お題<阪神が日本を救う!?>

ここ数年、毎回言われてることだが「今年こそ、阪神タイガースが優勝だ」

球団ならびに親企業の体質は以前「もうかりゃええわ」と不変で、極端な話を言えば

「プロ野球を愛している」とは言い難い。だが、現場には多くの劇薬が投与されてきた。

98年オフにヤクルト監督を辞任したばかりの野村克也氏を監督として迎えた。メジャーリー

グでは別に不思議な話ではないが、日本では監督が次の年に別チームの監督をやる、という

のはかつてなかった。いわゆる「充電期間」を最低1年は置いていた(意味があるとは思えな

いが)ことを考えれば、阪神が球界にある意味革命を起こしたとも言える。3年連続最下位と

結果こそ散々だったが、地固めは出来たと言っていい。野村氏を酷評する声が多かったが、

彼に課せられた使命は優勝ではなく再建である。ヤクルト時代には1年で終わったところを阪

神では3年かかっただけなのから。2001年のオフにチームを去る際の一連の球団のドタバタ

ぶりは失態以外の何者でもなかった。球団の常識が世間の非常識、と言われても抵抗できな

いものだった。もっとも成績に関わらず甲子園球場等、主催試合で毎年200万人も観客が入

 れば、えてしてこうなってしまうものなのかもしれない。

ところが、それからまもなくまたも球団は爆弾を投じた。中日監督から勇退したばかりの星野

仙一氏に監督要請。星野氏も「充電は済んだ」と快諾。またも前年度の敵の指令官をGetし

たのだ。野村氏が苦労に苦労を重ねて作った土台で、星野が改良に次ぐ改良を加え、5月末

時点で貯金19というところまできた。監督にはまだまだ不満な点が多いし、細かいミスも出

始めている。が、昨年以上に選手層が厚いので、去年のような最悪の事態はないだろう。

さて、先日、大阪府立大学経済学部・数量経済学研究室が阪神優勝時の経済効果を概算

したところ、およそ740億円とのこと。これは優勝に伴い、多くの消費が予想されるからだ

そうだが、「そんなもんじゃない」と言う人もいる。つまり、阪神優勝時には株価が大幅

アップ(反対にここ数年、巨人優勝時にはダウン傾向)、おまけに阪神が優勝するという

事実が、企業、いや、社会に強烈なエネルギーをもたらす、というのだ。昨年オフには20

人近くの入れ替わりがあった。が、そのなかで優勝の味を知り尽くしている選手はほぼ0。

金本も片岡も矢野も優勝経験が無いのだ。あると言えるのは伊良部ぐらいだろう。優勝を

求めて移籍した先が阪神…やはり、今の阪神にはある種の求心力が働いているのだろう。

全てが明らかになるのは早くて9月。それが現実になったとき、日本は蘇るのだろうが?

ただひとつ言えるのは、阪神には多くの味方がいるということだ。静かに見守ろう。


(戻る〜back〜)