山田洋次&映画ファン74%、木村拓哉ファン25%、檀れいファン1%。
そんな観客構成、のように見えました。今日のプリンスシネマ
(思ってたよりキムタクファンは少なめに思えた…)。
もちろん「檀れいファン1%」とはワタシのこと(爆)。
檀ちゃんが観たくて、山田洋次ファンの父とともに行ってきたのです。
さすがは山田洋次、というべきか。
檀ちゃんも、そしてなんと(?)木村拓哉氏も、
とても自然に山田洋次の世界に、そして江戸時代に溶け込んでいました(*T_T*)。
私なんて、冒頭の場面で徳平(笹野高史)が
「おはようございます」とお家にやってきたところで
家の奥から「はーい」と応えた檀ちゃんの声を聞いただけで
自ずと涙が…(早過ぎや!)。
でもそれだけ普通に江戸時代の品のいいご新造さんだったのですよ…(*T_T*)。
山田洋次の世界はいわゆる「時代劇三部作」の前二作も観ていないし、
『寅さん』シリーズや『学校』くらいしか実は知らないのだけれど、
でもそこに描かれる「普段」の姿、「日常」の中で起こる日々の変化が
彼の作品世界の魅力だろうと思っていて。
今回も江戸時代という、私たちの直接知らない時代ではあっても
それと通じる姿が描かれていた中で、
檀ちゃんが加代として普通に息づいて生きていたことがとても嬉しかったのでした。
基本的に私は檀ちゃんの演技が宝塚の頃から好きだったので余計なのかもしれないけど、
舞台の上とは違う、
もっと自然な演技(でもちょっと宝塚時代の癖なども垣間見え☆)
で、
私はすっかり感情移入。
何度か声を上げて泣くようなシーンもあり、こちらもハンカチを濡らしました。
ああ、ハンカチを準備しといて良かった(^ ^;;。
木村氏もね、普通に武士でしたよ。いい意味で。
以前に観た方から「やっぱりキムタクだった」と言われて、
そうか〜と思っていたのですが、
そりゃもう当たり前にキムタクではあるけれども(爆・とくに軽口の叩き方とか)
でもそんなのはもう「キムタク」というキャラが立ちすぎているからであって
、
ちゃんと三村新之丞だったと思うデス。
普通の下級武士というのはそういう感じなんだろうなと思った。
そして本当に加代を愛していることが伝わってきた。
というかねえ、やっぱり綺麗だね。二人とも。
いや、基本的に木村氏は好きではないハズなんですが(爆)、
でも本当に観ていて美しかった。
監督が「今回は美男美女でなければならなかった」とどこかで語っていたのを
読んだのですが、 カントクどうもありがとがんすというくらい(笑)。
作品自体の持つ品のためもあると思うけど、
飾り気のない素朴な日常の愛情の美しさがとても心地よかったです(*^ ^*)。
そして何より上手いのが二人の夫婦の中間(ちゅうげん)、
徳平役の笹野高史さん。
全体の流れを壊さない微妙なさじ加減のコミカルな演技で
劇場内に温かい笑いが広がり、清涼剤的な役割を演じていらっしゃいました。
父によると寅さんなどでもとてもイイ味の役を何度もこなしてるとか。
その他、
桃井かおりは分かりやすくイヤなおばさん(でもいるいる、こういう人! みたいな)、
坂東三津五郎(みつごろう、は平板に読むのが正しいらしいですよ)も
卑劣な奴め…! というような役で、
この役を引き受けた三津五郎さんも一大決心だったのではないかと思うけれども
最後にはけじめをつけて…うーん、そう来るか…みたいな。
緒方拳や小林稔侍などゴージャスな、でもやっぱり品のある俳優さん勢揃い。
ストーリーもやはり流石、なんだよね。
パンフレットを読むと、けっこうオリジナルな展開などもあったりするみたいで、
これから原作を読んでみようかな〜と思ったりしました。
どこまでネタバレしていいものか迷うので大きなことは書かないけど、
小ネタとして私の心にヒットしたもの(いろんな意味で)を
思いつくまま列挙してみます☆
・お毒味役の一番右のおしゃべりなおじさん。
1回目のお毒味シーンでの彼のおしゃべりは、
2回目での新之丞に声をかけて、新之丞の変化を気づかせることへの前ふりと、
3回目でのお毒味のお目付(?)が変わっていることを
もう一度気づかせることへの前ふりなわけだね〜。ううん、流石です〜。
・お毒味役の新之丞が他の人たちよりぱりっとした裃を着けていること。
そして平伏する角度が他の人より心持ち高いこと(あ。)。
・ふすまを開けようとする檀ちゃんの足の裏(爆)。
・加代の「たすき」の使い方(*T_T*)。
というか、目の見えない新之丞がたすきを持って「これは紐か?」と聞いたときの、
加代の「私のたすき」という素っ気なくも取れる返事の声音がツボでした☆
そして、クライマックスに引き継がれているところがホント上手い…。
・文鳥のかご。
ラスト、焚き火の火にくべている様子を見て、
「そうかあ、竹だからそのまま焼いていいんだ…」と
気づかなくていいことに気づいてしまいました(^ ^;;。
江戸時代。いいね。えころじーだね。
・上様。
あの、「大儀。」の言葉の軽さには「ええーーーー!?」と思ったけど、
でもそう思わせるくらいの軽さでないとやっぱり続いていかないのよね。
おやおや、なんだかこの感想を書いているうちに、
もう一度観たくなってしまいました…。
でももう一度なんて観に行く時間なさそうだなあ…DVD買っちゃおうかなあ…。
fin
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