この数年間、本当に映画を観なかったなあ。
映画館に入るのは、
「ザ・ラストデイ」ばかり。
最後に観た映画は(記録上では)「ポニョ」試写会だそうですよ。
(厳密に言えば、これも「映画館」では観ていない…)
そんなわけで久しぶりの「映画」。 ウワサの3D映画、というわけで行って参りました。
以下、ネタバレありなので、
これから観る予定の方は読まない方がいいかと思われます。
えーと、観た直後についったーでもつぶやきましたが、
「ナウシカとラピュタともののけ姫を足して3で割ったようなお話」
でしたね。
けっして穿った目で見ていたわけではないのですが、
なんだろう、デジャヴがいっぱい…。
パンフレットによると、ジェームズ・キャメロン監督さんは
「1995年ごろから脚本を書き始めた」とのことですが、
ナウシカの映画は1984年、
ラピュタの映画は1986年のもの。
もののけ姫だって1997年公開です。
まあ、ジェームズさんだって、話題になってれば観るよね。
子どもの頃から読みあさったSF小説の集約だ、とも言ってるし。
そしてそこからインスピレーションを受けたところで
おかしくないし、別に悪いわけじゃない。
実際、テンポもいいし、スリル感もあって
観ている間は面白かったです。
まあ、惜しむらくは、
そういった意味での「おお! こう来るか!」といったオリジナリティが
私の期待する方向に来なかったことかな…。
ネイティリ(ゾーイ、サルダナ)にジェイクが助けられた瞬間から
二人が恋に落ちることが見て取れたりとか、そんなお約束は別として。
だって「アバター」自体の発想は
(まあこっそりエヴァを彷彿とさせないでもないが)
面白いと思うし、
足の動かない兵隊さんであれば
そりゃあ足が動いて楽しかったりもするだろうし、
それなりに運動神経もいいだろうから
ネヴィの生活に慣れるのも早いだろうし納得がいく。
けど、けど…。
うーん、結局、ラストの決着のつけ方が納得いかなかったのかな。
微妙にハッピーエンドじゃないところが。
だって、ジェイク(サム・ワーシントン)は人間…地球人でしょう。
それなのに、最後、パンドラに残るのはいいとしても、
アバターに魂を移して(触手の海…♪らんらんらららんらんらん…)、
人間であることを捨ててしまうのがどうにも残念。
まあ彼女もいるし、足もあるし、
アバターのほうが生きやすいだろうとは思うけれど。
でも、人間のままパンドラに残る二人…これから大変じゃない?
というか本当はそこが問題ではなくて、
観ている私たち観客は結局人間なのに、
人間=悪、しかも敗者、のままにストーリーを終わらせてしまったこと。
そこにもやもやした気持ちが残されてしまった気がする。
いっそこれがジブリ作品だったら
(いや、決してジブリも全面的に好きなわけではないけれど)、
もうちょっとシャア少佐、もといクオ立地大佐(スティーブン・ラング)にも、
あのアメリカ資本主義的考え方しかできない会社のセリフリッジ氏
(ジョヴァンニ・リビシ)にも、
もう少しゆとりを与えて、
改心…とまではいかずとも、少し理解できたり、和解できたり、
するようにもっていくんじゃないだろうか。
だって彼らだって、
彼らの立場からしたらけっして「悪人」なわけではないのだから。
救いがないと、淋しいよね。
とりあえず、私だったらそうするなー。
それから3Dのこと。
映画館の入り口で薄黒いサングラスを渡されます。
これをかけて観ろ、ということですね。
予告やCMの時間に流れる3Dの紹介アニメが、
とても3Dらしさ満喫で可愛かった。
で、アバターなのですが、
…正直、3Dでなくてもよかった?(爆)
いや、もちろん迫力は出るし、豪快さという意味では面白かったのだけど、
「3Dだから!」の魅力という意味では、
ワタシ的には小6のときに観た「ジョーズ3」のインパクトの方が
すごかった。
だって、目の前に食いちぎられた肉片が迫ってきたのよ(>_<)。
思わず目をつぶらずにはいられなかった。
あの衝撃は今でも忘れられない…。
…と思いながらパンフレットを眺めていたら、
ジェームズさん的には
「これは3Dにするといいぞ、と思うからその映画を3Dで作るわけじゃない」
「これはカラーにするといいぞ、と思うから、
今みんながカラーで映画を撮っているわけじゃないのと同じ」
ということだったので、とても得心がいきました。
なるほど。これからはこれが普通の映画になる、ということなのね。
みんなが今、ナチュラルにネットを使っているかのように。
もっと細かいツッコミはいろいろありますが、
やっぱり穿った見方をして、と言われるのもなんなのでやめておきます。
でも一つだけ言わせて!
最後の戦いでクオリッチ大佐がパンドラに降りてきて
ジェイクと白兵戦になったとき、
「やっぱりラストは白兵戦なのね! ア・バオア・クーの戦い!」と
わくわくしました(爆)。
(あ、ついでに言うと、ネイティリは、よくあそこで
あれがジェイクだと分かったよね。愛の力?)
fin
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