2008年8月17日 12:00開演
『 幕末純情伝 』
於 新橋演舞場


博多座観劇の翌日は新橋演舞場での観劇。
確かに、まるで仕事か何かのようなスケジュールだよね(^ ^;;。
でも違うんです。まったくもって、趣味なんです。
いっそ仕事にすれば、
お金が出ていくのではなく入ってくるのか…?(爆)

ともあれ、この日はとにかくマミちゃん(真琴つばさ)に会いたかったのです。
そのために朝8時20分の福岡空港発の便に乗ったのです。
そして11時過ぎには東銀座に着いていたのです。
…愛ってスゴイ。

まるで、この作品の総司の台詞のように
「初めて(初めてじゃないけど)好きになった男が、女だったなんてよ」
というような想いで、会いに来ました(笑)。

『幕末純情伝』は、たぶん昔一度観てるんだよね。
まだこのサイトを立ち上げる前だから…1999年、藤谷美和子×筧利夫のものを。
でも正直、ほとんど覚えていません。
沖田総司が女だった、という設定でいえば、
友人の小劇団でやった時のことのほうが覚えてるくらい
(でもそのときはこの作品のことを思い出した気も)。
静御前が出てきて「源の静香でございます」 と名乗ると、
現代人の反応が「(ドラえもんの)しずかちゃん!?」みたいな(笑)。
そんな、どうでもいいことだけ覚えてます。

つかこうへいの世界としても、この作品より
稲垣吾郎ちゃんが出ていた『広島に原爆を落とす日』(1997年ごろ)のほうが
強烈に頭に残っていて。
吾郎ちゃんはテレビよりもお芝居向きだ、と冷静に思いながらも
真っ直ぐなメッセージにかなり心打たれました。

…というわけなので、
「沖田総司が女だった」という設定以外初めて見るお芝居として
世界に入っていきました。

以下、あらすじ…を書こうと思ったんだけど、
とにかく、つかワールドらしく破天荒、
ストーリーがあっち行きこっち行きで、
初っぱなから新撰組、江戸末期のお話のくせに
「憲法第九条」にこだわってるし、
「デモクラシー」にこだわってるし、
なんとも書きようが分からないっす(^ ^;;。

ていうか、本当のテーマはそこなんだろうけどね。
「freedom」を「自由」と翻訳した坂本龍馬の考える
民主主義・平和主義は今にも相通じるもので、
それらは今の日本が、格差社会だったりテロ対策に翻弄される日本が
今でも必死に守っていかなくちゃならないだろうよ、
というようなことを訴えたいのではないかなあ、と。

そしてもう一つ、ある意味今の私などには当然のことのようにも思えるけれど、
フェミニズムの精神。
めっちゃ簡単なあらすじとしては
女で、実は帝の血を引く沖田総司が新撰組に拾われて育ち、
大きくなって坂本龍馬に惚れて追いかけ回す、
けれども新撰組のために龍馬を斬れ、と言われて…という話なんだけど、
きっと前回とはまったく設定が違うんだろうな、
坂本龍馬にマミちゃんを起用した理由がそこにあるんだと思う。
坂本龍馬も、…女、なのよ。
そして最後に龍馬が女であることを総司に明かすんだけど、
実は総司はそのことに気づいていた、というの。
その上で「格好いーなー、こんな女になりたいなー」と追いかけていた、と。
その、男前な女性像。
「幸せも男も自分の手でつかむ」女性像を、
描きたかったんだろうなあ、と思ったのでした。
(でもその割に最後、総司に「ゴメンナサイ」と言わせるあたりが
ちょっとしょんぼりなんだけど)

そして実際、マミちゃん演じる坂本龍馬、本当に…本当に男前でした。
思わず私は、幕間にトイレに並びながら
彼女が宝塚トップスターだったころの役をひとつひとつ思い出し、
…今回の龍馬こそが一番硬派で男前度が高いことに思い至ったのです。
ところどころ、「ああ、マミちゃんの仕草」と思うような
首の振り向き方とか、口の開け方とか、
そんなマイナーなツボを押さえたりもしていたんだけど(爆)、
それにも増して、本当に硬派な男(いや、本当は女)なのでした。
そしてとにかく格好いい。
二幕冒頭だったかな、
ダンスシーン(けっこう歌ったり踊ったりもあったのよ)で
ちょうど私たちの列の前で踊っていたマミちゃんが
私に向かって(思いこみ)指を指したときには
オペラを両手で抱え込んだまま「きゃー」とつぶやいてしまいましたわ(*>_<*)。
フィナーレでもう一曲肩を出したドレスで踊ったときには
その肩の細さに痛々しくなってしまったけど(^ ^;;。
も、もそっとお肉があったほうが安心だね…。

ど、どうしよう、他の方の感想もとくに印象に残った方のみ
少しだけ言っておきましょうかしら。

・沖田総司:石原さとみ
基本、唇の感じとかが好きでないのだけど、粗暴なヤンキーっぽさが可愛かった。
男性的にはその後の色気が好きなんだろうけどね。
でも、件の「格好いーなー」のあたりでは
微妙にうるっときたデス(*>_<*)。

・ 高杉晋作:吉沢悠
この高杉もチャラ男で面白かった。

・鬼畜丸:橘大五郎
綺麗だった。女形なんだよね。綺麗だった。

・土方歳三:矢部太郎
登場初っぱな、誰の台詞だったかな、
「これが土方歳三!? 土方ってのは優男で…」と全否定されてたのが
面白かった(笑)。
でも、ちょっと浮いたような歩き方とか、
めっちゃイイ味出してました(*^ ^*)。

・勝海舟:若林ケン
歌専門。演歌歌手のような羽根ヒラヒラのストールを肩からかけて
着流し姿でマイクを持って花道を登場するたび、
独特の世界に引き込んでいくので、笑いを禁じ得ませんでした(*>_<*)。

・近藤勇:山崎銀之丞
助平な古旦那的役割。「ときめきがない」って、キツイ言葉だね〜(^ ^;;。

もっと作品の奥まで理解する(&マミちゃんの格好良さを堪能する)には、
あと1〜2回観たいところではございますが(^ ^;;
残念ながらもう機会がございません。

でも今回思ったのは、
マミちゃん、いい仕事選んでるな〜という嬉しさだったりもしました(*^ ^*)。
こんな硬派な男前なマミちゃんに会えて、
幸せですたい(*>_<*)。

fin