ひょんなことから、歌舞伎座デビューを果たしました(*^ ^*)。
ていうか、歌舞伎自体、
高校時代の芸術鑑賞として国立劇場で「毛抜き」を観て以来。
しかもその時は、
うちの高校で貸切という(演る側にとって(笑))恐ろしい事態で、
サクラの人(?)が「たかしまや!」とかって叫ぶじゃないですか、
あれをみんな(私も含め)面白がって真似して叫んでたという、
どう考えても歌舞伎を観たとは言えない観劇でした(^ ^;;。
舞台の後ろの方に控えて座っていた役者さんが
そんな私たちを見て笑いをかみ殺してたのだけが、
記憶に残ってます(爆)。
そんなわけで初めての歌舞伎座。
3階席だったのですが、まずは劇場のチェックから(*^ ^*)。
昼公演でしか売ってくれないくずきりとか、
歌舞伎座限定のおまんじゅうとか、
「この季節にピッタリ!」(ちょっと言葉忘れたけど)と
銘打たれた「さくらアイス」とか(笑)抹茶アイスとか、
幕間のお弁当の予約とか、吉兆があったりとか、
今回のチケットを下さった方オススメの3階のカレーライスとか、
比較的お買い得なお飲み物の自動販売機とか
(同じ銘柄のオレンジジュースに「炭酸入り」と書かれたものと
書かれていないものが並んでて、
ぜったい両方とも炭酸入ってるよ〜と話しつつ書かれていない方を買ったら、
本当に炭酸が入ってなくてびっくりした!(笑))
ああ食べ物ばっかり(笑)、
とにかくいろいろチェックしてみました(*^ ^*)。
桟敷席のドアを開けてみたりとか。
それから「筋書き」(パンフレットって日本語にするとこうなるのね☆)
を読んでいるうちに、一つ目の演目が始まりました――が!
客席が暗くならない!! びっくり!!!
(その後、舞台に合わせて真っ暗になったりもしましたが、
基本的に明るいまんまだった!)
おかげで(?)なかなか舞台に入りこむことができず、
最初のうちはちょっと苦労しました。
…だって、周り、うるさいんだもの(^ ^;;。
ビニールの音はいつまでもいつまでもガサガサするし、
客層がいつもより高めのせいか(スミマセン)「しわぶき」が多いし、
かと思えば前の女性はずっと前屈みだし。
歌舞伎座って、もっと客席マナーがいいかと思ってたんだけど…。
(でも、もしかしたら1階席は違うのかも、とも思った(爆))
言葉も慣れるまでは聞き取りづらく、
三味線の音ばかり頭に入ってきちゃったりして。
先日の宝塚バウホールで「フィナーレ」の重要性を知りましたが、
今回は「客席が暗くなること」の必要性もちょっと知った気がします(爆)。
その方が「特別性」が出て、舞台に集中できる、よね。
それに、満面の笑みをたたえ、肩を震わせながら見てるのが、
舞台からも見えちゃうじゃん!(笑)
でも、客席が明るくて良かった理由もちゃんとあるの。
…パンフレットが、読める!
「筋書き」に書いてあった「あらすじ」は
ぜんぜん「粗」くなく、
もしかしたら舞台そのものより細かいくらいびっしり(笑)。
それを眺めながら舞台を見ることで、
「今なにが舞台上で起こってるのか」を知ることができたり(爆)、
言葉に慣れてきて何を言ってるか聞き取れるようになってきた後でも
人物相関を確認するのにやっぱり必要。
もちろん、役者さんの名前を確認するのにも(*^ ^*)。
さてさて演目のご紹介に参りましょう。
一つ目の「祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)」。
簡単に言っちゃうと、
天下を狙って金閣寺に立てこもるイヤな男・松永大膳(幸四郎)を、
捕らわれている雪姫(雀右衛門)や彼のもとに下ったふりをした
此下東吉(菊五郎)がうち負かそうとするお話です。
桜の花びらが土砂降りに降ってきたり、
ねずみがはい回ったり、井戸の水位が上がったり、
いろいろ面白ネタ(あれ?)満載☆
中でも笑いを堪えるのに苦労したのは、
滝に映る龍……ちっちゃい!!!(笑)
私のマックのキーボードくらいの大きさでしょうか、
それが糸につられて滝を上るのです!
私のイメージ、龍というと「ドラゴンボール」の神龍なので、
そのちんまりさに、おかしくなってしまいました(*^ ^*)。
さらにその龍を片づける黒子さんが、
滝に合わせて水色の黒子服(?)を着ていたの。
ああ、背景と同化させるのね!
でもホント、黒子さんってすごいね!
ひたすら舞台から見えないように…って動いてて、
たとえばお姫様のお着物を綺麗に見せるために黒子さんがついてたのだけど、
そのお姫様が倒れ伏せば
一緒に横になって隠れようとするんだもの!(笑)
徹底してる。さすがです。
役者さんの中でとくに気になったのは、
なかなか口を縦に開けなくてへぇ〜〜って思った幸四郎さん、
赤いくま取りをしていたのに従兄に顔が似てると思った(笑)
鬼藤太役の信二郎さん、
なかなか可愛らしいお顔立ちだった家臣役の菊市郎さん、
などかしら。
もちろん、雀右衛門さんも素敵だったけど☆
でも何より前述の桜土砂降りシーンの直前に
「待ってました!」とかけ声が入ったのが衝撃でした。
…「待ってました!」のオリジナルって、ここか!?
そうそう、大膳と東吉が碁を打っているのを見て、
「うわあ、歌舞伎役者になるためには碁も打てなきゃダメなんだ」と
知りました。
ちゃんと人差し指と中指で「パチッ!」と打ってるの。
当たり前なのかもだけど、
最初の頃のヒカルみたいに親指と人差し指で「コト」じゃダメなのね!
難しいわ〜〜〜。
最後にはちょっとしたフィナーレもあり(笑)、
なるほどなるほど、と思った次第です。
そして、二つ目の演目が本日のメインステージ(*^ ^*)。
「於染久松色読販」
おそめひさまつうきなのよみうり、と読むそうです。
…読めねーよ!(笑)
基本的には、
油屋の娘・お染とそこに奉公している丁稚・久松が
身分違いの恋をしていて、駆け落ちをする話。
そこにお染の婚約者だの兄だの芸者だのがいろいろからんできて、
三幕もののお芝居に仕上がってました(*^ ^*)。
私、歌舞伎っていうと、さっきのみたいな、
大上段に構えたもの、というイメージがあったため、
二幕目の幕が(横に)開き、
お江戸の町人がわんさか出てきたときには一瞬、
新宿コマ劇場に来てしまったかと思いました。
こういう身近な(?)時代劇もやるのね〜(^ ^)。
一番の見せ場はなんといっても玉三郎様の早変わりでしょう☆
早変わりも早変わり、
早いときには6秒ほどで芸者から姫様に変わっちゃうのよ?
しかも、全部で6役ほどこなしてるのかな。
油屋娘お染、丁稚久松、許嫁お光、奥女中竹川、芸者小糸、土手のお六。
(ノ〜〜〜〜〜〜〜!!! 7役でした!!! 上記プラス後家貞昌!!
ちゃんと副題にも
「新版 お染めの七役 板東玉三郎七役相勤め申し候」って
書いてあるじゃないっすか!! はずかしい!!!
確かに「七変化」だよね「六変化」じゃ中途半端(笑)。
突っ込んでくれてありがとう、雅壱さん)
あの人もこの人もみいんな玉三郎。
誰でも彼でも玉三郎。
まるで南の島のようです((c)南の島のハメハメハ大王)。
何がすごいって、
お衣装替えもすごいけど(しかも着物だよ?
いったいどうやってるのかしら。背中にチャック…ないよね?(笑))、
一瞬にして姿勢から声音から態度から変わっちゃうこと。
気がつくと、客席中のどよめきにしたがって
私まで歓声あげてました。すご!
――でも、よ〜く考えてみると、
お染さんと久松てば、
自分の顔とそっくりな顔に恋できるものなのかしら…(爆)。
さてさて、他のキャストで気になったのは、
死んでるふりでお腹にお灸まで据えられちゃった可哀想な(笑)
丁稚のQ太…もとい、久太の橘太郎さん。
…丁稚っていうお年には見えないところがまた愛らしかったっす。
子役の丁稚長太の隼人くん。
お子さまのくせにハンサムなお顔だちでした(*^ ^*)…はっ!(爆)
でもやっぱりすべては玉三郎様に行っちゃうのかも(^ ^;;。
最後には玉三郎様オン・ステージもあったりして。
船頭のアクロバティックな若人たち(バック転とかしちゃうのよ!
びっくり!!)に囲まれて実はあまり何もせず(爆)
踊っていらっしゃる玉三郎様のお姿に、
ちょっと美輪様と同じ血を感じ…たのはワタクシだけかしら(*^ ^*)。
うーん、いつかまた「やまとや!」と叫んでみたい(笑)。
あれって女性は叫んじゃいけないのかな…。
ああそれにしても、面白かったです。歌舞伎。
思ってたよりぜんぜん敷居高くなかったし。…キケンだ(笑)。
fin
|