2002年8月20日 19:00開演
Studio Life『歓びの娘 鑑定医シャルル

於 紀伊国屋サザンシアター

 
高校生の頃に友人に勧められて
コバルト文庫『マリナ』シリーズを読もうとし、
「駄目だ、この世界(というか文章)はついていけない…(^ ^;;」
と思って1冊で諦めてこのかた
読んだことのなかった藤本ひとみ作品。
それでも『ブルボンの封印』くらいは読んだ気もするけど。

でも今回は、
個人的にとても楽しく観劇できました(*^ ^*)。

ストーリー。
天才鑑定医のシャルル(笠原浩夫)が
バラバラ死体の鑑定を頼まれたところからはじまり、
彼はその死体をバラバラにした精神構造を調べたいという欲求から
その事件に関わっていく。
そこで出会った一つの家族、
アル中で病死した父ピエール
(彼が死後バラバラにされて埋められた男なんだけど・寺岡哲)、
毎日を怯えて暮らす母ニノン(林勇輔)、
憎悪に満ちた兄アラン(鶴田浩一)、
拒食症で嘔吐を繰り返す弟ミシェル(及川健)、
そして家出をして少女娼婦となっていた娘アデル(深山洋貴)。
一家の家に乗り込み、一人一人のプロファイルを探っていくうち、
シャルルがたどり着いた結論は――。

なんかねー、
説明くさかったり偏っていたりとかっていう部分はあったんだけど、
そんなのすべて笠原さんのカッコよさに吸い取られましたね(笑)。
シャルルがスポットの中で
額に手をやったり顎に手をやったりして考え込む仕種。
「お前は古畑任三郎かー」とツッコミながらも
あまりにも似つかわしくて、
とてもおかしくなってしまいました(*^ ^*)。

ニノンの摘んだバラの香りを嗅いだ時なんて、
私は必死に堪えてたのに後ろの席の人がくすっと笑うものだから、
私まで笑ってしまいましたよ(^ ^;;。
いや〜、素敵すぎる。

ていうか、ちょうど劇場に行く電車の中で
笠原浩夫さんと春野寿美礼さん(宝塚花組トップ)との類似点について
考えていただけに、本当にツボに来た。
来ましたよ(笑)。
こんなにカッコつけてて、しかもそれがこの上もなく似合ってて、
立ち姿もめちゃくちゃ美しい。
本当にそこまでは不必要じゃないかと思えるくらいにカッコイイ。
それなのに、それなのにオフはへなちょこなのか〜、と(爆)。
もう、たまりません。

ファンの方からのお話を聞くたびに、
笠原さんのラブリーぶりは目を見張るものがあったのですが、
今回のお芝居の格好良さでそれが頂点に達しました。

おかげで他のことはあまり覚えてないくらいです(^ ^;;。

私の好きな及川くんに対しては、
初っぱなから彼の一人Hシーンで始まったのに度肝を抜かれたけれど(笑)、
その後のあいかわらずの少年らしいキュートさに
ほんわかした気分でした(ストーリー的には違うはずだけど)。

それから上手かったな〜、と思うのがニノンの林くん。
こないだの『Lilies』でも電波ちゃんな伯爵夫人を演じてましたが、
今回もかなりイッちゃった女性を迫真の演技で見せてくれました。
冒頭の弱々しそうなシーンではちょっと所作が気になったんだけどね(^ ^;;。
足は揃えて立ちなさい、とか(笑)。

ちょっと気になったのはね、
ニノンがシャルルにあげた手作りのネクタイ。
ネクタイそのものも水色に白のボーダーという、
一瞬ネクタイか靴下か分からない
(そしてどっちにしてもスゴイ趣味な)ものだったのですが、
それをもらったシャルルが考えたこと。
「身につけるものを手作りしてあげるという行為は、
支配欲がとてもつよいことを表している。
しかも趣味の分からない相手に…これは偏執狂だ」
――そうだったのか!
私はとても不器用なので
今まで手作りものを誰かにあげたことはないのだけど、
もう誰にも手作りものはあげられない…(笑)。
ていうか、彼ら(ライフの役者さんたち)も
そういうものをファンからもらったりしてるんじゃないかと思うのですが、
…どうなの? ファンに喧嘩売ってない?(爆)

本当に今回は笠原さんの格好良さにつきますね。
参りました(*^ ^*)。

fin