たぶんヴァイオリンソロのコンサートって初めてだったのです。
いやすごいね。
あの小さな楽器を自由自在に、身体の一部のように扱って歌う姿に
幾度となく鳥肌が立ちました(*T_T*)。
川畠成道さんのコンサート。
今年で9回目となるらしいこの「ファミリーコンサート」は
小児ガンの子たちへのチャリティーも行いつつ、
しかもこのご時世に日本ユニシスやら三菱電機やらの協賛も得て行うなんて
とても愛されているヴァイオリニストさん。
でもそれも分かるような
丸みを帯びた音色、華やかなリズム感、そして朴訥としたトーク。
私の隣に座っていたおばさまもどうやらファンだったらしく、
「ブラボー!」と叫び、
「ありがとうございました」と声を掛けてました(*^ ^*)。
以下、簡単に曲目紹介と感想など。
1. ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ト長調 作品106
(ドヴォルザーク)
パンフの解説によると
ドヴォルザークがニューヨークに滞在していた年、
「アメリカ」や「新世界より」を書いた年と同じ年に
この曲も書いたそうです。
確かにそれっぽいメロディもあったりしてわくわくする感じ☆
でも「子どものために書きました」というにはけっこう難しくて、
ドヴォルザークの子どもたちはいったいだどんなに弾けたのかしらんと
思いながら聴きました(^ ^;;。
2. ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24“春”
(ベートーヴェン)
「のだめ〜」の最初の頃に
のだめと峰クンが弾いてる曲デスね☆
あれよりちゃんと春らしいけど(当たり前)。
ベートーヴェンらしい優しさと素朴さのある音楽(*^ ^*)。
3. サクラ変奏曲(玉木宏樹編曲)
ここからしばらくは「日本の歌」特集。
「さくらさくら」をこの作曲家さんが彼のために
編曲してくださったものだそうです。
川畠さん曰く、「素材の味を大切にした…刺身」(笑)。
とはいえ、かなり難しい曲になってマス。
まるでお琴のようにピチカートではじいていたかと思いきや
長〜〜いフレージングになったり。
パンフに
「ファの音を西洋音階のそれに比べやや低めに取るよう心がけている」
とあり、
実際かなり低い(ミにさえ聞こえるような)音程になっていて、
意識でもって低くできる凄さを感じました(^ ^;;。
気づいたら低くなったりすることは、ええ、私の歌なんかですと
よくあることですが…(爆)。
4. 浜辺の歌(成田為三)
日本の歌第2曲。
「刺身よりちょっと洋風に料理された、カルパッチョ」だそうな(笑)。
こちらもとても素敵でした(*^ ^*)。
歌曲だと1番も2番も同じ調だけど、
1番2番、そして3番と転調を繰り返して心新しいメロディ。
5. 荒城の月(滝廉太郎)
滝廉太郎ってものすごい早世なのね(^ ^;;。
23歳の若さで夭逝?
…いや、音楽史で習ったのだろうけれど、すっかり忘れてましたわ。
そして荒城の月もやっぱりいい曲だねえ。
6. からたちの花(山田耕筰)
とか言いながら、実は私自身は
日本歌曲のなかで一番好きなのがこの曲だったりします(*^ ^*)。
学生の頃サークルの独唱会でも歌ったなあ。懐かしい。
ということで、これは「塩焼き」なのだそうですが(笑)、
でも、実はヴァイオリンへの編曲も
山田耕筰自身が行っているのだそうな。
(…と書きながらWikiを眺めていたらピアノ用の編曲があることも発見!
わ、探しに行こう!)
とても西洋的なアルペジオなども含まれて、
これを山田耕筰が書いたのかと思うと
またそれもすごいと思わされる曲でした(*T_T*)。
7. アヴェ・マリア(グノー)
有名なバッハ・グノーのアヴェマリア。
あまりにも柔らかい響きにうっとり…。
8. ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)
かと思いきや今度は超絶技巧!!
いやもうなんだか意味が分かりません(*>_<*)。
ていうか私、
ピチカートというのは弦を持つ方の手ではじくものだと思ってました。
弦を押さえる左手でもはじくんですね。しかもあんなに早く。
指や腕の動きの早さもそうだけど、
あの集中力に脱帽。
…というわけでプログラムとしてはここまででしたが、
もう1ステージ分のアンコールがこのあと☆
ちょっと曲名を忘れたり順番あやふやだったりしてますが、
こんな感じ、かな。
・パガニーニ「(タイトル忘れた…)」
・モンティ「チャルダッシュ」
・ヴェラチーニ「ラルゴ」
・ディニーク「ひばり」
・メンデルスゾーン「歌の翼に」
緩急自在に音楽を奏でていて、
とくに「ひばり」などは本当に鳥の鳴き声が聞こえてきてびっくり(>_<)。
なにより音楽を奏でていることが幸せだということが
まっすぐに伝わってきて、
聴いていることが本当に幸せな時間になりました(*^ ^*)。
終演後、CDを買った方のためにサイン会をされていたりもしたのだけど、
舞台に立っているより小柄だったことにもびっくり☆
本当に舞台だと大きく見えるというのはオーラのあらわれだよねえ。
ていうか、ほとんど目が見えないというのに
サインをされているのも、すごいことだよね。
そういった愛が、ファンにも届くんだよね。
(いえ、誰かと比較している訳じゃありません)
また機会があればぜひ聴きに行きたいな、と素直に思いながら
雨のオペラシティを後にしました(*^ ^*)。
fin
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