「街は幸福だ。
僕は書くべきことがなくて困っている」
――と天使1(天野ひろゆき)は語っていましたが、
私は書くべきことがありすぎて困っています(笑)。
あっくん(佐藤アツヒロ)がミュージカル初主演というので
観に行った今回の舞台。
鴻上尚史の初ミュージカルだとか
15年前にストレートプレイとしてやったものの再々演だとかいうことは、
実は後から知りました(^ ^;;
鴻上尚史の名前は知ってたりコラムを読んだりしたことはあっても、
第三舞台って今まで観たことないんですよね。
さてさてどんな感じなのかしら(*^ ^*)。
と、ストーリーに入る前に。
5分前のベルが鳴り、「携帯を切れ」だの何だののアナウンスが入ります。
とくに携帯に関してはかなりしつこく
「ミュージカルですから!」と繰り返し(笑)、
「ご協力をお願いします」と呼びかけてました☆
(でもおかげで、舞台の上以外では携帯鳴らなかったね!)
しかもその後、
「Ladies and gentlemen!」と英語でのアナウンス(笑)。
「いったいこのアナウンスを聞く意味のある人がどのくらい
いるんだろう」と話していたのですが、
それが終わるや「ニイハオ!!」(爆)
――上演中もそんな小ネタが満載でした(*^ ^*)。
実はけっこう外してることもあったけど(^ ^;;。
でも気づいたら最後には、
背中に突然変異の羽根を見つけたときの
「羽根だ〜!」「成田〜!」「羽根だ〜!」「成田〜!」みたいな
ベタなギャグにも笑ってしまってましたわ(笑)。
それでは、ストーリーに入りましょう。
物語は近未来と思われる地球。
人がほとんど残っていない地球に、
二人の天使(天野ひろゆき&純名りさ)がいる。
彼らの受け持ち区域にはまったく人がおらず、
カメだのタヌキだのを見守っている二人。
そんな世界をつまらなく思っていた天使2(純名)がある時、
人間のいる街を見つけてきた。
その街は透明な壁に包まれていて、
その壁によって放射能や宇宙線から人々は守られているのだ。
でも人々はそれを知らず、壁から出たがっている。
担当天使のいないその街に出かけた二人は、
そこで若いカップル(佐藤アツヒロ・辺見エミリ)の結婚式を見た。
人々の幸せそうな様子に感動した天使2は、
突然「人間になる!」と宣言して人間世界に飛び込んでしまい…!?
明るいJ-POPの音楽が全体を支配する中で
(作詞・作曲家陣も森雪之丞・杏里・木根尚登・デーモン小暮閣下など、
そうそうたるメンバー!) 、
でも最後には重いテーマが隠されている、
心にずっしりくる作品でした。
フィナーレちっくな(笑)
登場人物みんなが出てくる最後の場面がなかったら、
ものすごい虚無感のまま帰らなくちゃならなかったかも(^ ^;;。
(私、頭が悪いので、
実はあのシーンの意味がよく分からなかったのですが、
生き返ってきたわけじゃ…ないよね?
過去を思い出してのフィナーレなんだよね?
服も前に着ていたものだったし)
とくにクライマックス、
議長と呼ばれるようになったプロデューサー(京晋佑)が
全体主義を発動して人々に壁を押させようとするあたりなんて、
ちょうど東西冷戦が終わろうとしていた15年前の時代性を
思い起こさせる雰囲気でした。
やはり人は権力を持つとそうなっちゃうのね、みたいな。
そしてそれに対するアンチテーゼを、
あのあっくんが! 時代に対抗するロッカーとして! はうあ!!
素敵!!!
そう、あっくんはね〜、あっくんでした(笑)。
ロック歌手の夢を諦めて結婚し、大工になった男の子・ユタカ役
(その後いろいろ演ってるんだけど。あらいぐまかぶったり☆)。
最初、白いタキシードで出てきたときには
「……太った?(^ ^;;」と思ってしまったのですが(爆)、
その後の黒い鋲の打ってある革ジャンとかの姿を見ると変わらない。
あのお衣装が…だった、ということにしておきましょう(^ ^;;。
んん〜、可愛かった(*^ ^*)。
最初に歌い始めたときには超絶なキュートさに
噴き出すのを必死で堪えて「助けて〜〜!」と胸を押さえてしまったほど。
だって、HG時代と歌い方が変わらないんだもの〜〜(*T-T*)。
どうのこうの言って、ファンなのです。ゴメンナサイ(笑)。
あっくんの相手役の一人(笑)、辺見エミリちゃん。
もう一人のVISAガールですね☆
彼女も上手い下手とかではなく、芝居心がよかったです(*^ ^*)。
涙ながらの熱演に、私まで目が潤みました(*T-T*)。
そして色気で迫るシーンも、びっくりするほど上手かった!
そしてこの舞台には宝塚出身の女優さんがお二人。
私が観る前に観に行った会社の人から「宝塚の人が上手かった」と
聞いていたのですが、果たしてどちらのことだったのかしら(笑)。
天使2の純名りささん。
あらあら私ってば、彼女の舞台を観るのは初めてだわ。
宝塚現役時代も(私が覚えている限りでは)観たことがない…はず。
ビデオで宝塚の舞台を観ていたときには
実はちょっとその演技が苦手だったのですが(^ ^;;、
でもお歌の上手さはさすがでした(*^ ^*)。
そしてフライングも☆
もっともフライングらしいポーズ(片足を半分折り曲げ、
もう片足の膝の裏あたりにつけて空を飛ぶあのポーズ(笑))で
現れたときには、そう来るか〜〜! と私一人大喜び(笑)。
ケイという、ビッグになりたいという夢を抱きつつも
いつも夢破れて新たな夢探しに走る女性を演じた風花舞さん。
以前『Big』を観たときには本名の宮崎優子というお名前で
出ていたのに戻したのね〜、と思ったら、
パンフレットに理由が書いてありました。
簡潔に書くと、
「ダンサーというイメージのある風花舞という名前で
踊れない自分が嫌だった」ということだそうな。
ずっと足を怪我していて踊れず、
でも今回のお話が来て手術を受け、
また踊れるようになったんだって(*T-T*)。
本当にねえ、とてもメリハリのある素敵なダンスでしたわ☆
オペラグラスであっくんを観てるはずなのに、
気づいたら優子ちゃんを観ていたこともしばしば。
あっくんとのプロレスワザの掛け合いもプリティーでした☆
天野天使のことも書かなくちゃ。
彼の台詞にはとても説得力があるし、
また体型的にも(笑)とてもキュートな天使となっていて、
まさしく当たり役。
純名さんとのデュエットもとても決まってました(*^ ^*)。
その他も第三舞台で活躍されている方々が場を締め、
大いに盛り上げてましたね☆
個人的には、
アンサンブルの長尾純子さんとまた会えたのが嬉しかったですわ。
少女役も似合ってたし(*^ ^*)。
舞台装置や照明、映像などの使い方もとても素敵でした。
最初は映画を見にきたんだっけと思っちゃうくらい(笑)、
幕前の映像に長いタイトルロールまでのプロローグが映し出され、
そして、天野天使の独白も文章となって映像化され、
またそれも目で見る、というだけでない伏線が張られていて、
さすがだな、と。
なんだかストレートプレイでのこの作品が観てみたくなっちゃった。
歌に紛れたりしない分、もっと濃縮された空間になってるんでしょうね。
でもブロードウェイに持っていきたい、みたいなことを
鴻上さんはパンフレットで語ってたし、
そう考えると当分ストレートプレイでの再演はないんだろうなあ(^ ^;;。
最後に超個人的なツボを一つ。
カーテンコールの時、
あっくんが「ありがとう!」というように
きつねさんのように人差し指と小指だけ立てるポーズで
両腕を斜め上に伸ばしたの!
――10年前の横浜アリーナに、一瞬にして戻ってしまいました!!
あっくん、変わらないよ…!!!(*T-T*)
fin
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