昨年「海老蔵襲名披露」の舞台を観てから
ずっと観てみたかった海老蔵×菊之助。
お正月の新橋演舞場で、
夢(というほどのものでも)が叶いました〜〜(*^ ^*)。
…ていうかチケットを取る段階では、
海老蔵が出ることしか知らなかったのですが(爆)。
『彦山権現誓助剱 毛谷村
(ひこさんごんげんちかいのすけだち けやむら)』
…なのに。
(市川)海老蔵ファンの方がこのHPを見てらしたらゴメンナサイ。
彼、…ふ、ふっくらされました?(>_<)
それとも綿入りのお着物のせいなのか、
それとも百姓という役柄の役作りのせいなのか、
そ、それとも子どもを連れている設定の役作りのせいなのか 。
とにかく、前回見たあの助六のカッコ良さから比べると、
なんだかもっさりとして見えたのです…(T_T;。
なので、
もちろん杯を交わして新婚と相成った二人が
着物の着替えを手伝いながら恥じらったりなんだりと、
初々しくいちゃいちゃしてるのは
とても愛らしく素敵だったのです(*^ ^*)が、
あああ〜ん、もっと美しい姿の二人が見たいよ〜〜。
(なお、パンフレットを見ると
パリ公演での二人の色香漂う写真が載っています。
しかも今回の夜の部の演目はこの時と同じ『鳥辺山心中』。
よ、夜、観に行っちゃおうかな…)
そういう意味ではね、菊之助の方がワタシ的には見せ場いっぱい☆
山賊相手に子どもを抱きかかえつつ
立ち回りを見せた男前な姿(ていうか男だけど)や、
かと思えば照れながら大きな臼を動かしてしまうお茶目な姿や、
何より娘役、もとい女形らしい楚々とした立ち姿など、
オペラグラスがなかなか離せませんでした〜(*^ ^*)。
あ、今さらだけど一応あらすじね。
毛谷村にひとりで住む百姓の六助(海老蔵)は剣術の達人だが、
自分に勝てば領主に召し抱えられると聞いて、
病身の母を持つという弾正(亀蔵)との立ち会いに
わざと負けてやる広い心の持ち主。
しかも心が広いので、孤児の面倒も見てやっているし、
老婆が泊めてくれと言えば気軽に泊めてやっている。
ある日そこに虚無僧がやってきて、
突然「家来の敵!」と斬りかかるものだから
その天蓋を取ってみると女だった。
実は、六助の剣術の師匠の娘・お園(菊之助)で、
六助が面倒を見ていた孤児の弥三松(吉田聖)は
彼女の甥に当たるのだそうな。
師匠から「お前は六助と夫婦になれ」と言われていたお園は
彼が六助だと聞くとすっかりその気になり(笑)、
六助のほうも訳を聞くとまんざらでもなく(笑)。
で、さらに話を聞くと
なんとその師匠は同じ家中のものに殺されたとのこと。
その風体が先日戦った弾正にそっくりだったところに、
弾正は、
実は六助が「病身の母のために」というシチュエーションに弱いと聞いて
六助を騙したことさえ判明し、
怒りと正義に燃えた六助は弥三松を携え、
仇討ちに出ることになったとさ。完。
追記:弥三松役の吉田聖くんは御年おいくつなのでしょう。
まだ4歳か5歳くらいだろうに、
舞台の上に立っている自分をちゃんと認識していて凄かった。
お園(と後ろの黒子さん)に抱えられているときは
さすがに苦しそうだったけど(^ ^;;。
『奴道成寺(やっこどうじょうじ)』
「娘道成寺」のパロディ…だそうです。
そう言われても娘道成寺を見たことがないからなあ。
でも松緑さんの舞は見事だったし(とくに三つのお面の早変わり!)、
お坊さんたちのアクロバティックな前方宙返りもすごかったし、
花四天の皆さまのアドリブというか広告宣伝
(ex「花園饅頭の濡れ甘なっとをおみやげに〜」みたいな(笑))も
面白かったし、
うん、楽しかったです(*^ ^*)。
『人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)』
三遊亭円朝の人情話の歌舞伎化だそうで。
本当に落語が目の前で大人数によって繰り広げられる感じでした☆
たくさんたくさん声上げて笑っちゃった(*^ ^*)。
酒とばくち好きな左官の長兵衛(菊五郎)が
年末差し迫った今日もばくちで身ぐるみはぎ取られて家に戻ってくると、
家の中は真っ暗闇。
どうしたことかと怒鳴りつけると、女房のお兼(田之助)から
「娘が帰ってこない。
これというのもお前がだらしがないから
愛想を尽かして出ていってしまったんだ」と逆ギレされてしまった。
慌てて探しに出ようとしたところに、
吉原の大籠・角海老の手代である藤助(團蔵)が
「娘御が角海老に来ている」と告げにくる。
慌てて着るものもとりあえず…というか
着るものもないのでお兼の着物をはぎ取って来て向かうと、
角海老の女将・お駒(時蔵)の部屋には
果たして娘のお久(右近)がしょんぼり座っていた。
年を越すお金もない父のために自ら身を売って用立てし、
それで父が性根を入れ替えて働いてほしいと思ったらしい。
そんな親孝行な様子に胸を打たれた周りの大人たち。
お駒は来年の3月までに金を返せば店には出さないからと言って
50両を長兵衛に渡した。
だがその帰り道、
大切な店の金をすられてしまったといって
川に身を投げようとしていた男(菊之助)に
その金をすっかり渡してしまい――!?
お噺自体も面白い上に
より笑いを引き出していたのが、
今回お披露目となった岡村研佑改め尾上右近くん。
お父さんの膝にすがりついて
「くどいようだけど、おまえ、真面目に働いておくれよ」と必死に頼むたび、
こんなちっちゃな子からそんなこと言われて、という笑いが
客席に広がりました(*>_<*)。
まあちっちゃい子すぎた故に、
ラスト菊之助と夫婦に…というのは、
「いやそれ、ホントにお互いアリなのか?」
と思ってしまいましたが(笑)。
でもいっそ、こうやって周りや世の中に決められてしまう方が、
晩婚化しなくて済むのかもね(爆)。
最後の場でアドリブ的にお披露目の口上があったのだけど、
そこでも目頭が熱くなったりしました〜(*T-T*)。
海老蔵氏が「2年前、大河ドラマ『武蔵』の楽屋に電話が入り、
研佑くんから相談を受けました。
10歳の子がこんなに真面目に考えている――
自分は10歳の時何を考えていたかと言えば、
何も考えていなかったですね(^ ^;;」などとエールを送っていましたです。
そう、海老蔵氏はこのお芝居にも
菊之助の奉公先の店の蔦頭役として出演されてたんですね。
どうのこうの言ってファンらしい私、
「今度は白塗りじゃないからもそっと細く見えるかしら」とかいろいろ
言い訳をつけてオペラグラスを覗いていたのですが、うーん(^ ^;;。
でもやっぱりやっぱりかっこいいんですけどね。
何がいいんだろうとつらつら考えていたのですが、
どうやら私は彼のまぶたが好きらしいです(笑)。
もちろん目をかっ開いて睨みをきかせているのも
かなーりカッチョいいのですが、
ちょっと伏し目がちにしているときの、
薄い笑いの入ったまぶたが好きらしい…マニアックでスミマセン(爆)。
だんだんナチュラルに歌舞伎も趣味の一つと
化してきている自分がコワイ今日この頃(*>_<*)。
お次はいよいよスーパー歌舞伎か?
それとも今回の夜の部か?
(口だけになってることを祈ります(爆))
fin
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