ヒメオオクワ

Dorcus montivagus montivagus ヒメオオクワガタ
体長 25〜60mm 東京では標高1000m以上の高いブナ帯などにいます。

平地のクワガタ採集に少し慣れてくると誰もがオオクワガタと同じように、一度は採りに行ってみたい!
木についている生を見てみたい!と思うクワガタムシではないでしょうか。

ヒメオオクワとの出会い
2001年、ヒメオオクワの存在自体知っていましたが、山梨へトリカブトの撮影をしに行った時に偶然見つけ、
福島まで行かなくても、近場でも自分で採れるのではないだろうか?という気持ちが芽生え、最終的には
地元の東京で見てみたい!という思いに変わりました。ネットでいろいろ調べて見ても東京でのヒメオオクワの
採集実績、報告はほとんどなく当時は、
昆虫と自然[1987 三頭山の紹介 ヒメオオクワ]
西多摩昆虫同好会[1992,三頭山におけるヒメオオクワガタの記録]ぐらいの情報しかありませんでした。
それでもいることいるんだ!というのがわかり、他の地域でのヒメオオの採集の仕方をまず調べまてみました。
多産地の福島や栃木・長野などでは、ほとんどが林道沿いのヤナギ類やカンバ類の木での採集で採集地は
だいたい標高1000m以上の所でした。
これらの情報をもとに翌2002年より本格的にヒメオオクワを探し始めました。

ヒメオオ探検隊同じ東京産ヒメオオを夢見て探すクワ仲間)
本格的に山歩きをしたことがない私は、登山が趣味の仕事仲間に山の情報を聞いたり、クワ仲間と情報交換
したり、クワ友たちと奥多摩の延長上にある山梨・埼玉のいろんな林道でヒメオオ採集を楽しみながらいつかは
東京の奥多摩でも見つけるぞぉ−と何度かチャレンジしました。しかし奥多摩は、標高1000mともなると
人が楽して行けるような所はまるでなく、他県での採集の楽しみ方とは違い、危険も伴い本当に採るぞ−!
という気持ちやいっしょに行動してくれる人がいないととても大変で長続きしません。
今まで東京ヒメオオ採集の実績があまりなかったのもここに原因があるんだと思います。

2003年3月16日ついに奥多摩でヒメオオクワに出会う
その時かぶちんさんが割り出した成虫

東京でのヒメオオクワ採集について
生息域は、いろんな情報から思ったよりあるようです。楽しみながら楽に採集するにはむいてません。
地図からもわかるよう東京は、檜枝岐や大菩薩周辺のように標高1000mくらいのポイントに車で行くことは無理です。
ある程度の登山を覚悟しなければ生息地の標高の高い所にはたどりつけません。
また、ヒメオオが集まりやすい目印のヤナギの群集なども少なく、登山道をさけて脇の道に入ることもままならず、ここだぁ−!という場所が絞れてないのです。
 
  2003年 東京ヒメオオクワガタを初めて確認した場所は、唐松谷林道のブナ帯。
滑落の危険もある斜面を登ったり下ったり・・・。
このときはまだ車でずいぶん奥まで行けましたので往復、散策時間を含めて
4時間ぐらい歩いたと思います。今は林道通行止めもあるのでさらに時間が
かかるでしょう。さすがにその場所へ樹液採集にまた行こうとはなかなか・・・
100%見つけることが出来るという保証でもない限りは・・・。

2016年8月現在 通行止め
 
   いろいろな方たちの奥多摩の山行記録を読ませていただいてると、よくブナや草花や山の写真の他にクワガタの写真を何気なく撮られていて、種類はわからないけど
ついでに載せているようなブログをよく目にします。その写真こそがヒメオオクワガタだったりすることがあります。
その写真が写ってる何人かの方達の山行記録をよく読むと鷹ノ巣山と八丁山周辺のブナ帯登山道に登場してました。
場所がある程度絞れたとはいえ、往復山道約2時間ちょい、それも鷹ノ巣山へと続く尾根は、奥多摩三大急登と呼ばれる厳しいルート、ちょっと見てくるという場所ではありません。

私の経験からヒメオオクワガタは、朝早くから木を登っていくのではなく、暖かくなり始めたちょうど10時前後に
ゆっくりと木を登っていきます。なのでその時間帯にちょうど運良く登山道にさしかかった時か、若木のカエデ
ミズナラ、ハンノキあたりの採集がいいかと思います。ただ斜面のため蹴り採集は厳しいものがあると思います。
 
 
2016年8月7日 稲村岩の先のブナ帯周辺での東京ヒメオオクワガタ