North America

Atlantis (USA)

Pray for Rain (2002: Jonsongs Ltd. 90591-2)

ネオプログレの王道を行くような気持の良いシンフォロックです. アメリカンなキャッチーなメロディと安定した演奏で最後まで一気に 聴けます.

一曲だけなぜか Allan Holdsworth が参加していて,その曲だけ はちょっとうにょうにょしたうねりのある独特の曲に仕上がってます.

(April 9, 2003)


Bad Dog U (USA)

Bad Dog U (2005: blujazz productions BJ3316)

アメリカのバンドで自主製作のアルバムの模様.メンバーは 4 名 でギターリスト中心か?

曲によって録音時期とメンバーが違うようで,曲によっては多少 雰囲気は違いますが,全体的にはテクニカルさとメロディアスさがう まくバランスしたテクニカルなフュージョン・ジャズロックという感 じです.

曲によってはシンフォ的な雰囲気があり,ケンソー的な所もあり ます.曲のある部分だけを聴くとチープで練られていない部分もある のですが,曲全体がそうなっているというものはなく,かならずおぉっ と唸らせる部分があります.

曲の雰囲気は別にして,音楽的なポジションとしては Side Steps なんかとも近いかも知れません.

(June 01, 2005)


Bill Laswell (USA)

Emerald Aether (2000: Shanachie SHA 78035)

アイリッシュ・ミュージックをミックスしたり,リピートさせるなどして再構 築したアンビエント作品.

素材が上質なものばかりで,それをミックスしているので,アンビエント系な んかで私が苦手な繰り返し系という感じではなく,ケルト系の音が曲に変化を 与えているような感じで,退屈せずに聞けます.音を聞いているだけでは Laswell の音楽だとは気づかないかも.非常に美しい作品に仕上がって ます.

(May 13, 2000)


Boud Deun (USA)

A General Observation (1998 Arcangelo ARC-1041(日本盤))

Member

圧倒的な迫力で押してくるヴァイオリン中心のジャズロックグルー プのライブアルバム.ギター,ヴァイオリン,ベース,ドラムの 4 人 編成ですが,4 つの楽器が一体となって押し寄せてくる迫力満点の音楽 です.

Mahavishnu Orchestra などと比較されそうな強烈なエネルギーを発 していますが,Mahavishnu が内に向かうエネルギーのような気がする のに対して,このバンドはアメリカらしく (?) 外に向かうエネルギー のような気がします.それは,どこか明るさを感じさせる所があるから でしょうし,色々な音楽の要素がつまっているからのような気がします. 迫力のある Anekdoten や Anglagard のような雰囲気もありますし, ちょっと Samla 的なおちゃらけた雰囲気もあります.

この迫力満点のスピード感ある音楽を軽々と演奏してしまう所はも う笑うしかないという感じもします.このアルバムはライブで録音 も結構悪いのですが,それにもかかわらず迫力が十分伝わってくる所も 只物ではありません.もうとにかくアホアホな迫力で迫ってきますので, ヴァイオリン好きやジャズロックファンは必聴でしょう.

(October 12, 1999)


Bubblemath (USA)

Such Fine Particles of the Universe (2001: ??)

めまぐるしく曲が展開していくスピード感溢れるハードなシンフォ. 静と動, 強弱のめりはりが利いていて, 休む間もなく変化していく間 に一気に聴かせてくれます.

(March 5, 2003)


David Sancious and Tone (USA)

Transformation (The Speed Of Love) (1976: Wounded Bird Records WOU 3939)

セカンドアルバムの再発 (Wounded Bird は再発のレーベル).

RTF の雰囲気を感じさせるフュージョンのテクニカルさとシンフォ ニックロック的なメロディアスさを兼ね備えた演奏.フュージョン色 とロック色が良い感じで均衡しています.

最後の 18 分余りの大曲は,その魅力がたっぷり詰まった,ドラ マチックかつテクニカルな素晴らしい曲です.

(May 29, 2003)


Dream Theater (USA)

Metropolis PT.2: Scenes from a Memory (1999: eastwest Japan AMCY-7087)

Jordan Rudess 参加による Dream Theater のコンセプト作品.実は 今まであまり Dream Theater は聞いたことがなかったのですが (アル バム一枚のみ) ,この作品は評判が良かったので購入してみたものです.

HM/HR らしいハードさと,Progressive Rock 的な構成と展開の複雑 さと,勢いのあるストレートな部分がうまく均衡を保って,非常に質の 高い作品に仕上がっていますね.特に展開の複雑さがスピード感を全く 損なっていない部分などはすごいです.

シンフォニックプログレ的な部分や HR/HM 的な部分など色々な味わ いが一枚のアルバムで楽しめるお得な一枚ですね.

(April 23, 2000)


Echolyn (USA)

mei (2002: Velveteen Record)

生の管弦楽入りのシンフォニック大作.アルバムも 49 分余りの 曲一曲の意欲作です.

どちらかと言うと,Echolyn と言うとアメリカンなスピード感溢 れる畳みかけるようなテクニカルな感じのシンフォニックロックバン ドという感じでしたが,このアルバムはどちらかというと内省的なシ ンフォニック作品になっています.

ブリティッシュシンフォをアメリカ的なスパイスを効かせて調理 したという感じです.長い曲ですが,全くあきることもだれることも なく最後まで楽しめます.

(May 23, 2003)


Eileen Ivers (USA)

Crossing the Bridge (Sony Classical)

Riverdance のビデオで軽快なステップを踏みながらハードなフィ ドルを聴かせてくれていたアイルランド系アメリカンのフィドラー Eileen Ivers の最新作です.“Crossing theBridge”というタイト ル通りに,アイルランドのトラッドをベースに世界中の様々な音楽を “Fusion”したような音楽でした.

アルバムの構成としては,非常にアイルランド色を感じる曲の合 間に,世界中の音楽を取り入れたような面白い音楽が入っているとい う感じでした.アイルランドのトラッドをアレンジした曲も入ってい て,まさにアイルランドのパブでの演奏を聴いているような曲もあり ましたし,アイルランド色の濃いインストポップ的な曲で,ワウの利 いたエレクトリックフィドルが激しいソロをとったり,情感豊かに演 奏したりと多彩です.

2 曲目は非常におもしろくて,アイリッシュ+アフリカンという 感じで,アフリカンなパーカッションやボーカルが挿入されつつも, アイリッシュ色は消えないという曲でした.

他,スパニッシュ色のある曲では,アル・ディ・メオラがギター で参加しています.さらに Riverdance の面々 (Maria Pages,Tarik Winston,Colin Dunne)が参加している曲もあり Riverdance のビデオのようです.シンプルな打ち込みの上で,ラン ディー・ブレッカーとアイヴァースが交互にソロをとる曲も,抑えた ゆったりとした感じを漂わせつつも,静かに盛り上がる曲で面白かっ たです.その他,曲の中で何度か雰囲気を変える面白い曲や,ソロで 静かに聞かせる曲など聴いていて飽きません.その他,スティーブ・ ガッド等豪華メンバーも多数も参加しています.

とにかく参加メンバーは多彩で,大人数です.豪華メンバーの演 奏のみを期待して聴くと,ちょっとハズすかもしれませんが,アコー スティックなフュージョンが好きな方や,ちょっとエキゾチックな感 じのするフュージョンが好きな方にはおすすめです.

(June 7, 1999)

(このレビューは Fusion Music Line 用に書いたレビューに加筆,修正したものです.)


Finneus Gauge (USA)

Finneus Gauge Website

More Once More (Train Records TR79601)

解散してしまった Echolyn のキーボーディストを中心にしたバン ド.Echolyn 的なテクニカルな楽曲と少しフレンチポップス的女性ボー カルとホールズワースそっくりのギターが特徴的です.ホールズワー スのソロアルバム (Road Games などの頃) なんかにも少し雰囲気は 似ているかもしれません.

目まぐるしく展開する変拍子の曲が特徴的で,その上にアンニュ イな感じの女性ボーカルが乗ったところのコントラストが何とも言え なくおもしろいです.


French TV (USA)

This Is What We Do (2005: Pretentious Dinosaur Records CD008)

2005 年の作品で 9th.

久々に French TV のアルバムを買ったのですが,以前とちょっと 違う雰囲気だなあ,と感じていて,以前はユーモラスな雰囲気のちょっ とシンフォ風味の陽気なジャズロックと言う感じでしたが,このアル バムは意外にシリアスなシンフォという色合いが強くなっているよう な気がします.

相変わらず目まぐるしく変化する曲調や,ユーモラスで小刻みな リズムが印象的で,レコメン方面の雰囲気はあるのですが,シンフォ 的な側面は,結構美しいメロディでシンフォプログレ度は高い感じで す.

色々な要素の音楽の断片を繋ぎ合わせたようなバラエティの豊か さがあって,進行すると共に変化するだけでなく,複数の要素を重ね 合わせたような部分もあります.

(October 18, 2006)

After a Lengthy Silence (1987: Mellow Records MMP307)

アメリカはケンタッキーのカンタベリ風のジャズロックバンド. とはいえ,アメリカらしいドライな感じで,レコメン的なノリもあ ります.

ちょっとリズムが駆け足になってしまう所なんかが時折あります が,特に気にはなりません.コンテンポラリーなジャズとして も聴ける音楽だと思います.ジャズ〜ジャズロック的な味わいだけで はなく,ちょっと Yes とか Genesis 的なシンフォニックな味わいも プラスされています.出だしの曲はシンフォニック的な感じはあまり 感じられませんが,3 曲目あたりからは特にそういう感じがします.

最後の曲は CD 化の時のボーナスで (多分) ,録音も新しいので ちょっと路線が違っていて,ボーカル入りのシンフォニックな感じの 方が強く,ジャズロック的な所は少し影が薄くなっています.

(February 25, 2000)


Jacob Fred Jazz Odyssey (USA)

All is One - Live in New York City (2002: Knitting Factory KFW 314)

ちょっとサイケな香りのするフェンダーローズ中心のハードなジャ ズロック.エレクトリックマイルス的な雰囲気がありますが,古くさ いということはなく独自のサウンドを構築しています.

基本的にはインプロ中心のジャズロックで,時折ピアノやピアニ カでのソロが入り,良い味わいがあり飽きさせません.

ライブならではの緊張感とスリリングさが伝わってくるアルバム です.

(July 24, 2002)


Jean-Luc Ponty (USA)

Live at Semper Opera (2002: J.L.P Productions)

2001 年のドイツでのライブ.

このアルバムのハイライトはなんと言っても Enigmatic Ocean で しょう.この曲をはじめ,Ponty の代表曲を中心に,ファンなら楽し める内容となっています.

反面,昔の名曲でしか楽しめないのもちょっと寂しいような気も します.

Ponty のある意味円熟したプレイが楽しめるといった感じでしょ うか.ギターがいないからか,もう少しキレが欲しいなあと思う部分 もあります.

とりあえず Ponty ファンなら買い,これから Ponty を聴こうと いう人ならば過去の名盤を先に買いましょう,と言った感じの作品で す.

(January 27, 2003)

Mystical Adventures (1982 ATLANTIC 19333-2)

Member

非常にシンフォニックロック的なフュージョン作品です.スケール が大きく,非常に美しいメロディが特徴的なタイトル曲や,その他ヴァ イオリンの美しさ,伸びやかさが非常に引き立つような曲が良いですね.

もちろんフュージョン的な雰囲気も失わずに,シンフォ的な味わい と非常に良い均衡を保っています.プログレファン,フュージョンファ ン両方にすすめられる秀作ですね.

(October 12, 1999)

K2 (USA)

The Book of Dead (2005: Progrock Records)

アメリカのバンド.エジプトの死者の書をコンセプトにしたアル バムとのことです.アランホールズワース参加とのことで買ってみま した.

フュージョンではなく,シンフォニックロック作品で,ホールズ ワースのプレイも珍しく (?)シンフォっぽいです.叙情的なメロディ を弾くホールズワースってのもなかなか面白いですね.

ヴァイオリンも入っていてホールズワースがいるということで, 期待は UK という所かも知れませんが,確にそういう部分はないとは 言えませんが,イギリスのネオプログレ的な雰囲気とアメリカンロッ ク的なストレートさが同居している感じで,雰囲気はちと違いますね. UK よりもロックよりかも.レヴェルは高いです.

(May 25, 2005)


Keith Jarrett (USA)

Death and the Flower

Fusion ML 上でたろさんに薦められて聴いた物です.:-) 実はキー ス・ジャレットは初めて.(^_^;) 1 曲目が印象的ですね.キース のピアノは美しい音がします.

フルートとパーカッションのちょっと妖術的な感じで始まり,ちょ っとおどろおどろしくベースが入ってきて,ゆったりと美しいピア ノが入ってきて,最後にテナーサックスが入ってくるのですが,そ の頃には最初と違って,叙情的・内省的な感じに曲が変化していま すね.この徐々に盛り上がって変化していくところがいいですね. テナーサックスがソロに入るころには,最初からは想像できない落 ち着いた美しいジャズに.:-) 20 分以上続きますが,そのジャズ 的な所と,先の読めないプログレ的 (^_^;) な所が同居している ようで飽きさせません.所々で効果的におもしろい音を出している パーカッションもグー.

2 曲目はピアノとベースのデュオ.静かな内省的な感じですね.美 しい曲です.

3 曲目はラテン的リズムの上で混沌とした感じで演奏されるサック スとパーカッションが特徴的ですね.美しいピアノとそのバックで 激しくなるパーカッションの対比もおもしろいです.

というわけでよかったです.


Kip Hanrahan (USA)

A Thounsand Nights and a Night

これも Fusion ML に流れた紹介のメールを読んでおもしろそうだ と思って買ったものです.アルバムのテーマが千夜一夜物語らしい. ライナーには,“千夜一夜物語.この夜,そしてこのディスクは長く 濃密だ.集中力を維持し前編を一気に聴くのは,なかなか至難の技だ ろう…”と書かれていたので,かなり重い作品だろう,なんて聴く前 は思ったのでした.(^_^;)

全体的にパーカッションが鳴り響く上に,ピアノやキーボードや ヴァイオリンや朗読やボーカルなどが乗っかり,そのそれぞれが独特 の雰囲気を持って演奏を行い,何とも言えない妖しい雰囲気を醸し出 しています.

最初,パーカッションが鳴る所にジャズ的かな,というピアノが 乗り,その後,ボソボソとした女性の朗読が入り,徐々に盛り上がっ て,その朗読が歌になり…,という感じで徐々に変化していく所がた まらなくおもしろいです.

音楽的にはジャズ,ラテン,アフロキューバン,ソウル等々様々 な音楽の要素が同居する音楽で,都会の夜の裏側を覗き見ているよう な何とも言えない妖しい雰囲気が前編にあふれていて,とてもエロチッ クです.

最初は,前編重苦しい感じかな? と思った (ライナーを読んだり, ML 上の紹介を読んだりしての先入観) のですが,意外に軽くポップ な感じだった (思ったよりは,ですが… ^_^;) ので,特に至難の技 と思うことなく,最後まで聴けました.


Lettuce (USA)

Lettuce

Live at Blue Note Tokyo (2004: P-Vine PVCP-8234)

ソウライブのギターリスト率いるバンドとのこと.

ホーンの分厚さと切れの良さで押しまくる曲で出だしから圧倒さ れるジャズファンク.歌なしのソウルミュージックという感じです.

ノリノリのスピード感溢れる曲で押し捲られる所も魅力的ですが, それ一辺倒ではなくスローな曲やジャズ寄りの曲ありと,楽しめます. スローな曲でもファンク独特のうねりみたいなものがたっぷり感じら れますね.ライブ独特の勢いもあり,聴いていてたのしい気分になり ます.

(November 20, 2004)


Madrigal (USA)

On My Hands... (InEarVisionsMusic IEV 9501-2)

出だしの 1 曲目でシンフォニックロック的なカンサスだなあ,と 思った,ポップス / ロック寄りの雰囲気を持つ聴きやすい,しかし しっかりとプログレッシブな雰囲気を残すアルバムです.7 年の間隔 を開けてリリースされた 2nd アルバムらしいです.

聴いていくうちに,色々な雰囲気の曲が出てきますが,そのボー カルとコーラスの何重にも重なった分厚い音と,現代的な音は共通し ています.その共通した雰囲気をベースに,少しアヴァンギャルドな 音の曲があったり,アコースティックで美しくポップな曲があったり しますね.時折顔をのぞかせるサックスと“MIDI Horn”が良いアク セントになっています.アコースティックギターとサックスが絡み合 う曲は,優しい感じで聴きやすく,良かったです.


Maneige (Canada)

Ni Vent... Nouvelle (Kozak KO2503-2)

カナダのフュージョン系バンド.フルートの少し叙情的な美しいメ ロディで曲が進んでいくと思ったら,いきなりカンタベリ風のサッ クスのメロディに変わったりして結構目まぐるしいです.曲調がコロッ と変わるわりには,自然でいいですね.

Live Motreal 1974/1975 (Fonovox VOX 7964-2)

2nd とNi Vent... Nouvelle の頃のライブの録音. スタジオライブで,ラジオか何かの録音 (?) .Ni Vent...と違って,ライブだからかかなりフリーな感じの演奏 を繰り広げています.時にはシンフォニック的な,時にはジャズ的な 演奏です.お互い徐々に合わせるように演奏が進んでいき (そういう 所がジャズっぽい) ,まとまった所でフルートやピアノが中心となっ てシンフォ的な演奏をカチッとした感じで演奏したり,またお互い探 り合う様な演奏になったりと変化します.

ハイクオリティなシンフォ系ジャズロックという所でしょうかね.

デジパックですが,表紙も中身も Scotch のオープンリールのテー プのパッケージそのもののデザインで,CD にもテープが印刷されて いますけど,いいのかな? (^_^;)

(March 6, 1999)


Mastermind (USA)

Mastermind Home Page

Excelsior! (AVALON MICY-1073)

Jens Johansson 参加のスタジオ 5 枚目です.以前はキーボード がいなくて,ギターシンセがその代わりをしていたという驚きのバン ドでした.ELP なんかと比べられることが多いようですが,個人的に はそれほど ELP らしさを感じることはありませんでした.

音楽的にはクラシック的なメロディですが,なんとなく聴いてい るとそれに気づかないようなあっさりとした所があるような気がしま す.Jens Johansson が入った分,ジャズロック的な雰囲気が増して いて,近年の Jens Johansson 参加のジャズロック系アルバムの雰囲 気に似たところがあります.ジャズロック的な雰囲気とクラシカルな メロディが自然に調和している感じですね.

私は 3rd, 4th は買っていないので,それ以前と比べることにな るのですが,基本的には Mastermind の雰囲気はそのままですね.あ る枠があって,その中で自由奔放に各楽器がソロをとっているという 感じでしょうか.確かにギターとキーボードのソロの応酬みたいなの はありますが,どちらかというと,以前のギターシンセが置き換わっ ただけ,という感じもしないではないです.

このバンドって,枠があるように感じるのは,ソロをとっている 以外の楽器が結構淡々と (?) 演奏している,というのがあるような 気がします.熱いソロをとっているんだけど,何故か音楽全体を聴い たら,クールに演奏しているような感じを受けます.複数の楽器が絡 み合って音の厚みを出すというところはありませんね.キーボードが 入った分,そこらへんを考えてもいいような気もしますが….

今までの私の聴いたアルバムの雰囲気から劇的に変わったという 感じはなかったですが,確実にあるレヴェル以上の作品を出してくる ところはさすがですね.


Michael Ray & the Cosmic Krewe (USA)

Michael Ray & The Cosmic Krewe (1994: Evidence ECD 22084-2)

Sun Ra 一派という話を聴いて購入した一枚.それ系のサウンドを想像して いましたが,整然とした感じなので肩透かしをくらった一枚です (嬉しい肩す かしですが :-).

Sun Ra Archestra もフリーをやっていたかと思えば,いきなりスイングしだ したりと,様々な要素がめまぐるしく変化しながら進行するような音楽でした が,このCosmic Krewe もそういう感じは持っていて,Sun Ra からフリーの要素 を薄くして,代わりにフュージョン的な要素やファンク的な要素を加えたという 感じです.

キレの良い所も特徴的で,ダンサブルな感じもします.あと,このバンドを 非常に特徴づけているのがスティール・ドラムです.スティール・ドラムとキレ の良い整然とした音楽で,とても楽しげで自然に体が動くようなゴキゲンな音に なっています.

(November 26, 2001)


Paranoise (USA)

Ishiq (Ancient Records)

のっけから妖しいアラブ風のヴァイオリン (?) で始まり,多数の民族楽器と アラブ風コーラスとハードロック調の演奏などをミックスしたような重厚感のあ る妖しげな音楽.

とにかく全編を通してアラブか中央アジアの B 級ロックのような雰囲気と ハイテクハードロック/ジャズロック調の演奏に中近東ポップスのような重厚な コーラスを重ね,妖しげな雰囲気が漂わせています.これがアメリカの バンドとはとても思えません.(^_^;)

B 級ロックにならないのはたしかな演奏力と微妙なアレンジの賜 物でしょう.(^_^;)

(February 5, 2002)


Phoenix Eye (Canada)

The Adventures of the King (2001: 4DFusion)

北米的なスピード感のあるハードロックにシンフォプログレの要 素をうまく織り混ぜて、展開の複雑さを楽しみながらも聴きやすさも 実現しています。

(February 18, 2003)


Protocol (UK & USA)

その他のヨーロッパの国々の音楽のページをどうぞ.


Scott McGill's Hand Farm (USA)

Ripe (The Laser's Edge LE1031)

Finneus Gauge に在籍したギター リストの新プロジェクト (?) .Road Games, i.o.u. の頃の Holdsworth にそっくりです.もしかしたら本 人以上だったりして….インストなので,Holdsworth のアルバムよ りギターがたっぷり堪能できますね.Holdsworth よりも多少ハード な感じも受けます.曲の出来もなかなか良いので,Holdsworth のア ルバムで,ボーカルが入ってイマイチと思った人や,曲がイマイチと 思った人にはいいのではないでしょうかね.

(May 16, 1999)


Spaced Out (Canada)

Official Page

Slow Gin (2003: Unicorn Record UNCR-5006)

3rd アルバム.

よりアクロバティックでトリッキーな感じになっている新作.リ ズム隊のテクニック偏重の演奏がたっぷり堪能できるという感じです が,後半の曲は結構ドラマチックでよい感じです.

少しシンフォニックプログレの影響を受けたハイテクジャズロッ クという所でしょうか.個人的にはもう少しメロディ重視路線に行っ てもらいたいところ.

(August 6, 2003)

Spaced Out (2000:Unicorn Record UNCR-5001)

リズム隊がやたら強力なジャズロック (レーベルのサイトでは Progressive Fusion とあります) . その上でテクニカルで多少アヴァンギャルドな感じのギターが自在に動きます. シンセが空間を感じさせる演奏をしていて,スケールの広さが感じられます. ドラムソロやベースソロなども含まれた曲もありますので,どちらかというと ジャズロック/フュージョン畑がルーツなのでしょうかね.リズム隊はファンク的な ノリを見せることもあります.テクニカルでシンフォニックな色も少しあるキレの よいジャズロックという感じで,プログレファンからフュージョンファンまで幅広く 聞けそうです.

(June 9, 2001)


The Code (Canada)

Figli di Baia (2000:自主制作? 002)

ホールズワース系のギターというウリだったので買ったものです.プログレ筋 よりはフュージョン筋の方がウケそうです.軽快でスピード感のあるジャズロックという感じかな. どちらかというとスコットヘンダーソンで,音楽的にも初期のトライバルテックを感じました. トライバルテックとヴァイタルインフォメーションの中間って感じかな.

(June 9, 2001)


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