2004年9月29日 14:00開演
   『1954のホテルライフ
於 THEATRE1010

     
北千住に新しくできた劇場「THEATRE1010」。
そのこけら落とし公演に愛華みれさんが出るというので
行ってまいりました☆

どうして平日昼公演かって?
だって今は公演中で水曜日以外は忙しいじゃないすか(誰が?)。
でも同じことを考えてる人って世の中には多いもので、
どこかでお会いしたことのある方、
連日私とお揃いの服を着てらっしゃる方が
少なくとも20人はいましたね。
――みんな、狙いは外れましたが(爆・スミマセン邪念ばかりで)。

まあそんなことはどうでもいいとして(^ ^;;。

ストーリーはこんな感じ。
1954年、戦後復興期から高度経済成長期へと移行しつつあるニッポンの
文化住宅の一室に、一組のサエない夫婦がいた。
鳴り物入りで入団することになった広岡にショートの座を追われた
巨人軍選手・今泉弦造(井上順)と
売れない女優・梅園はるか(愛華みれ)。
もう死んじまおうと全財産をはたいて遊び回り、
最後の一夜を帝国ホテルのスイートで過ごすべくやってきたのだが、
ちょうど同じ日、隣の部屋に
アメリカのヒーロー・ヒロインである、
ジョー・ディマジオとマリリン・モンローが新婚旅行で来ていたために、
さまざまな人たちが押し寄せてきて…!?

つのだ☆ひろ
(実はずっと気になってるのですが「☆」の部分ってどう読むの?
ついでに遊◎機械全自動シアターの「◎」もどう読むの?(笑))の
音楽に乗せ、
しかもビールやらみかんやらホンモノを使い、洒落つつも誠実な空間。
吉田秀穂さん演出の舞台は初めて観たのですが、
お洒落な昭和20年代版『コメディ道中でござる』といった雰囲気
(…あんまりホメ言葉に聞こえないな(^ ^;;)で、
くすくす笑いつつ
ラストにはほんわりほのぼのじんわりくるようなお芝居でした。

主だったキャストの感想。

売れない女優・梅園はるか役のタモちゃん(愛華みれ)。
…歌、上手くなったよね(*^ ^*)。
女性らしい歌声(まあ、あんまり声域は広くないけど)が安定していて、
お芝居としても飾りのないナチュラルな演技の中に見せる
「職業・女優」らしいわざとらしい演技のメリハリがとても利いていて、
しかもやっぱり綺麗。
途中、鮮やかなお着物を着るシーンがあったのですが、
その美しさに圧倒されました☆
でも、その台詞まわしにちょっとだけ浜木綿子が入ってた気がするのは
私だけ?

売れない野球選手・今泉弦造役の井上順。
軽妙なコメディセンスはさすがの彼。
タモちゃんの手を取ったり肩を抱いたりしててもいやらしさがなく(笑)、
素直に「可愛い夫婦だなあ」と眺められました。
お芝居の最初、ショートを守ってると聞いたときには、
「いや、そりゃあ若者に追われちゃうのも仕方ないよね…」なんて
思っちゃうくらいでしたが(爆)。
ショート好きとしてはね、仕方ないね(笑)。

その二人を取り巻くキャストも味のある役者さんばかり。
カタキ討ちに奔走する三遊亭歌助役の古今亭志ん彌師匠やら
「申し訳ないね?」が口癖の有福正志さんやら、
ボーイ姿が可愛かった魚谷輝明くんやら。
謎のドラマー、つのだ☆ひろ氏も場面を締めてくれて。

なにより、もちろんフィクションではあるのだけど、
演出家が調べつくしたに違いないディティールの細かさ、確かさが
お芝居のリアリティを後押ししていてよかったです。
だって今パンフレットを読み返したら、
ボーイのイヌヤマくんも実在してる(というかモデルにしてる)そうな!
古き良き昭和の時代を思い起こさせるちゃぶ台や
巨人軍の軍服…もといユニフォームや、
そういうもの一つ一つもこだわりがあって。
あんまりネタバレになるので書けませんが、
ラストのモノクロ写真もいい演出でしたね☆

「ちょっと広くて明るいアートスフィア」な雰囲気のシアター1010、
この後も精力的にいろいろなお芝居をやっていくようです。
スタジオライフも来るみたいだし、
利便性の(私にとって(笑))よい劇場の今後に期待!

fin