お題<天からの贈り物!?>
「空から音楽が降りてくるんですよ。」
以前、仕事の帰りで車を走らせていた時に、つけていたラジオ番組がトーク番組で(これがどの局のどの番組かわかった
ら凄い)、ホスト役のタレントがゲストの音楽プロデューサーに「曲はどういう風に作っているんですか?」という問いに対する
プロデューサー氏がはいた一言である。彼はそのときには歌詞についても、同様の答えを返していた。
先日、私も早朝に枕経を務め終え、さて戒名をつけるとなったときに困った。戒名は他の僧侶がどうかは知らんが、すらす
らって時もあるし、反対に全く頭が動かないときもある。このときは早起きということもあり後者で、大苦戦。寺に戻ってから
なんとかなったが、正直、それだけで1日分の疲労を感じるものだ。
冒頭の話だが、色々考えさせられる言葉だ。正直、最初はプロデューサー氏の「かっこつけ」か「才能の自慢」と相手にも
しなかったが、実際問題、頭の中で考えただけで全てこなせられるやつっているのだろうか?俗に言う「インスピレーション」
ってものか、直感の力とは?俺自身、戒名の半分は最初に頭に浮かんだものをそのまま採用している。多分それが最も
余分な観念が入ってないからであろう。そう、俺自身「戒名は空から舞い降りてくるもの」を体感していたのだ。
世間で言うブームの仕掛け人というのも、おそらく何らかの「降臨」を感じとっているはず。もっとも、これは何にもなしから
ではできない。過去の経験、そして人生で見聞きしたもの全て。これらから突然といえば突然に一つのものが生まれ、それ
が「舞い降りてくるもの」に変化しているのであろう。一見不思議なものでも、脳内ではありとあらゆる化学反応が繰り返し
行われているのだ。わかりやすくいうと食べ合わせだ。これとこれのコンビはうまい、とかこれとこれを食べると違う味になる
(例:プリンに醤油⇒うに)などのように。人は知らないうちに脳内で無数の化学実験を行っているのである。
この文を打ってるときも同じだ。原稿なんて0。俺の場合、冒頭のあのセリフから頭に浮かんだ言語をセレクトして、せいぜい
この程度の駄文にしかならない。もし、あの言葉が浮かばなかったら、このコラムもまた開店休業状態になってただろう。実
際、このHPも開始当初は色々なことがわんさか頭に浮かんできたのに、今や隔週に更新するのが精一杯。「降臨」しなくな
っていたのだ。が、考えてみると、アイデアがバブルのようにわいてたときは、HPの目的なんぞ度外視だった。100%自己
満足で、それでいて邪念がなかった。例えて言うなら、好き放題やってた暴走族が、大人になっていつのまにか時間に追わ
れる毎日を過ごしているようなものなのか?今の俺って。
直感的なもの、それは理論的でもなく、裏づけもなく、でももしかしたら普段の自分には見えなかった真実。そういうものを
時の流れ、今の状況と言う自分勝手で絶対的根拠すらない篩いにかけ、勝手に振り落としてるものが多いのではないだ
ろうか?もしかすると、実はきまぐれな神佛による「天からの贈り物」かもしれない。
皆さんにも聞きたい。「最近、空から何か降りてきたか?」