2003年5月17日 14:00開演
SHIZUKI ASATO CONCERT TOUR 2003
『THE PRAYER

於 丸ビルホール

   
需要と供給が一致したステージ(笑)。

ファンの皆様が「姿月あさと」に求めているものって、
やはり宝塚時代に私たちを魅了したあの深い歌声と
正統派ハンサムな(「男役」としての)容姿、だと思うんですね。

退団後の彼女のステージを見るたび、
それと彼女のやろうとしていることとのギャップがあって、
まあそれは少しずつ減ってきてはいたんだけど、
でもやっぱりその違いを全く感じないことはなかったの。

…でも今日のステージは、
まさしく需要と供給がぴったり一致してました!!

ミュージカルなどからの選曲、
低音域を中心とした声域の素晴らしい歌声、
ステージ衣装も黒に白の刺繍が施されたパンツスーツと、
真っ白のパンツスーツの二着。
そして、懐かしい、あのへなへななおしゃべりと
「かかかかか」という独特な笑い声(笑)。
すべてが、私たちの求めていたものでした(*^ ^*)。

もしかしたら、場所が丸ビルホールという小さなホール
(450席弱くらいの多目的ホール。
客席に段差がなくて見えづらかった(^ ^;;)だったというのもあって、
こじんまりとした身近な世界を作り出していたからかもしれない。
また、ずんちゃん自身の希望もかなり聞き入れてもらってたんじゃないかな。
そういう、その場にいることの嬉しさや楽しさが、
ずんちゃんから伝わってきました。

ソファやローテーブル、飾り棚、ピアノやフロアスタンドなどの置かれた
ステージを「我が家」に見立てて、
「サロン風コンサート」にしたんだそうです。
おうちで演奏をしながらみんなでおしゃべりするような生活をしたい
という夢があったんだって(*^ ^*)。
フロアスタンドなんて、ずんちゃんの私物らしい。
さすがに南国には持って行けないので、
お友達に預かっていてもらったんだけど、
今回使おうと思って「持ってこい」って言って(笑)、
持ってきてもらったんだそうな。

そして主にピアノとバイオリンによる伴奏のもと、
ずんちゃんの歌う声の広がり。
ときどきエコーかけすぎだったりもしましたが(^ ^;;、
本当にどの曲も素晴らしかった。

中でも私がときめいたのは、
『オペラ座の怪人』から「The music of the night」。
下の下のシ♭とか出してるんだよ〜、さっき上のラも軽く出してたのに。
そこまでで既に3オクターブじゃん〜〜〜、
というマニアックな感動はさておいても(笑)、
本当に彼女の歌声に込められた感情表現の豊かさってすごいと思うです。
(だからこそ、演技の上手くなさとかおしゃべりのへなへなさとか(^ ^;;、
サギだろ〜、と思うのですが(笑))

それから、客席を巻き込んで合唱した
カーペンターズの「SING」もすごくよかった(*^ ^*)。
「シヅキ先生」(眼鏡かけて、指揮棒持って)の合唱指導により
みんなで歌わされたのですが、
「あなた達にたりないのは、笑顔!」という指導は、
実際、的を射ていると思ったです(^ ^;;。
「合唱が好き」「合唱を習いに行きたい」と言っているのを聞き、
私の入ってる団に来たらいいのに、と結構本気で思いました(笑)。
でも考えてみたら、南国在住。
そうそう、ずんちゃんが「その詞がすごくいいんだ〜」と嬉しそうに語り、
その日本語訳を読み上げたのですが、
その朗読があまりにもへなちょこ(っていうか、照れが入ってた?)
だったために、詞の内容に感動する間もなく(笑)。
「いいでしょう?…そうでもない?」と言うずんちゃんに
「いや、それはあなたの朗読が…」と心の中で突っ込んでおりました(^ ^;;。

その他の曲も、素晴らしいものばかり。
石井竜也にもらったという「想い」という曲も、
『サウンドオブミュージック』の「すべての山に登れ」も、
本当に素敵だった(*^ ^*)。

でも、一番会場が沸いたのは、アンコールでした!
ずんちゃんが「宝塚時代の思い出の曲『愛と死の輪舞』を歌います」と
言った瞬間に、場内大拍手。
「♪その瞳が〜」と耳に入ってきた途端、
私も思わず目頭が熱くなりました(*T-T*)。
花組エリザに大満足だったけど、
ああ〜、ずんちゃんのトートってこうだったっけ…と。
ていうか、そこにいたのはトート閣下でしたね…(*T-T*)。
眉の寄せ方、言葉のタメ方、
一瞬にしてすべてが3年前(?)に戻りました。
本当に、この一曲が聴けただけで、幸せ。
ライブCDとか出してくれないかな…。

ずんちゃんの今後の予定は、
夏にまた石井竜也さんと組んだ企画「SUN」だそうです。
ル・テアトル銀座。
会場に日本海軍のようなカッコ良い軍服を着たずんちゃんのポスターが
貼られてました(*^ ^*)。

fin