2004年5月14日 19:00開演
SHIZUKI ASATO CONCERT TOUR 2004  
『THE PRAYER

於 日本青年館 大ホール

    
ずんちゃん(姿月あさと)の『THE PRAYER』シリーズも
今回が3回目。
今回は「〜私だけの音楽(セカイ)が誕生する2〜」と題され、
会場もどんどん大きくなって1400人入る日本青年館。
シリーズの円熟にふさわしい、濃密な空間でした(*^ ^*)。

会場に入ると、舞台の上に洋風庭園が広がっていました。
イオニア式(笑)みたいな柱のある中庭に、
ピアノとチェンバロ、そして上手側に白いテーブルとチェア。
テーブルの上には生花が飾ってあり、
その奥には湖、そして山脈。
ずんちゃんの説明があったように、
1回目の『THE PRAYER』では「私のサロン」だったけれど、
今回は「私のガーデン」ということだったようで。

3月に「主人」の転勤により、
オーストラリアのケアンズに住むことになって、
本当に住んでるんだそうです(笑)。
で、4月に行ってきたそうなのですが。
びっくりしたのは、バリでは野良犬、野良猫、野良ワニなどがいて
ワニが道路を横切るのを待ってから
「どうも」って感じで車を発進させたりしていたのに、
オーストラリアにいるのは、なんと野良カンガルーなんだそうな☆

と、話がずれちゃった。
そんなわけで南の国にいてあまり四季が感じられないため、
「私のガーデン」で
四季を一緒に感じていきたいというコンセプトのもと、
このコンサートを作ってきたのだそうです。

しかも「春」のときに描かれていた背景は、
ずんちゃんによると「ロッキー山脈、そして琵琶湖」だそうな(笑)。
いったいどこの国じゃ(笑)。

というわけで舞台は『春』から。
NHKでよく流れている千住明のバイオリン曲に歌詞をつけた『木の葉』、
『桜』(森山某に非ズ)
『花』(喜納昌吉の)。
…ちょっとお風邪気味なのかしら(^ ^;;。
少しだけ声がかすれぎみだったりひっかかってたりしたのですが、
でもピンクのパンツの上にひらひらした桜柄のワンピース、
そしてピンクのシースルーのロングコートをひらめかせながら
歌うずんちゃんに、久々の姿月ワールドへすい込まれていきます。

そして『夏』。
『SUNRISE』の歌声に
「やっぱりずんちゃんの険しい歌声はいいなあ」と浸っていると、
なんと強制参加の音楽の授業が始まってしまいました(笑)。

昨年の『PRAYER』でも登場した、眼鏡と指揮棒を持ったシヅキ先生☆
今年の課題曲はなんと、
前回のコンサートで圧巻だった
M・ジャクソンの『HEAL THE WORLD』でした!
しかも英語も含めた計8小節を一緒に歌え、という難易度の高さ。
ずんちゃん「前回、みなさん、お下手でした(笑)」と笑うなら、
そんなムズカシイ曲にしないでよ(笑)。

でもね、そこでずんちゃんが歌詞の覚え方を伝授してくれたのです(笑)。
例えば最初、「♪HEAL THE WORLD」という歌詞があるのですが、
「皆さん、英語だからって諦めないで」と言ったずんちゃん、
こうやって覚えるんです「♪ひ〜ざは〜〜(膝は)」…爆笑!
指揮棒で「とても大切なところなんですよね」と膝を指し示しながら、
「♪ひ〜ざは〜〜」
さらには「♪君が笑えば」のところで「♪黄身が笑えば」なんて
言い出して(笑)。
いや、日本語だし、普通に覚えればいいじゃん(爆)。
でもずんちゃんによると、
けっこういつもそうやって歌詞を覚えてるんだそうです。
――今度の私の演奏会、どうしても覚えられないフランス語、
そうやってみようかしら(笑)。

そうやって伝授された後、
「私の歌を聴いて〜! っていう人いますか〜!?(笑)」と
客席に声をかけるずんちゃん。
しかし、いるもんなんですね〜。二人も手をあげてました☆

一人目は10歳の女の子。
この子が――マジ上手かった! びっくりした。
ずんちゃんも「若いから出せる声ですね〜
(ちょっと語尾が上がる感じだったの)!! すごい!!
アイドルになれる!!!」と大絶賛☆

もう一人の47歳の方は、手をあげたもののちょっと緊張しちゃったか、
休符を待ってられずに速くなってしまいましたね。
でもお上手だった(*^ ^*)。

さらに「他にいませんか〜もういない〜〜? 本当に〜〜??」と
声をかけた先は――センター席に座ってらっしゃった上級生3人組。
(ゴメンナサイ、お名前分からなかった(^ ^;;)
彼らは最初から覚える気がなかったらしく(笑)、
あたふたしながら立ち上がり、
ずんちゃんの先導のもと…でもとても太い男役声で(笑)。
「演技でごまかしましたね〜」とはずんちゃんの評☆

そうしてようやくみんなで大合唱。
ずんちゃんも客席に降りてきて、みんなが歌っているかどうかをチェック☆
あとで「学級委員さ〜ん(誰?(笑))、
チェックしにいったら歌わずに私に向かって手を振る人がいるんです!」
とチクってました(笑)。
でも楽しかった(*^ ^*)。

そのあとは音楽だけでなく理科(?)の授業。
…といっても「魚座」のお話だったので、実質は国語では☆
魚座がどうして天に召されたかというお話だったのですが、
怪物達に襲われそうになった母(ヴィーナス)と子(キューピッド)が
魚に化けて川に逃げたとき、
離ればなれにならないようしっぽをリボンでくくって逃げたんだそうな。
それでしっぽをリボンでつないだ魚のマークとなった、
とのことでございます。親子の愛なんだって。
でもシヅキ先生の一番言いたかったのは
(私は)「ヴィーナス」、ということでした(笑)。

そして『星に願いを』。
ちょっと変わったアレンジがとても素敵でした(*^ ^*)。

そんなこんなでとても盛り上がった夏が終わり、
木の葉が上手から下手に(実際に)舞う秋がやってきます☆
春・夏はテーブルの上にあったお水のグラスも
ティーカップに変わってました。

オリジナル曲『夢想遊泳』『月のしずく』『想い』を続けて。
――ずんちゃんのすごいところってこういうところだなと思うのだけど、
歌詞がよく伝わってくるんですよね(*T-T*)。
私はけっこう音楽って音ばっかり聴いてしまって、
言葉が入ってこないことが往々にしてあるのですが、
でもずんちゃんの言葉はしっかり入ってくる。
『想い』、泣きました(*T-T*)。
涙が落ちないように、瞬きがたくさん必要。

そしてクライマックス、『冬』です。
『エヴァー・グリーン』もよかったけど、
圧巻だったのはやっぱり『祈り』。
ちょっと引っ張りすぎな感がしなくもなかったですが、
最初の頃に感じたような「風邪?」みたいな声では全くなく。
ひたすら会場中を圧倒する音楽(セカイ)でした(*T-T*)。
思わず男性客から「ブラボー!」の声があがるほど!
(でも今、前回のレポ読み返したら、
前回も同じ曲で男の人の「ブラボー!」が上がってたのね(笑)。
同じ人だったのかしら。
でもだとしたら、本当に上手いタイミングだし、
声としても媚びのない賞賛の声で、本当に素晴らしいよ(*^ ^*))

その後、一度ステージが終わり、舞台袖にはけていったのですが、
鳴りやまない拍手の後、
白いマーメイドラインのドレス(唯一のドレス姿)に着替えて
ずんちゃんが登場!!

「こんな世の中だから…どうしても聴いてほしい曲があります」と
歌い始めたのは『アメイジング・グレイス』でした。
マイクも胸元に落とし、本当の生声で聴かせる、
低い、落ちついた声のア・カペラ(*T-T*)。
ひたすら祈るように目を閉じて歌うずんちゃん。
隣の席にいた母が泣いてました。

そして、本当のラストは『DESTINO』。
ボレロのリズムに乗ったこの曲、アンドレア/ボチェッリとかでしょうか。
朗々と歌い上げる姿に、
ずんちゃんの大きさ(背だけでなくね(笑))を感じましたわ(*T-T*)。

でも実は私が一番胸に来たのは、
このラストの曲前にずんちゃんが話した言葉でした。
「ここに来てくださる皆さまと、
このセカイを一緒に作り上げてくれたスタッフの皆さまに感謝しています」
「世界中にはこんなにたくさん人がいるのに、
こうやってここで皆さんにお会いできる奇跡」

――変な言い方になってしまうですが、
彼女がそうやって直接的にファンへの感謝を述べる姿って
今まであまりなかった気がしているのです。
彼女の退団後の舞台やコンサート(ディナーショーを除く)を
多分すべて観てきていますが、
少しずつ少しずつ、彼女が求めるものが客席の方に向いてきた、
そしてそれが今回、本当に真正面に客席と向き合った、
そんな気がして、それがとても嬉しかった。
そうしたら、あれだけの歌声を持つ彼女だもの、強いよね。

今回、客席にけっこう多く男の方がいらっしゃいました。
ほとんどは奥様に連れてこられた旦那様方だと思うけれど、
あまり宝塚に興味のない人でも連れてくるのに
十分価値のあるコンサートだったと思います(*^ ^*)。
皆さま満足して帰っていかれたのではないかしら。

――彼女のファンクラブを一度やめていた母、
帰りにまた申込書をもらっていました☆

fin