か、かっこよかった……市川新之助改め海老蔵(*T-T*)。
オペラが下げられないくらいかっこよかった……。
父の代理でたまたまご相伴に預かってしまった歌舞伎のチケット。
しかも、先月に引き続いての海老蔵の襲名披露公演。
「歌舞伎はお披露目で稼ぎ、宝塚はサヨナラで稼ぐ」と言われますが、
その名の通り劇場中が海老蔵お披露目に沸き返っていました☆
海老蔵グッズは当然売っているし、
各界からのお披露目祝いの品々も飾られたりしていて、
ちょっとした美術館・宝物館状態。
千なんちゃらさんから贈られた書なんかと一緒に
いつだったかネットニュースで見かけた
「ルイ・ヴィトンにオーダーした鏡台」を見たときには、
「おお、これか〜〜(笑)」とあのマークに囲まれた鏡台の姿&設計図に
一人でツボに入りました(>_<)。
『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』
絵の師匠・土佐将監(段四郎)に師事する弟子のお話。
絵から魂を持って抜け出てきてしまった虎を退治し、
「土佐」の姓をもらったという修理之助(友右衛門)の話を聞いた
「どもり」の浮世又平(吉右衛門)が、
自分も「土佐」の姓が欲しいと言っていろいろ言うけど
何をしたわけでもないのにと言って受け入れられず(そりゃそうだ)、
悲嘆にくれて、
じゃあ絵を描いてから死のうと手水鉢に絵を描いたら
その絵魂が手水鉢の裏側まで映ったため、
そりゃすごいといって「土佐」の姓をもらえた、というストーリーです。
近松門左衛門だったらしいのですが、
ホントある意味SFなんだよね(笑)。
だってまず、絵から虎、出てこないだろう(>_<)。
そういうのがナチュラルに「絵を消せばいいのだ」とか言って
話が通じちゃうあたりに、ファンタジーのニオイがぷんぷんします(笑)。
しかも虎、妙に可愛いし☆
ていうか又平、
そりゃあ何もせずに「土佐」の姓が欲しいなんて言ったって
そりゃ駄目さ(笑)。
なんか、「土佐」の姓がもらえない理由を
「どもり」だから、というところにすり替えてしまっていたのが
個人的に気になりました(爆)。
あんまり「どもり」だから、というのはこの場合関係ないだろう。
吃音云々に関係なく頭がゆるそうだな、というのも置いとくとしても、
まず賞せられることを何もしてないのだから
そりゃあ将監が正しいじゃん…とずっと思っていたのですが、ワタクシ。
それなのに勝手に悲嘆にくれて、
勝手に人の家の中で自殺をしようとして、
あまつさえ人の家の手水鉢にいたずら書き(!)までしようとして。
客観的に考えれば、かなりイタイ人だわ(爆)。
ちょっと最後は、将監が彼の思いこみに屈したか? とさえ
思ってしまいました(^ ^;;。
まあそんな風に捉えられるのも、
それぞれの役者さんが上手かったからなのだろうけど(*^ ^*)。
でももひとつツッこむとすれば、
その、最後に又平が描いた「自らの絵姿」、
…ちょっと美化してない?(爆)
『吉野山』
静御前(菊之助)が吉野山の山中で義経を想って
お供の佐藤忠信(菊五郎)と共に舞う、という
どちらかといえば舞が中心のお芝居。
尾上菊之助――綺麗だった(*T-T*)。
お父さん・菊五郎が演じた相手役佐藤忠信よりかなり大きかったけど、
でもうっとりするくらい品があって、綺麗だった(*T-T*)。
『新選組!』の優○ちゃんに見て研究してほしいくらい(爆)、
綺麗だった。
どうでもいいんだけど、
「後見」という役はみんな本当に座ったまま平行移動するんだと気づいて
一人ほくそ笑んだ今日でした。
『助六由縁江戸桜』
吉原の太夫・揚巻(玉三郎)の恋人(…ていうか、ヒモ?(笑))で
評判の伊達男である助六(海老蔵)が誰彼構わずケンカを売り、
でも実はそれはなくなってしまった刀の行方を捜すためなんだ、
しかも最後にはその行方も見つけたぜ! という話。
解説にあったように、
なによりもまず「助六のかっこ良さ」が売りの作品だそうですが、
噂に違わず、助六――市川海老蔵、かっこいい…(*T-T*)。
なんていうか、「助六」のくま取りが
まさしくそのまま三次元になった感じでした。
しかも、私たちのお席は2階の花道の真上だったため、
最後なんて「うわ! こっち睨んでる! こっち向いて歩いてくる!!」
てな、いつも通りの勘違いに包まれて(笑) 。
くはー! まじハンサムさんでしたよ!
しかもやっぱり主役さんだけあって、扱い的にもいつも二枚目。
椅子の座り方、裾はハネさせるのね、とか、
見得を切るときの指はあまり握りしめないのね、とか、
でもなんで足袋は黄色なんだろう、とか、
いろいろ素敵でした(*^ ^*)。
個人的にツボだったのは、
いつもそうやって足を格好良く開いて座っていた助六なのに、
お兄さんの前では足を閉じて手を膝の上に重ねて座っていたり、
ましてやお母さんの前ではしっかり正座をしていたり、
そういう、実は…の育ちの良さが出ていたところ(*>_<*)。
もちろん計算の上のことなのだけど、可愛らしかったです☆
惜しむらくは、揚巻の玉三郎との並びが
姉と弟、もしくは太夫と若いツバメ(…)に見えてしまったことかしら。
もちろん玉三郎の妖艶さはすごいのよ! 本当に。
敵わないなあと思うの。本当に。
でも、女(形)だてらに見得を切るときにあまりにも威厳があったからか、
それともやっぱり実年齢の差(>_<)なのか、
言ってみればハナフサ様(宝塚宙組主演娘役・花總まり)と
タニちゃん(大和悠河)のようなカップルに見えてしまったのでした(爆)。
タニちゃんにはやっぱり
あーちゃん(花瀬みずか)みたいな娘役が…ということで、
一度海老蔵×菊之助のコンビが観たくなったワタクシ(*^ ^*)。
以前、この二人で「娘道明寺」をしたことがあるんだそうな。
知ってたら…(*>_<*)。
でもこれからでも、
もしこのコンビでお芝居するとしたら絶対行っちゃうわ!
他のキャストも味のある人ばかりでした。
助六のお兄さん・白酒売新兵衛を演った勘九郎は
まるで水戸黄門様のような格好をしながらもキュートなキャラで
笑わせてくれたし、
髭の意休を演った左団次はほとんどお髭で顔が見えない(>_<)し
助六にいろいろいじめられて実はカワイソウな人だった(笑)けど、
本当に上手かった!
そして、アドリブ満載の松助!!
助六にケンカをふっかけられて股の間を通れと言われ、
「ただ通るのも何だから」と海老蔵扇子で彼の股を扇いだり
ブルガリのコロンをかけたり、
果てにはマフラーと眼鏡を用意して(&音楽まで準備させて)
『冬ソナ』の真似をしてみたり、やりたい放題(笑)。
果てには「こんなにやって、のどが渇いちゃった。
お〜い、お茶!」と勘九郎が今CMをやってる
伊藤園のお〜いお茶を黒子に持ってこさせて飲んだりして(笑)。
歌舞伎でここまでやるんだ…! と面白かったです☆
「伝統芸能」の代表とされる歌舞伎も
実は「大衆演劇」なんだな(イイ意味でね)、と思った今日。
きっと江戸時代の女の子たちは、
助六にきゃあきゃあ言いながら舞台写真の代わりに浮世絵を買い、
お団子屋さんでお喋りしながら
「海老蔵と菊之助の並びが観たい〜(*^ ^*)」と
ときめいていたに違いありません。
…なーんだ、同じじゃん(笑)。
fin
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