフの迷宮
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文/嶋津靖人
しまづ・やすひと
フリーライター兼店員見習い。『ダカーポ』で「水曜日のお買い物」連載中。中目黒で「caramel」という雑貨屋やってます。パンダ雑貨がいっぱい。来てね。エ03-5725-6858

路上漫画収集家のみなさんと俺とレコファン

失業率がドンドン上がっているようだが俺のような自由業者は永遠に潜在的失業者であるので気持ち的には幾らでも上がってくださいという気分なのだが、ところで前にも書いたが俺の事務所の目と鼻の先に古本屋があってそこには朝から路上漫画収集家兼失業者のみなさんが長蛇の列を作って漫画雑誌を売りに来ていて、もはや中目黒の風物詩と化している。その古本屋には俺も腐った資料本とかを売って事務所スタッフのオヤツ代を稼いでいるので、世の中を大きく二分すれば俺も路上漫画収集家のみなさんも同じグループに属することになるのだろう。なんかスレスレでいい感じだ。さて、売り払うといえば、年末に大掃除をしたついでに聴かなくなったCDを渋谷のレコファンというところに売りに行ったのだけど、中古CD屋の査定っていうのはオモロイんですねえ。知ってる人もいると思うけど、一枚一枚の査定金額がデータベースに照会されて弾き出されるんですよ。「リサ・ローブ 在庫過剰 10円」とか「マルコム・マクラーレン ランクC 520円」とか。一番高かったのが意外にも「あがた森魚 ランクA 950円」だったり。それに比べて、古本屋の査定ってのはイマイチ不透明な気がするんだけど、どないでしょ? 事務所の引っ越しのときに段ボール20箱持ち込んだら、2万円で買い叩かれて、一箱千円かよ、とか思った記憶がある。そういえば年末にバカアマがクリスマスとかで貰ったブランド品を質屋に持ち込み巨万の富、みたいな番組やってたけど、なんか頭抱えて原稿チマチマ書いて、チビチビ稼いだ金で本買ってジトジト読んで古本屋に売ったら二束三文で、こういうのをデフレスパイラルっていうんですか? なんか、世の中アホらしいことばかりである、とかなんとか今回も何にも言ってない状態で終わってしまうけど、今年もよろしくお願いします。(とか書いているのは1月12日なのだが、読まれてるの何月だ?) ではでは。

●新古書店「ブックオフ」をめぐる時事ネタや犬やパンダや筆者の私生活やら。しばしばブックオフとは関係ない展開になるのもイイ味です。
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