ツツガムシに注意


私たちは普段、昆虫採集するときによくハチや毒蛇・ムカデなど
目に見える人に対して危険なものには、十分注意をはらいながら森や林や河原に
入ります。が、運悪くそれらに襲われたり遭遇する事も多々あります。

もし襲われた敵がすぐわかれば何らかの対処を取ることもできます。
でもいつの間にか知らないうちに襲われていて何日かした後に症状がでてくる
そんな目に見えないツツガムシ病も怖い外敵の1つなのです。


ツツガムシ病のツツガムシって?

山林、草地、河川敷などの土の中にはツツガムシという小さなダニが生息していています。
このツツガムシの中にはまれに病原体をもつものがいて、たまたまこの虫に
刺咬された人が感染し、発熱、リンパ節腫脹、発疹などの症状を示します。
この病気をツツガムシ病といいます。
日本では昔、東北・北陸地方で夏季に河川敷で発生する風土病などと言われてました。
2000年には、ツツガムシ病患者794例
1996−2000年には死者が10名も報告されてます。
西多摩地区周辺を例にとりますと、多摩川保健所報告平成10年度のデ−タで
青梅市で1名・奥多摩町で2名報告されています。

ツツガムシ病の特徴は、高熱と発疹、全身の紅斑、刺された部位の潰瘍などです。
まず刺されて1週間以内に39〜40度の高熱を発し、
時に頭痛や筋肉痛、嘔吐などを伴います。
また発熱から2〜5日後に発疹ができ、全身に不規則な紅斑が現われます。
さらに、刺された部位に1_程度の潰瘍もできます。
大豆大の刺し口が認められれば間違いないでしょう。


 ツツガムシはダニの一種で、体長は0・2〜0・3ミリ程度。
従って肉眼ではほとんど見えません。

 ツツガムシは、北海道と沖縄を除く全国各地の野山などに生息し、秋から春が活動期。
刺されると、虫に寄生するオリエンチアという病原体が体内に入り発症します。


 刺された瞬間は、全く痛みを感じません。

  人に取りついたツツガムシの幼虫は、衣服の隙間から入り込み、
地肌の上を1分間に3〜4pの速さで動きまわり、よさそうな場所にくると、
クチバシを突き立てて吸いつきます。
その後クチバシから唾液を出したり吸ったりして人の組織を消化しながら、
何時間もかかって特別な管を作り、それを通して体液を吸います。
これがツツガムシに「刺される」状態です。
そのとき、ツツガムシの体内にいた病原体が人の体内に入ると、
感染することになります。


ツツガムシ病にかかった場合は、早く適正な治療をすることが大切です。
ツツガムシ病は早期に適正な治療を行えばすぐに治りますが、
治療が遅れると重症になり、死亡することもあります。

ツツガムシ病の予防

 着ていった衣服はできるだけ部屋の中へ持ち込まないず
なるべく早めにお風呂に入って体をよく洗うこと。
  ツツガムシがヒトの体に取りついてもしばらくは体の表面をはい回り、
実際に吸着するまでには時間がかかります。

とにかく採集に出かけた数日後に突然の発熱・湿疹がでたら
風邪ではなく、ツツガムシ病かもしれませんよぉ−。

採集好きのみなさん、十分気をつけましょうね。
人ごとではすまされませんよ。

参考 病原微生物検出情報など


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