都民の森の椎茸の原木作り体験講習会に参加しました。もちろん椎茸は大好きですが
本来の目的は、きのこの菌類とホダ木について少しでもカブクワ飼育に役立ちそうな情報が
聞ければいいなあ〜というのと、原木をいただけるというのが最大のメリット。
約40名の参加者で午前中は、スライドを見ながら森に生えるキノコや菌種の話や
椎茸栽培の基本と実際の栽培における注意点などの講義で、午後は実際に原木作りを行いました。
原木には、コナラ・ミズナラ・クリなどの木が用意されました。(クヌギがよかったんだけど・・。)


自然のなかで倒木した木には、何千もの菌類などがこびりつき木になじもうと戦いを起こします。
戦いに勝ち抜いたものが、きのこという花を咲かせたりし、胞子となってばらまいて仲間を増やしたり、あるいは
動物などに食べられ別の場所で糞便とともに排出されそこで繁殖したりします。

木のなかで菌糸がのびきらなくなりもうこれ以上ここでは繁殖できないという状態になった時、きのこという花を咲かせます。

菌類が先を争って原木にとりつくのを利用して実際に自宅で自作の産卵木を作る方法を考えて見ました
山や林で天然のニクウスバタケ、カワラタケを他の菌類と混ざらないように、ビニ−ル袋などに入れて持ち帰り
少しの蒸留水で混ぜておき、伐採しやや乾燥させた生木にキズを少しつけたものに、先ほどの菌を塗りたくり
ビニールで覆い放置しておく。ただし生木を完全にラップで覆うと空気が入らなくなり菌が死んでしまうので、
いくらかの穴をあけておき、日光が直接当たらないところに置く。菌がなじんだら後はシイタケと同じやり方をし、
2.3年後には立派な白色菌類の産卵朽ち木が理論上はできる。と思いますが・・・・。

最近はホームセンターで椎茸菌糸済みのほだ木が売ってますので買ってくれば簡単なのですが・・・。

椎茸の原木の作り方
1.原木伐採 紅葉の時期から新芽がでるまでに原木を切り出し、葉をつけたまま乾燥させ
1、2ケ月たった後、1m前後程度に玉切りします。
細い木だと、取り扱いに便利で早く発生しますが、太い木の場合は長く発生します。
材の選択は、クヌギの場合10〜20年ぐらいがよくコナラだと15〜20年ぐらいの物が良いそうです。
材にキズがある場合は害菌が入りやすいので注意が必要となります。

2.コマ作り 目的にあわせた種コマを作ります。最近は、ホ−ムセンタ−などでも販売されてます。

3.コマ打ち(植菌) 10月〜桜がさくころまで。椎茸菌糸は繊維(導管)方向によく伸びるので
通常の原木ならば20個程度のコマ打ち、ただ椎茸菌の為によい飼育条件が
整備されてないならば、安全策として多少多めにコマを打ちます。
間隔は縦方向に20センチぐらい、横方向に3センチぐらいの千鳥状に打ちます

深さは3.5センチ、ドリルで穴をあけ、しっかり種駒を打ちます
実際に材にドリルで穴をあけ (左写真)
椎茸の種駒を穴にはめます。(左下)
そのあと金槌でたたき、埋め込みます。(右下)
4.仮伏せ 春先の低温や乾燥を防ぎ、種菌を原木に活着させるために行います。
やや水分を多く与える状態の事をいいます。
期間は植菌後約1ケ月原木を横にして遮光ネットや小枝をかけておきます。

5.本伏せ(伏せ込み) 菌を木内に蔓延させるためにほだ木を組みます。(ほだお越し)
場所は風通しや排水がよく直射日光があたらない所におきます。
伏せ込み中の管理は、菌糸が平等に行くように、
ほだ木の上下を反対にします。
7〜9月の間に2.3回繰り返します。
天地返しといいます。

椎茸は、3、4度から32.3度で成長しますが、25度前後がもっとも良い
低温には強いが、45度以上では死滅してしまう。直射日光はダメ
菌の成長には、水分と空気が必要、伐採時の原木は水分が45%前後
椎茸菌は、35〜45%最適なので伐採後少し乾燥させる。

6.発生時期 3月〜4月ごろ、10月の雨の時期気温が10度〜20度になればきのこが発生してきます。
傘が開ききらないうちに根元を持ってねじるように採ります。太いほだ木で5.6年は楽しめます。
キノコの体は、9割以上が水から構成されているので、成長しているときに乾燥させると品質が低下するそうです。

我が家で採れている椎茸 ほだ木はいずれ産卵木になる。