Dynabook で BSD/OS

Dynabook Portage 620CT へのインストール記

苦節数ヶ月の苦難の道のりを経て,Dynabook Portege 620CT というちょっと古いノートパソコンに BSD/OS 3.1 をインストールしたので,メモ代わりに書いてみます.私以外殆んど役に立たない情報ですが.

参考ページ

Note PC の情報

Dynabook Portage 620CT は Pentium 100MHz のちょっと前 (1996 年 6 月発売みたい) のノート パソコン.結構素直な造りで,Free の UNIX 系の OS なんかも素直にインストール出来ていた シロモノである.( 参考ページ)

CPUPentium 100MHz
Memory24MB
Display800x600
Graphic ChipCT65548(1MB)
HDD1.3GB
Ethernet CardMelco LPC2-T(NE2000互換)

CD-ROM はなし.

インストール環境

以上のような PC であるので,BSD/OS の場合,ネットワーク経由でのインストールが必要と いうことになった.私は普段は Linux 環境で様々な作業をしているので,その Linux マシンで BSD/OS の CD-ROM をマウントし,それを Dynabook から使うことにした.Linux は Plamo Linux 2.0 である.

BSD/OS インストールフロッピー

Melco の LPC2-T はそのままでは BSD/OS 3.1 のインストールフロッピーでは認識されなかった. そこで,インストールフロッピー中の pcmcia カード関連の設定ファイルを書き換えて対応した.

書き換えたファイルは filesys.gz 中の /etc/pccard.conf と floppy.img 中の /etc/boot.default である.

  1. Plamo Linux 上にインストールフロッピーのイメージをコピー
      # dd if=/dev/fd0 of=floppy.img
    
  2. 1 でコピーしたイメージをループデバイスを使いマウント
      # mount -t ufs -o loop,ufstype=44bsd floppy.img /mnt
      # ls /mnt
      boot        bsd.gz      etc         filesys.gz  scripts
    
  3. filesys.gz をループデバイスを使いマウント
      # cp filesys.gz ~/tmp
      # umount /mnt
      # cd ~/tmp
      # gzip -d filesys.gz
      # mount -t ufs -o loop,ufstype=44bsd filesys /mnt
      # cd /mnt/etc/
    
  4. pccard.conf に LPC2-T 用のエントリ追加.このエントリは試行錯誤で色々なパラメータ を与えて試してみた.一番苦労した….結局,
      ne "MELCO" "LPC2-T" "ETHERNET-CARD-UE-2216" "R02" IBM IO
    
    という行を追加したらうまく行っているようだ.
  5. 書き換えを行なった filesys.gz を元の floppy.img 中にコピー
      # cd ~/tmp
      # umount /mnt
      # gzip filesys
      # mount -t ufs -o loop,ufstype=44bsd floppy.img /mnt
      # cp filesys.gz /mnt/
    
  6. boot.default の書き換え.floppy.img 中の /etc の中のファイルである. この中で boot 時のオプションを指定する.参考ページなんかを調べて適当 に
      -dev pcic0 flags=1
    
    と与えてみたら,どうやらうまく行っているみたい….なんでかは知らないが….(^_^;) あと,
      -autodebug -a
    
    で,デバイス毎にプローブを行なうかどうかを質問してくる.不要なデバイスを プローブしないために取り敢えず付けた.
  7. あとはフロッピーに書き戻す
      # umount /mnt
      # dd if=floppy.img of=/dev/fd0
    

ネットワークカードの認識

これで起動してメデタクインストール出来る…,ということはなくて (^_^;) もう少し工夫が 必要であった.一応,起動中のプローブではきちんと attach できたとメッセージが出るので 安心していたが,ダメだった.

起動後,setup プログラムが起動するが,これはとりあえず ctrl-C で中断して csconfig -a で 確認してみると,irq と ioport が割り当たっていない.そこで

  # csconfig -a down
  # csconfig -a up

と一度止めて,また動かすとなぜかきちんと割り当たって認識される.Why? (^_^;)

これで再度 setup を起動させて,IP Address とリモート PC の IP Address を指定して, さあ,インストールできるぞ!! と思ったら,rsh の設定してなかった….

rsh の設定

そういえば,個人的に rsh を使ったことって殆んどない.さらに .rhosts とか /etc/hosts.equiv なんぞを使ってパスワード不要で使ったことなんぞ一度もない.そういうわけでここで さらにつまづいてしまった.(;_;)

最初は Linux 側での私のホームディレクトリに .rhosts を設定し,BSD/OS のインストーラが ユーザ名を聞いてきた時に,ユーザ名を入力してやってみたが,どうもうまくいかない.そこで, root で作業しようと,Linux 側の /root に .rhosts を置いてみたが,どうもこれもうまくいかない.

色々調べていると,どうやら rsh は普通に起動していると root でのアクセスが出来ないみたい なので,/etc/inetd.conf の rsh を起動している部分で in.rshd のオプションとして -h を指定 した.これで superuser も rsh を使えるらしー.

とこれでようやく BSD/OS のインストーラが Linux 側でマウントされた CD-ROM を見つけて くれて,インストール終了.


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