建築現場


建築現場 2000年7月5日(断熱材充填完了)

 

5月5日に耐力壁貼りが終わりましたのですぐにも電気工事から断熱工事を進められるはずだったのですが、北海道では種まきのシーズンになってしまいました。種や苗を植え付けないことには作物が採れませんので一ヶ月間工事の方はお休みとなってしまいました。その間、近所の農家の手伝いやら自分の畑の整備、庭木をもらったのでそれらを植え付けたり、と屋外での仕事が忙しく実際に電気工事がはじめられたのは6月に入ってからでした。

ケーブル流しは往年の経験から慣れたものですが電気工事には資格が必要です。このために在職中に第2種電気工事士の資格を取っておきましたので合法的に出来ます。配電盤を1F玄関直下のGFにおき、そこからスラブ直登のスリーブ口を通して1F階へ立ち上げます。WBSは2x4工法、在来工法などと違い横に100o角の骨組みが455o毎にありますので縦に通線する場合、すべての横100o角を貫通しなければならず、ケーブルを通すルートは木工ドリルで穴を開けながらケーブルを流します。また、上図の通りケーブルは断熱材の中に埋め込まれてしまいますので間違った場合、修復は難しいので配線工事は慎重に行いました。

グラスウール断熱材はグラスウール24Kの395o巾を購入し、それを360x810または360x360にカットしながら充填していきます。昔のグラスウールよりは扱い易くなったとはいえ、やはり作業中は体中がちくちくします。WBSの入り隅部分には気密シートを固定するための当て材を30o角で補足しながらの作業でしたので思ったより手間がかかりました。




電気および弱電線の配線


配線工事は照明器具や電気器具の配置を考え、それに必要なスイッチ、コンセントを各部屋毎にリストアップします。表を作りすべての構成を実現するための部材を洗い出していきます。この作業は冬の間に進めていましたがなかなか大変な作業です。電気部材はナショナルのニューコスモシリーズを使うことにしました。また、本宅ではISDNを導入することを考え、DSU、TVブースター内蔵の配電盤マルチメディアポートコンパクトを使うことにしました。

北海道での部材調達はなかなか困難です。関東地区であればDYI店あたりで2,000円程度で入手できるCD管などが5〜6,000円という値段が付いてくることは当たり前です。かといって、関東まで買い出しに行くにはちょっと無理な距離です。結局、こちらで何軒かの電材屋をあたり函館のアイワ電材から定価の63%で購入しました。

構内幹線系統図


上図で直埋ケーブルの部分は短く書かれているが実際には約80m離れている。北海道電力からの引き込み線を扱う工事には梯子車が必要なのと、38スケアのケーブルの端子処理をする工具がないので、この部分は電気工事屋に依頼し、その他の構内配線はすべて自営である。

宅内配線図


空色のケーブル部分が幹線ルートで、2.0_VVFケーブルを使用している。その他は分岐回路に相当し1.6_VVFケーブルである。アースは1.6_の緑色の単線を使うのが一般であるが電源線とバラバラに扱うのは面倒なので、アース端子を必要とする場所へのルートはほとんど3芯のVVFケーブルを用いた。



幹線系


本宅への電源供給は山小屋側の電柱にスイッチボックスを作り、既設の山小屋へのルートと本宅へのルートを分岐します。本宅位置は北電からの電気引き込み口となる電柱から80m奥に位置するため電圧降下を考え38スケア3芯の直埋ケーブルを埋設しGF階電気室に設置した配電盤へ接続します。

本宅の基礎を作るときに電源ケーブルと山小屋と本宅との間にTV、電話線を通すためのCD管と一緒に埋設しておきました。それらはGFの電気室床スラブに頭が出てきていますので、その上の壁に配電盤と弱電用配電盤であるマルチメディアポートコンパクトを配置し、GF−1Fのスラブに埋め込んで置いたスリーブ穴を通して1F階へ通線します。1Fではスリーブで立ち上がったあと、壁の中を通すことができますが、一番遠い厨房設備までのルートはCD管をコンクリートスラブのなかに埋め込み、後で通線するようにしておきました。幹線ルートはすべて2.0_のVVFケーブルを、分岐回路部分は1.6_VVFケーブルで配線します。厨房設備は電子レンジ、食洗機、炊飯器等10Aを越える電気器具が集中していますのでブレーカーを2個割り当て、約11mの2.0_の2芯と3芯のVVFケーブル2本を22oCD管に通したのですが、大変苦労し一度目は失敗、2度目の通線でようやっと成功しました。GF階はコンクリートですので天井スラブを作るときにCD管を通しておきました。同様にCD管への通線が必要になりますがそれは急ぎませんので後回しです。

2000年5月19日

配電盤の取付

配電盤と本宅ではISDNを利用する予定でマルチメディアコンパクトと称する弱電系統の配電盤をGF階に設置した。床スラブからは直埋ケーブル、山小屋とのつなぎ用CD管、さらに天井には1Fへのスリーブ口が見える。本当はすべてを直線上に配置配置したつもりだったのだが少しづつずれてしまった。














2000年6月3日〜5日

厨房幹線(CD管への通線)

この仕事は今回の山場であったかもしれない。スラブ内に埋め込まれたCD管の長さは約11mである。ダブル鉄筋の間に入れてあるので結構曲がりがある。22oのCD管にはVVFケーブルであれば3本までは入るはずで、今回は2.0oの2芯と3芯のケーブル各一本ずつなのでたかをくくっていたのだが...まず3芯ケーブル一本を通線用のガイド(ステンレス線)と一緒に通線しておき、2芯ケーブルをガイド線で引っ張った。最初の3芯ケーブル一本の通線でも出口側でみゆきが引っ張り、入り口から小生がタイミングを合わせて押し込む作業を繰り返しなんと通すことが出来た。続いてもう一本の2芯ケーブルの入れはじめたのだが、途中まで入った段階でにっちもさっちもいかなくなった。いろいろとやっているうちに、はじめに通線した3芯ケーブルも痛めてしまった感じなので振り出しに戻すことにし、ケーブルを引っぱり出しにかかるがどこかに引っかかってしまったらしく、人力ではどうしようもない。最後は、ドアからユンボの力で引っぱり出した。新しいケーブルを今度は2本を抱き合わせにして慎重に一回で通線し、ようやっと成功した。大汗をかいた三日間であった。

2000年6月6日

幹線ルートの流し

配電盤をGF階に置いているので1Fの床下に這わせて配線すればもっとも短距離で配線することができるのだがジョイントボックスが床下になると、電気設備技術基準で云うところの”点検できない隠蔽場所”配線となり、すべて配管工事が必要となる。やはりジョイントボックスは天井の断熱材の上へ出すことにし、いったんすべての幹線ルートを天井レベルまで立ち上げた。但し、厨房設備についてはほとんどの負荷がシンク周辺に集まるのでガスオーブンの奥にジョイントボックスを設け、ガスオーブンを外せば点検できる構造とした。

左側の立ち上げルートが幹線ケーブル、右側が黒い4本がTV用の同軸ケーブルである









分岐回路の接続


屋内配線図を上に出しましたが分岐回路を実際に接続するには分岐回路の結線図をイメージし、もっとも適当なケーブルの組み合わせで結線する必要があります。結線方法にはケーブルのビニール被覆を剥き、差し込めば結線ができる部品などが開発されていますが、電気工事士の技能試験では昔ながらのリングスリーブを圧着工具でつぶし結線する方法しか認めていませんので試験を受けるときに高額な工具一式を買わされました。確かにリングスリーブを圧着する接続は確実性がありますし、本工事では購入した工具の顔を立てて、リングスリーブ圧着方式で接続することにしました。

北海道でもそろそろ夏が始まっています。天井根太より上へ上がるとカラー鉄板屋根で吸収された熱がこもっており、かなりの暑さになります。汗をかきながら、でも結線は間違えると手戻りの影響が大きいので慎重になんども確認しながら行った作業でした。


6月11日〜18日

玄関灯の配線

分岐回路の配線は広域にわたっておりなかなか写真に収まらない。上の写真は玄関、北寝室の配線の一部を写したものである。

この系統は、負荷はあまりかからないが配線が多岐にわたっており3個のジョイントボックスの他、一部は分岐部分にも結線箇所を設けざるを得なかった。

なお、玄関灯は人感センサーを導入した。センサーには子機をつけることが出来たので、それをGFの車庫入り口ドア付近に取付け、暗くなった時間に車庫から玄関に移動する間、その経路を点灯するようにした。

6月11日〜18日

結線図

配線図はスイッチ、コンセントおよび電気器具がどこに配置されるかを示したもので、簡単な分岐回路であれば電気配線のルールにしたがうと結線図を書かなくても結線のイメージを持つことが出来る。が、多岐にわたり、且つ、ケーブルの最適性を考えるときには上図のような結線図が必要となる。本工事では断熱工事後修正が出来なくなるので慎重を期して、すべての配線に結線図を作成した。上図は玄関、廊下および北寝室にまたがる系統の結線図で、今回のもっとも複雑なケースである。電気配線は単相3線式の中線をW(白線)、電源線をB(黒線)で運ぶこと、スイッチは電源側を接続する事などの基本的なルールを守ればそれほど難しい作業ではない。

玄関の外灯は人感センサーで自動的に点灯するようにしている。さらに、この人感センサーには子機の接続が可能であることからGFの駐車場入り口付近の子機を設置し、夜間車を降りてから家にはいるまでのルートを自動的に点灯するようにしている。





断熱材充填

グラスウール断熱材は100o厚です。WBSも100oの厚さがありますので羊羹を切るように切ってWBSの枠に当てはめていきます。最初に断熱材の充填をしたところはお風呂の外壁ですが、そのときは要領がよく分かっておらず、道具もナイフと工作用のカッターナイフだけでしたのでなかなかすんなりとは納まりませんでした。もう少し大きな刃物が必要なわけで、函館のDYI店を当たってみたところ、ありました、断熱材カッターなるものが。それを使用し始めてからは断然能率があがりました。

断熱材を充填する前に天井根太と壁の見切り部分に気密シートを押さえるための胴縁が必要になることを前号で書きましたが、これは予測していなかったため、とうとう買い置きの30o角材が無くなってしまいました。早速、前回納入してもらった森町の材木屋さんへ追加注文したのですが、一向に返事が来ません。数回電話もし、店まで行ったのですが親父さんと会えずじまいで10日間を棒に振ってしまいました。その間、薪ストーブ煙突の天井納まりや食卓直登の排煙装置の細工などをしていましたので全く無為に過ごしたわけではないのですが。連絡がない最初の数日はたぶんたまたま在庫が切れていたのだろうと思っていたのですが、ようやく連絡が取れてみると利が薄いのでナンの手配もしていないとのこと。こことはもう取引停止です。すぐに函館の材木屋さんに電話したところ、その日のうちに運んでくれました。まさに捨てる神あれば拾う神ありというところです。次の日には足らない胴縁の取付け終わり、翌々日には断熱材の充填を終わりました。

6月21〜7月6日

断熱材充填

断熱材はグラスウール24K根太間用の100o厚395o巾x2400oを購入した。一袋に10u分入って24Kgの重さとなるので24Kと称する。充填するスペースはWBSの木の巾を差し引いて355x810または355x355なのでそれよりも若干大きめに切断し、詰めていく。何もないところはしっくり入るが配線やらスイッチボックス、入り隅の添え木等があるのでその都度切れ目を入れたり、カットしながら詰めていくので結構時間がかかる。簡単なところはみゆきも一緒に作業をしたのだが、途中で30o角材が無くなったりして足踏みをしたためだいぶ時間がかかってしまった。充填したところは、外壁全部とお風呂、ユーティリティ回りの内壁で、12袋注文したグラスウールが1袋を残すのみとなった。すなわち、丁度110u分を入れたことになる。




6月30日

煙突の天井納まり

煙突は屋根工事の時に振り止めまでの工作をした。天井レベルが決まったので天井納まりを製作した。振れ止めの最下部と天井レベルとは80oだったので2x4材で枠を追加し、レベルあわせをした。煙突の外周は5.5oスレート板を2枚重ねにして貼った四角の筒がそのまま屋根までつながっており、カラー鉄板に組み込んでもらったフラッシングと称するスカート上のステンレスパネルと煙突側に取り付けたカラーでルーズにふさがれている。煙突部分にはビニールシートが使えないので気密保持が非常に難しい。この工作では2枚の半円にくりぬいたスレート板を90度ずらして煙突に密着させ、さらにもう一枚を円形にくりぬいて煙突を下から当てたので都合3枚のスレート板で納めた。黒いのは天井仕切り鉄板である。




7月2日

食卓排煙機

食卓で鍋物や卓上天ぷらをする場合、いつも、その排煙が気になるところである。一般では厨房のレンジフードを回しっぱなしにするぐらいだが、食卓の真上で集煙、排気することが出来れば都合がいい。ということで排煙機構を埋め込むこととした。塩ビ管には3oのあそびで別のアクリル管が装填できる。アクリル管が塩ビ管の中にすっぽり収まっているときは排煙ルートは構成されないが、アクリル管を下げてアクリル管の上部が塩ビ管のT字部分より下に降りたとき排煙ルートが出来るようにした。アクリル管の下部には中央で集煙・排気できる機能をもつ照明装置を自作する予定である。こんなことができるのは自作ならではのことであろう。






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