ディズニー映画『美女と野獣』の王子様のアゴが割れてるのを見た瞬間、
「さようなら、ディズニー」と思ったように、
『もののけ姫』で「断筆」宣言をした(ように語られていた…
映画公開の頃にはもう言い方は弱まっていたけど)はずの宮崎駿監督が
ものの数年もたたないうちに映画を作っていることを知った瞬間、
「さようなら…」という気分にもなった私。
でも、この夏休みの映画の中では一番面白かったという評価が多かったし、
まあとりあえず、という気分で行ってきました。
ごめんね、ぶりーざさん。気づいてたかもしれないけど、
このように、最初からちょっとナナメって見ていた私でございます…。
でもねえ、観ている間はとても楽しかったのよ(*^ ^*)
千尋がハクに連れられて油屋の橋を通る間は
思わず私まで息を止めちゃったし、
崩れていく階段やパイプを通らなければならないときには
泣きそうになりました(高所恐怖症なの、私)。
もちろんハクに対してもちょっとときめいたり(笑)。
感情移入させるのは、本当にうまいなあ、と思ったです。
だがしかし!
あの終わり方はなんだろう。
いろんなものが片づいてない気がするのですが、
それって私の理解力がないだけ?
たとえば、千尋の一家はその後やっていけるのか。
エピローグでお父さんが車についた葉っぱや埃を払うシーンがあるんだけど、
ということはつまり、あっちの世界に行ってる間も
こっちの世界は動いてる、ってことよね。
あっという間に一年くらい経ってそう。
果たして一年経って戻ってきた一家は、その日常にとけ込めるのか。
引っ越し屋さんのトラックしか来ない新居のことは
きっと近所で噂になってただろうし、
引っ越し屋さんだってお金が困ったにちがいない。
そんなところにひょっこり3人現れたら、
とりあえず「普通」には暮らしていけないんじゃないか、
――なあんて考えちゃうのは、嫌なオトナってことなんでしょうか(笑)。
それから、最初千尋は転校をとても嫌がっていたように思えたのですが、
あっちの世界に行ってひとつ大人になった彼女が、
あたらしい環境でどのようにやっていくのか、
そのあたりも(エンディングテーマを流しながらの画像でいいから)
見せてほしかったし。
この映画って女の子の成長物語、ではないのかなあ。
単なるエンターテインメント、でいいの?
それにハク。
アキラ(『ヒカルの碁』)にしか見えない彼は、
川の神様だったのに、その川が埋め立てられちゃったから
あの世界に行ったわけよね。
つまり、行き場はないわけだ。
ラスト、千尋と「また会える」なんて言ってたけど、
まさかリップサービスじゃないわよね?(笑)
なんか、その他にもいろいろと疑問点はあったけど、
もう、忘れてしまったよ(^ ^;;。
あの湯婆婆と銭婆の対決はその後どうなるか、とか、思ったりしたけど。
素敵だな、と思ったのは、なんといっても、
湯婆婆のドレスさばき(笑)!!!
スカートがまったく揺れず、
まるでハナフサ様(宙組・花總まり)のように動く歩道に乗ってるかのような
動きでございました(*^ ^*)
あ、あと、どうしても「う〜ん」と思ったのが、声優陣。
やっぱりねえ、俳優だと表現方法が違うので、ヘタ、なんですよ。
もちろん上手い人もいるけどさ、
最近のなんだろうと俳優を使おうという風潮はどうかと思う。
とくに千尋のお母さん(あえて名前は言わない…)役の彼女。
私のほうがイケルんじゃ、というような生気のなさでした。
千尋やハクも、できれば子ども声の大人がやった方が…。
あ、坊だけは、味がいい具合に出ててよかったけど(*^ ^*)
ていうかね、宮崎アニメもスポンサー至上主義なんだ、と思って
とても悲しくなったのでございますよ。
最初、お父さんが運転する車がアウディだったんだけどね、
エンディングで「協力 日本アウディ株式会社」(名前違うかも)
とあったのを見つけたときには、ため息をつきました。
さみしー。
仕方ないけどねー。
なんか、マイナス点ばっかり書き連ねちゃった(^ ^;;
でもエンターテインメントとしては本当に楽しかったのよ(*^ ^*)
でも私だったら、千尋にはなれないな…(笑)
よしんば両親のように料理を食べてしまわなかったとしても、
あの高いところを歩かなければならない時点で、アウトだ(^ ^;;。
ごめんなさい〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
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