能天気 |
5月31日(土) |
オリンピックのために国立競技場が建て替えられるので、その名残を惜しむイベントがあったよう。ブルーインパルスが10分ほど上空でパフォーマンスをするというので、会場の外から見ようという人々で周辺もにぎわったよう。しかし、その10分のために、わざわざ行きます? はい、行きました。しかもたどり着いたのが、ちょうど終わった直後でした。しばらく辺りをそぞろ歩き、絵画館前で持参した酒を飲み、焼肉食って帰りました。コンニチハ~、コンニチハ~、世界の国から~。梅雨入り前の、能天気。 |
トマト |
5月30日(金) |
サラダはシンプルな料理だから、ドレッシングに使う調味料の質で、味わいが変わってくる。たとえば塩でも、やわらかいものからシャープなものまであるし、オリーブオイルも、フルーティから毒めいた苦味のものまでいろいろあって、サラダの具に合わせて使い分けるのが楽しい。そしてたどりついた真理のひとつが、トマトは何もかけずに食べるのがいちばんいいようで、夏休みのさわやかな朝が鼻のあたりをすーっと駆けぬけるのでした。 |
オキシトシン |
5月29日(木) |
スキンシップがストレス解消に効くというので、「ストレスがすごいから、スキンシップして」と誰かれかまわず迫って、白い眼で見られていた時期があります。今となっては、いい思い出です。今日、朝日新聞サイトの書籍紹介を見てて、「抱擁ホルモン」というのが書かれてありました。オキシトシンという、感染予防と痛みの緩和に効くホルモンがあるそうです。抱き合うとそれが分泌され、母子の場合には、子供の風邪などを母親に伝染しにくくしているというのです。ひとり暮らしの人はギスギスしているという偏見をもってしまうのは、抱擁がなさそうだからかもしれない。人間は経験則の中で、ホルモンの分泌まで見抜いていたのだった。 |
裏切り者 |
5月28日(水) |
マンションの管理組合からアンケートがきました。ぼくのマンションでは、テレビはケーブルTVを基本にしてきたけど、パラボラアンテナを付けた方が受けられるサービスが広がるとかで、この際、屋上に共用アンテナを付けてはという声が住民から上がり、工事費がかかることなのでアンケートをとるというのです。新築で入居したマンションも築10年になり、10年なんてすぐだったのに、最新だった通信環境を時代遅れなものにしてしまったのですねえ。テクノロジーって、裏切り者ですよね。ベータやレーザーディスクを買った人なんか、それを実感しているのではないでしょうか。そしてぼくは、テレビは録画で見るのですが、どんどん溜まって、見られないままに消去するものも多いので、共用アンテナはまだいりませんと回答したのでした。 |
健康寿命 |
5月27日(火) |
日本人男性の健康寿命というのが出た。70歳くらいだった。平均寿命は80歳くらいだけど、健康でいられるのは70歳までということらしい。10年は不健康ということに、単純に考えるとそうなる。不健康というのは、疾病をかかえるという意味でしょうね。不健全な性欲におぼれるエロ老人とか、そっちはデータに入れてないのでしょうね、もちろん。 |
手数料 |
5月26日(月) |
ATMの利用時間や手数料が、いろいろ選べる時代になりました。昔、どこの銀行も同じだったことに比べれば、豊かな時代だと思います。ぼくは、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのATMで現金を引き出すとき、月3回までは手数料がかからないというやつにしています。でも、今日、ファミリーマートで手数料が計上されたのです。調べてわかったのですが、ファミリーマートにはいろんな種類のATMが設置されていて、E-netマークが付いていないと手数料がかかるとのこと。ファミマのATMは要注意なのでした。いろいろ選べるようになったのはいいけど、いちいち知っておかないと損をする、いわゆる自己責任というやつなのですね。そうやって失った216円は、くやしい授業料です。 |
家 |
5月25日(日) |
福生に行ったのは初めてです。若き日のユーミンと、「限りなく透明に近いブルー」のイメージがありましたが、米軍ハウスはわずかに残っているだけ。人が住み、庭の芝生が手入れされている家は、かわいくオシャレに見えます。それが空き家になるといっきにみじめで、古い家というのは特に、主を失ったときのすたれが顕著なのでした。どんなボロ家でも、主がしっかり愛情を注げば、チャーミングに仕上がる。そして、深く哲学的に思うのが、どんなボロ家な人生でも、主がしっかり愛情を注げば、チャーミングに仕上がるのではないかという夢です。それとも、ボロ家はどうしたってボロ家なのでしょうか。 |
山の日 |
5月24日(土) |
再来年から、8月11日が祝日「山の日」に。「海の日」があるのだもの、毎朝、富士山に合掌している山岳信仰者としては、「山の日」は歓迎いたします。「みどりの日」との違いがいまひとつわかりづらいのも追及しません。つぎは、6月あたりに「川の日」…? |
首上いじり |
5月23日(金) |
しつこいようですが、首より上をいじるのは、見ていて汚らしいです。電車の中で、乙女が枝毛を気にしていたり、青年がニキビをつぶしていたり、気持ち悪くなります。今日も、鼻クソおじさんが一匹…。手は体の中でも相当汚れている部位といいます。また、鼻や肛門など粘膜は吸収しやすい部位といいます。つまり、外出中の汚れた手で、鼻の粘膜にふれるというのは、病気を呼び寄せていることになるのですよ。と、あなたの健康のために言っていることになってしまいましたが、いっそ電車に乗れないくらい不健康になってくれと願っています。公の場で鼻くそをほじるのは、国の品位を疑われます。オリンピックまでにその癖を直していただきますから。と、今日は修身のメガネ先生ですわ。 |
魔女と牛田 |
5月22日(木) |
牛田って知ってます? ウシダと読みます。地名です。東京都足立区にあります。東京のはじっこ、でも緑豊かな郊外ではなく、建物がびっしり詰まっている街です。昭和方向に時間がすべった、そんな雰囲気があります。そこでカツノブと飲むことにして、とりあえず目に入った駅前のタコ焼き屋で立ち飲みしていたら、雹をはらんだ猛烈な夕立が! 止むまでの間にビールなど3杯をいただき、それから2軒目に飛び込んだのが魔女の店でした。自家製ハブ酒の瓶などがずらーっと並び、猫がいて、メニューらしきものがなく、隣の魚屋から仕入れたマグロブツをしきりに勧められる、魔女のような女主人がいる店です。夕立はまだ上がりきっていなかったので、他にお客はなく、魔女を入れて3人、深~く話しこむことになってしまいました。そこのトイレに紙が貼られてあって、よく見ると、ピーター・フォークの写真にキャッチコピーが添えられた、ウイスキーの古い宣伝ポスターのようです。でも、ポスターと呼ぶには素朴でシワシワで、普通のA4の紙にモノクロコピーをしたのではないかという、かえってそれが新鮮な広告でした。そのキャッチコピーが「肩書で勝負しない男と 色気で勝負しない女がいいね。」 たしかに、まっとうなことをおっしゃってます。ただ、勝負できるだけの肩書や色気を持ちあわせない人が、そのご清潔なキャッチコピーで慰められようとしている、そんな痛々しさも感じました。そもそも魔女の話は、大企業の社長だろうと特別扱いしてこなかった自分の人柄を自慢するものだったし、その人生も恋と男を中心に据えてきた道のりだったようです。ポスターとは矛盾していて、でも酒場は、人間は、言葉は、矛盾でいいのです。どうか突きつめないでください。そして、雨に洗われた道を帰ってゆく中年ふたり組を、魔女がずーっと見送ってくれてました。そんな町でした。![]() |
ドリーム |
5月21日(水) |
今回のドリームジャンボ宝くじ、1等は3億5千万円です。前後賞が各1億円です。連番で買う人は、5億5千万円をねらっているのでしょうが、そんなにいりますか? ぼくは6月に53歳になるので、定年まで7年なのです。契約社員として再雇用されるのを入れたとして12年、この後もらえるサラリーが暗算で計算できてしまいます。そのお金、今ほしいです。会社勤めはもうじゅうぶんやったし、いつクビになるかわからないし、会社がいつ潰れるかもわからない、そこから自由になる軍資金として、5千万円があればじゅうぶんです。3億5千万もいりません。当たるのも前後賞の1億円でよいのです。なんという無欲、なんという謙虚…。でも、今回も連番で買ってます。 |
防犯カメラ |
5月20日(火) |
江ノ島の向かって左側、住宅が密集している辺りには猫がたくさんいて、ごろごろしています。信じられないほど人なつっこく、近づいても身構えることなく、なでても逃げないのです。発信機もすんなり付けられたのではないでしょうか。あの事件以来、通りのどこに防犯カメラがあるのかと探していますが、ちっともわかりません。今どきは、街のいたるところに、防犯カメラは付いているのでしょうね。治安目的でカメラの設置が始まったころ、夜道でさかりのついた猫的な、恥ずかしいことばかりしていたので、カメラ設置はプライバシーの侵害だと、抵抗がありました。でも、最近では、むしろ「まだまだ若い! がんばってます!」と、カメラに向かってVサインをしたいくらいです。恥じらいを忘れた中年男…こわいものなしなのが、コワイ。 |
自家発電 |
5月19日(月) |
電力の小売自由化が、再来年くらいから家庭向けにも実施される。ネット代や電話代なんかとセット割引になるとうれしい。それはともかく、発電がもっと簡単にできないものだろうか。かつて、マスターベーションの隠語が「自家発電」だったじゃないですかあ。人間ってすごく動くから、アクセサリーまたはベルト的なものを身につけるだけで電力が溜まっていくという装置があれば、便利だと思うんです。人が踏むと発電する装置が、駅の改札に実験的に装備されているそうですが、その原理を応用して靴裏に付けておけば、単三電池1個分くらいはすぐにまかなえると思うんです。あと、ジムの自転車こぎとか、あれけっこうな電力になるはず。年金暮らしになって、やることないとき、内職感覚で自転車こぎをすれば、電気代が自己調達できて、さらに健康にもなれて一石二鳥! どうでしょうか? |
ビートルズ世代 |
5月18日(日) |
新宿御苑でバラ園を見て、千駄ヶ谷門を出てから国立競技場の方へそぞろ歩いていると、交差点にすごい人だかりが。数百人が道路沿いに並び、何かが通るのを待っている様子。なんだろう、けっこう年配者が多いから、皇族のどなたかがお通りになるのかなと推測しつつ、ああ、ポール・マッカートニーだとわかる。公演前の入り待ちだ。おおむね常識的な中高年の男女に見受けられる。ビートルズのコンサートに行くことを学校から禁止された世代だ。ロックが不良の象徴とされ、漫画やアニメが教育の敵とされた時代はもう遠く、時代は少しずつ、少しずつ、でもガラリと変わるものなのだなと思う。そして、その日の公演が、ポール・マッカートニーの体調不良で中止になったと聞き…。 |
藤沢 |
5月17日(土) |
オニギリを作り、酒をたずさえ、そして駆け乗ったロマンスカーは、江ノ島へ向かうのです。電車が藤沢まで来ると、ふわーっと空気が明るくなります。海の町の明るさ、解放感がもう感じられます。ぼくは、鳥取県の海辺の町で生まれ育ちましたが、日本海とはちがう明るさが、パシフィックにはあるように思います。夏ごとに訪れてきた千葉の海でも感じる明るさです。それとも、子供にとっての海と、大人にとっての海は、意味がちがうのでしょうか。日々の閉塞感にとらわれる大人にとっては、海の解放感が切実に沁みるのでしょうか。ぼくもやっと大人になれたということでしょうか。 |
駆け込み下車 |
5月16日(金) |
朝の通勤電車に、駆け込み乗車してきた、30代男性。背が高い、のっぺり顔。のほほんとぬけてるから、直前にジタバタすることになる。そんな感じ。だから降りるときも案の定、駆け込み下車だ。そしてなんと降りてからも、右に行ったかと思うと左へ、いや右へ、いや左…。朝から、疲れませんか。見てるこっちが疲れるわ。 |
マイルドヤンキー |
5月15日(木) |
マイルドヤンキー、親元で暮らし、早々に子供を作り、そして結婚する、都会志向のない若者たち。その性向がいろいろ分析されている。小市民としての幸福感が市民権を得たことは、ぼくとしては正しいと思う。「少年よ大志を抱け」、抱かぬ者は男ではないという押しつけは、むしろ貧しいと思う。自分の家族をもち、ささやかな幸せを築くことの輝きと困難、そこにある人間としての学びは今以上に賞賛されるべきだ。昭和の少女たちが抱いた、「大人になったらお嫁さんになる」という夢も、人生の目標として立派だと思う。家族をもたず仕事で自己実現するもよし、仕事を犠牲にして家族で自己実現するもよし、両方をそこそこやるもよし、バッチリやるもよし、どれが偉いというわけではないのだった。 |
殺意 |
5月14日(水) |
退屈なバーでたまに出るテーマ。電車の中でうつくしい人の、隣に座るか、向かいに座るか。ぼくは向かいに座る派。そして、うちのチームの切ないところは、目の前にきたない人に立たれると、世界中がいっそうきたなくなってしまうところです。そうです、ここでの学びは、電車の中での立ち位置には気をつけないと、殺意を抱かれかねないということです。 |
輪ゴム |
5月13日(火) |
輪ゴム、なんとなく溜めてしまう。そして、オニギリをラップで包んで、キャンディの包みみたいにクルクル仕上げて、最後にその輪ゴムで閉じようとするとき、パチンと切れてビックリする。古くなっていたのだ。食べ物なら腐ることを気にかけるけど、輪ゴムはいつまでもそのままあると油断してしまう。むしろ、腐って自然に還るのに、何十年もかかる厄介者とすら思っている。そんな扱いへの、輪ゴムのせめてものしっぺ返しだ。いいえ、輪ゴムは何も考えていません。 |
裏切り |
5月12日(月) |
「裏切り」って、こういうことだなと思ったんです。ゴールデンウィークのことです。東京駅に向かう朝の中央線には、大きな荷物を抱えた人々がたくさん乗っていました。もちろん、東京駅で降りるのです。それとも、神田で降りて上野から成田へという人もいるかもしれません。ところが、旅支度をしたカップルがお茶の水で降りたのです! お、お茶の水!? これぞ裏切りです! |
野生の世界 |
5月11日(日) |
椋鳥の縄張り争いが激しい。すごいスピードで飛びながら、体当たりし合っている。♪ケンカはやめて~♪ 数年前、鳥の叫び声が聞こえた後、ベランダに何かがポトリと落ちたことがあった。見るとスズメが腹を上にして転がっていた。キューンと空気がぬける音がして、風船がしぼむみたいにひとまわり小さくなったと思ったら、死んでしまった。♪ケンカはやめて~♪ |
幸せ |
5月10日(土) |
今日も天気は、バッチグー! こんな晴れ上がった日、おいしいものを、楽しく食べられる。それはかなり幸せなことだと、気づいていたい。 |
ローズマリー実験 |
5月9日(金) |
ここ3年、ベランダのローズマリーがいまひとつ育たない。以前は可憐な青紫の小花をつけたものだったのに。ふり返ってみるに、前はほとんど水遣りをしなかったが、ここのところまめに遣ってしまっている。それがローズマリーにはいけなかったのかもしれない。水、日差し、土、肥料、剪定は、植物それぞれの性向に寄り添う気遣いが大切になる。その性向を知るまでに、何度も失敗がある。ベランダは実験室だと思う。どれほどの実験に失敗し、お花さんたちを捨ててきただろう。人間も植木同様、いろんな性向があるので、日々、実験室にいる。どれほどの実験に失敗し、捨てられてきただろう。 |
2万円クリーム |
5月8日(木) |
ぼくより年上、もう60過ぎかな、Jさんという女性の知り合いがいます。30代で離婚して、それからどう生きてきたのかまではたずねませんが、「結婚してたときは、2万円の化粧クリームだって使ってたんだからねえ」と、ぽろりとこぼれた、かつての贅沢をふり返る言葉に、今のつましい暮らしぶりがうかがえます。離婚そのものは悔いていないけど、それとともに失ったものへの惜しみ、特に金銭が、ふと身に沁みるというのは、働く場の少ないその世代の女性にはともなうものなのでしょう。お金への執着とあきらめと納得と、それがない人生よりはある人生の方が、豊かとさせていただきたい。そこから逃れられない我々としては…。 |
レインコート |
5月7日(水) |
20年くらい着たレインコート、いよいよ限界になってきた。袖口の擦り切れは直して着つづけたけど、襟ぐりの生地が摺れて薄くなっている。色もネイビーだったのが白っちゃけてきたし、そもそも生地にハリがなくなっている。古くなった衣類は、部屋着に格下げしますよね。家の中でコートを着ていては、紳士になれないでしょうか。でも、紳士は電車で席をゆずる人で、子供と席取り合戦などしないのでしょうね。じゃあ、いいです。部屋でコート着ます。 |
家路 |
5月6日(火) |
夕方、5時になると街に流れるメロディ、やめてもらえませんか。暗~い気持ちになります。あ~あ、休日も終わってしまったと、吐きそうになります。中野区は、ドヴォルザーク作曲「新世界」より「家路」。ドヴォルザークとしても、あんなふうに使われるのは、つらいところではないでしょうか。 |
床屋のラジオ |
5月5日(月) |
髪は自分で切るのです。バリカンを駆使します。8年くらいつづく習慣です。その前は、月1回、床屋に通っていました。待たされる時間がもったいないのと、3300円を節約したかったのと、何よりハゲてきて髪型もなにもあったもんじゃなくなったので、自分で切るようになりました。ぼくが通っていた床屋は、痩せたご主人と、従業員のお姉さんと、ふたりで回していましたが、数年前にたたんでしまいました。なくなって思うのは、床屋は癒しの場だったということです。500円くらいをプラスすると、フェイシャルマッサージをやってくれて、毛穴の汚れがぜんぶ出て、白かったクリームがグレーになる達成感も好きでした。床屋で聞くときだけ、AMラジオは郷愁に満ちていました。芥川隆行の低音ながらも軽妙な声が似合う、心地よくうとうとできる昭和な場所でした。床屋は、相性の良し悪しがくっきり分かれます。気持ちいい床屋には、もう巡り会えないような気がします。 |
地方と田舎 |
5月4日(日) |
父の法事の後、身内7名で昼食をいただきました。米子市から車でなければ行けない山の中腹、しかもわかりにくい場所にある料理屋さんです。「富田」というのです。ひとり8千円のコースなので、おいしいのは当たり前ですが、それが値段以上の満足度なのです。借景の大山も美しく、床の間の室礼も自然で、サービスもほどよく品があり、すべてにおいて心地よいのです。都会と地方とで、料理屋という点においては、差がなくなってきたのではないでしょうか。東京や京都や海外でしっかり修行をした料理人さんが、地元に帰って店を構えるという流れがあり、「富田」もそのひとつのようです。特に、お店の人と方言で話せる気安さ、連帯感は、地元の人間にとっては魅力でした。地方を田舎と思うのは、もう古いのだと知ったのでした。 |
祭り |
5月3日(土) |
実家のある町では、今日、お祭りです。この時期の帰省は、5年ぶりでしょうか。昼過ぎに駅に着き、家まで歩く道は晴れ上がり、気持ちよいのでした。そして、道沿いの家の縁側が開け放たれ、一族郎党、老若男女、30人くらいが宴会をなさっているのは、人見知りなぼくなのに、混ざりたい素朴ななつかしさです。宴会って、好き。そんなふうに、世界を好きになれそうな、いい一日でした。 |
連休 |
5月2日(金) |
毎朝の電車で見かける、30代、小太り、カジュアルウェアの男性。生真面目な感じがあって、清潔な身なりだ。その人を30日から見かけない。ゴールデンウィークを8連休にできたんだね。よかったね。なぜ彼がいないことに気づいたかというと、席取り合戦のライバルだから。朝陽を背にする側の、しかもいちばん端っこ。ライバルだけど、小太りだけど、気が弱そうで、ひたすら几帳面そうで、なんか応援したくなるのです。 |
ダウンシフト |
5月1日(木) |
ダウンシフトという働き方がアメリカで生まれたようです。ぼくは、何年も前からそうあればいいのにと、酒場で熱く語ってきた人種です。週5日でなく、週4日だけ働いて、3日は自分の時間にしたい。その分、収入が下がってもいい。アルバイトだと給与水準が低いから、正社員でいきたい。虫のいい話でしょうか。ワークシェアにもなって、職にありつける人が増えることにもなると思うのです。逆に稼ぎたい人は、週6日働いてもいいのだし、仕事が人生だという人は、年中無休で充実の日々を過ごせばいい。または、今年はガンガン働いて、来年はスカスカにしてと、時期によっていろいろ調整できれば、もっと健やかに生きられるはずです。ちょっと、うつ病が多すぎます。そして、出口があまりにも見えないのです。 |