2004年9月6日 19:00開演
   スタジオライフ『ドリアン・グレイの肖像
於 紀伊国屋サザンシアター

     
開演10分前。
待ち合わせた友人を待ちながらなにげなくチェックしたメールが、
私の心を支配してしまいました。

来年の宝塚月組公演『エリザベート』、
エリザベート役は瀬奈じゅんに決定。
――な…なにそれ!!!

ライフのレポなので、
ここでその内容について触れるのはやめておきますが、
ライフのお芝居を見ながら、思い出すのはそのことばかり(^ ^;;。
ヘンリー卿(笠原浩夫)の燕尾の裾を見ては
花エリザのフィナーレ・オサアサデュエットダンスを思い出し、
ドリアン・グレイ(高根研一)の肖像画を見ては
「ここからシシィが出てくるんだ…シシィが…」とうろたえ、
ドリアン・グレイが恋文を書くシーンでは
「これが最後通告です…」と呟き、
紗幕の後ろにスポットを浴びて立つドリアン・グレイの姿に
「ああ、鏡の間も演るのよね…」とふるえ、
屋根裏部屋のドアを見ては『反省』シーンを思い出し…。
せっかく4人隣には舟見(和利)くんがご観劇だったりしてたのに、
ホント、思わずシーンとは何の関係もないところで
突っ伏しそうになるのを堪えながらの観劇となってしまいました。
いったい何度顔を覆ったことか。

でもそんな私の動揺とは関係なく、
舞台の上では素晴らしいお芝居が繰り広げられたのです(*T-T*)。

ストーリーはこんな感じ(私の意識の限りでは(^ ^;;)。
19世紀末のロンドン。
画家・バジル(岩崎大)がその想いをすべて傾けて描いた肖像画の
モデル、ドリアン・グレイ。
バジルの悪い友人であるヘンリー卿の快楽主義に感化され、
若さと美しさに傾倒してしまった彼は、
完成した肖像画を見て
「若さを失わずにいられるのが僕で、置いていくのがこの肖像画だったら、
魂だってくれてやる!」と叫ぶ。
その後、若い女優・シヴィル(林勇輔)との初恋に破れ、
さらなる快楽に身を委ねたドリアンだったが、
なぜか彼の若さは失われない。
――代わりに肖像画が、
彼の老いと罪とによってその姿をむしばまれていったのだ…。

以前、宝塚でもやったことあるんですよね。バウ公演で。
残念ながら私は見たことないのですが、
きっと紫吹淳さんのドリアンは
それは「アドニス」にふさわしい容貌だったのではないかと思います(*^ ^*)。

…いや、実はね、
高根さんのドリアンが
ワタシ的にはあんまりイメージではなかったのですわ(^ ^;;。
お芝居としてはとても上手かったし入り込めたのだけど、
肖像画を描いているシーンでヘンリー卿が
バジルに対して茶々を入れながら「君のアドニス」と言ったときに、
「…アドニス(^ ^;;」と違和感を持ってしまったのm(_ _)m。
そういう意味ではもう一方のキャストの山本芳樹さんのほうが
アドニス的だよね(爆)。
でも本当にお芝居は上手かったのよ!

ヘンリー卿の笠原さんは…ハマりすぎ(笑)。
金髪のストレート、刹那的なお貴族様がこんなに似合う日本人
――いないっすよ(*>_<*)。
座るときの燕尾の裾のサバき方、
紅茶の飲み方、ティーソーサーの持ち方、
リボンタイを結び直そうとして失敗したときの肩のすくめ方、
指先の使い方、etc...
ホント、いちいちツボに入りました。
しかも後半、年老いてからもホント上手い!
ヘンリー老人、なんたって舞台もかなり捌けてから
両手を後ろ腰のところで組みましたからね
(私が座ったのが、かなり端っこの席だったの)。
もうそこ、見えないところだから!
役者魂を感じました(*^ ^*)。

バジルの岩崎くんもかなり似つかわしかったです(*^ ^*)。
お芝居の最初の方はちょっと舞台の大きさに緊張してるかなーと
思う部分もあったのですが、
ドリアンに「一緒に祈ろう!」と悔い改めるよう嘆願するシーンでの
真摯っぷりは素敵でした〜(*T-T*)。

シヴィル・ヴェインの林さん。
彼もホント上手いよねえ。
ドリアンにすがりつくシーンでは
あんまり必死にすがりつくものだから
さすがに男らしさが出てしまっていましたが(^ ^;;、
そこ以外の優美な動きは、「女優」のものでした☆
(でも、及川くんのシヴィルも見たかったよう〜。
及川くんが「あなたはなぜロミオなの」とか言うの
聴きたかったよう〜(爆))

あとはジェイムズの奥田(努)くんもすごく上手くなってたし、
深山(洋貴)くんのさまざまな女性役もイイ感じだったし、
なんだろうなあ、前回も思ったけど、
ここに来てスタジオライフ、格段にレベルをあげてる気がします。
サザンシアターの大きな空間も、隙間なく埋まってたし。
すごいやねえ。

いつもながら舞台装置、照明、どれもよく考えられた、
無駄のない舞台設営で、全体に流れる耽美な世界が素敵でございました。
ただ、スクリーンに映し出されるドリアンの顔が
ホントに怖かったんですけど(笑)、
でもそれは合ってるんですよね(*>_<*)。

fin