建築現場


建築現場 2000年5月5日(耐力壁と天井根太工事終了)

 

WBS壁はボルトで接続された骨格構造をしていますので少なくとも一面に構造用合板を貼らないと容易に変形します。上の写真はWBS壁の一面に9x2730oの構造用合板を貼り、天井根太を2x4用材と30o角の組み合わせで構成したところです。電気配線、断熱材の装填のあとでもう一面も同じ構造用合板を下地材として貼り付けますので壁の強度は十分でしょう。

4月15日からまず始めに行った作業はボルトの締め直しと屋根パネルと母屋をつないでいるハリケンタイの補強です。昨年の11月半ばにWBSの組立が完了しましたのでWBSは5ヶ月間自然乾燥の状態にあったわけです。WBSは唐松の間伐材を機械乾燥させて作られていますがさらに5ヶ月間の自然乾燥の後、ボルトを締め直すとさらに3oくらい締め付けることが出来ました。壁が閉じられたあとはスプリング座金のテンションだけで永続的に持たせるわけですから今回の締め付けは念入りに行いました。ついで、昨年WBSの組立時にはあわただしく作業に追われていたためこの家に使われているボルトの数を正確に把握する事が出来ませんでしたので改めて数え直したところ12oボルト1904本、屋根パネル同志の接続のための10oボルト261本が使われていました。ハリケンタイによる屋根パネルと母屋の接続は構造強度上不満なのですが数を頼りにこれも補強しました。

ここまでがいわば昨年のやり残しで、これからが本格的な内装工事になります。まず、内部壁のWBSの一面に9X2730oの構造用合板を取り付けました。あとの一面も羽目板張りのための下地になりますので結局は両面同じ構造用合板を貼ることになるのですが電気の配線を通す必要がありますので、この段階は一面のみです。ついで天井根太を取り付けました。上の写真が耐力壁として構造用合板を貼ったのち天井根太を取り付けが完了したところです。

お風呂は部材が大きいので早めにお風呂工事をしないと入らなくなります。内装ドアを住建のジュピーノとしてWBSへの納まりを検討したところ、どうしてもフローリングの足摺レベルが床スラブから132oしか取れません。お風呂のところのスラブも真っ平らにコンクリートを打ってしまっているので床下が低いお風呂を選ばなければなりません。いろいろと探した結果TOTOの低床シリーズを採用する事にしました。それでも床厚は225o必要ですのでバリヤーフリーとはなりませんがユーティリティのフロアーレベルから数センチの段差ですのでそれほど違和感無く出来上がりました。



ボルトの締め直し&ハリケンタイの補強

WBS組立時には充電式インパクト工具に19番のボックスレンチを取り付けて使いました。これはハンディですので作業能率の面からは扱いやすいのですが、やはり力不足のようです。今回は車のタイヤ取付に使うことの出来るエアーインパクトレンチを使いました。コンプレッサーとエアーパイプを常に意識しなければなりませんが力は強く気持ちよく締めることが出来ます。

2000年4月16日〜19日

ボルト締め

エアーコンプレッサーは角さんから釘打ち用に借りたものを使用した。タンクの容量が小さいので連続的に動作できないのだがエアーが満タンの時はかなり力強い。なにせボルトの数が多いこともあり、しまいにはエアーインパクト工具の調子がおかしくなったが、何とかだましだまし全部のボルトの締め直しを完了した。上図は右側のボルトが締める前で左側が締めたあとである。3oほど左の方が締まっているのだが、よく見えないかな?







2000年4月20日〜21日

ハリケンタイの補強

屋根パネルはWBSと同様50X100材をたる木として906X1820の枠に12oの構造用合板を貼ったものである。これを母屋に緊詰することにより屋根を留めている。母屋との緊詰方法は当初WBSと同様12oボルトのはずであったが、屋根パネルへの座金堀と母屋側のボルト穴の工作が大変だという理由でかってに変更されてしまった。この家は横方向に対しては一間おきにWBS梁が通っており十分な緊詰強度を持っているが縦方向には頭繋ぎもナンにもない。屋根パネルのたる木が母屋にきちんと緊詰されていればそれが縦方向の強度を担うことが出来ると考えていたのだがハリケンタイと称する1o程度 の鉄板に置き換わってしまったので何とも心許ない。それでも数多く取り付ければそれなりの強度を出すことが出来るかもしれないと考え、昨年、納品数量不足で取り付けることが出来なかったところに全部取り付けた。



耐力壁


WBSの骨格構造は455x910サイズの枠がボルト接続されているだけですので、そのままでは容易に変形します。2x4工法と同様に少なくともWBSの一面には構造用合板を貼ることによって壁全体の強度を確保しなければなりません。工程としては、内壁に構造用合板を貼る前に内装ドアの開口部を決める必要があります。住建のシングルドア ジュピーノを採用することを決定し、そのラフ開口が2143x806ですのでWBSの開口部高さは5段(455x5=2275)以上でないと入りません。というより松原組のWBS配列をそのまま受け入れた結果、開口高さはスラブから2275と決まってしまっていたのです。このため床レベルは132oという制約が起こりました。床下が132oというのはいかにも少ないのでWBS開口部は6段目とするか土台を上げるべきでした。横幅は860と810の場合があるのですが860の場合はやはり強度に問題があるのでWBSの長尺素材を付けて2275x810の範囲で納めることにしました。実際には仕上げ材を含んだ壁厚、さらに出隅、入り隅の関係があるので簡単ではないのですがパソコンCADが威力を発揮します。毎朝、その日に施工する部分について詳細スケールを記入した図面を作成し、完成させるという毎日です。

4月22〜24日

WBS開口部補強

WBSで構成した開口巾は860か810である。860の場合はWBSの基本形が上下のみで組み合わされた場合で、50x100oの枠片側がそのまま開口部柱となる。各WBSはボルト接続されてはいるが455毎で切れておりドアの開閉にはそのままでは耐えられない。そこでその部分には松原組からWBS素材の長尺ものを取り寄せ補強した。その結果WBS開口部は810x2275となった。




4月22〜24日

耐力壁

WBSのユニット巾は910なので910x2730の構造用合板をそのまま貼る場合、ユニットにあわせればカットせずそのまま張ることが出来る。今回構造用合板を貼り付けるに当たってはWBSユニットにあわせるのではなく、25oずらせて貼り付けた。これによってWBSの接合がボルトだけではなく、構造用合板でも相互に接続されるのでよりガッチリと組み上げることが出来た。





4月22〜24日

耐力壁の反対側

まずは一面のみに合板を貼り付けた。これから電気工事をしたあとでこちら側も同じ構造用合板を使って羽目板を張るための下地とする。今回使った構造用合板は9x910x2730oである。俗に言う9oの3x7板だが、これを入手するのにだいぶ苦労した。一枚2,205円で125枚、合計275,625円もした。一面は構造用合板が必要だが反対側の一面は強度を意識する必要がないので安価なOSBですまそうと考えていたのだが、たまたま125枚であればついでの搬送が可能で安く手に入るとのことだったので、両面とも構造用合板を貼ることにした。



天井根太


天井根太は2x4の12F材に30o角を埋め込む形で施工しました。大工さんの仕事では天井根太にいちいちほぞを掘り組み合わせるなんて事はしないのですが、こちらにはいくら時間がかかってもいいので自分で納得できる仕事が出来ます。

5月1〜13日

天井根太

2x4材で強度を出したので、埋め込むためのほぞを大きくするとせっかくの2x4材の強度に問題が起こりそうなので30角とした。天井にはこれからベニヤを貼り、それに羽目板を打ち付ける。天井根太に使う材はCADで寸法を出し、あらかじめ正確に刻んだものを現場で組み合わせた。パソコンCAD(RAPID5)はミリ単位の寸法を正確に図面に落とすことが出来るので、素人の家造りには必須アイテムの一つだ。






5月1〜13日

天井根太

ところで、正確に刻んだはずの根太を天井に納めると北寝室、玄関、南寝室のところで南北方向に10o以上の隙間が出た。梁が通っていない方向で壁が上へ行くにしたがって外側に広がっているようだ。いままでも5o以下の誤差は木の性質上止む得ないものとして無視してきたが、ここの誤差はあまりにも大きいので壁同志を引っ張り合わせて修正を試みた。が、壁全体が近寄るのではなく、WBSの5段目と6段目との間で折れ曲がるような現象が出てきたので矯正をあきらめた。通し柱が無いというWBS工法の弱点が現れたものである。やはり、組立段階で頭繋ぎをきちんと入れて精度を出しておくべきだ。屋根パネルを上げる時、単なる力仕事になってしまったことが悔やまれる。

5月1〜13日

天井根太

天井根太の高さは床上2400に設定した。これ以上高くすると梁を支えるための金具が現れてしまう。この位置はWBS6段目の中途になるので壁下地を支える胴縁が無い。上の写真のように天井根太と入り隅を構成する形で胴縁を追加した。もう10数センチ高く設定できればWBSの横枠をそのまま下地材の固定枠として利用出来るのだが。ドア開口部、床下の高さ、さらには床上開口部高さに余裕を持たせるためWBSは8段とすべきだった。







お風呂工事


お風呂は既製品を購入設置しました。風呂桶一体型のFRP成形パンを買って内装を板張りで自作することも考えたのですが、この場合お風呂の使用後いつも乾燥状態に置かないとすぐにしみが出来てしまいの手入れが大変です。最近の既製品の素材は非常に進歩しており、お風呂を使ったあと換気扇を回しておけばほとんど手が掛からないような素材が開発されています。このような素材技術の進歩を享受するため既製品を選ぶこととし、次の条件で探すことにしました;@1.25坪タイプで床下がフロアーレベル132oに近いところで納まること、A出来れば今流行りのバリヤーフリーではなく、従来のパン方式であること、B壁は目地が無くカビが生じない素材であること、C風呂桶は足をのばした状態で肩まで浸かることのできる大きさであること。これらの条件を完全に満足させることは出来ませんでしたが、一番近い製品としてTOTOの低床シリーズシステムバスを採用しました。お風呂の工事はシステムバスの組立・設置をメーカー指定のお風呂工事屋さんが行い、水道、追い焚き配管、排気管工事を設備屋さんが、さらに電気配線を電気屋さんが担当することになります。今回の工事では、水道工事は別としてその他の工事担当者は小生なのですが、お風呂工事屋さんから見て小生は施工主であって設備屋さんは別にいなければならないという観念が強く、設備工事に必要なことの相談対象では無かったようです。途中から自分以外に設備工事をするものはいない、ということを分かってもらい何とか必要な作業を並行して進めることが出来ました。ということでいち早くお風呂場の工事が完成しました。

6月5日(月)

お風呂の内壁

お風呂の内部は通常のWBS壁として構造用合板が貼られている。防音のためフクビの遮音シート(FS100)を貼り、さらに断熱材を入れる予定である。天井は5.5oのベニヤを貼ってある。以上の作業を早々と準備し、お風呂工事屋さんを待つことになる。お風呂工事屋さんは事前にチェックしに来たが、このタイプのシステムバスは内壁とお風呂壁の間に温水、冷水および追い焚き用配管を配置しお風呂壁にカランを設置するタイプとのことである。この家は断熱と気密に十分な配慮をしているので、内壁とお風呂壁の間に結露等の湿気が入り込んだ場合その出口がない。実際問題お風呂壁の大きさと内壁との間に配管を通すスペースが無いことが分かった。湿気の問題と配管スペースの問題でお風呂壁の外側に配管を通す事を却下し、すべての配管を洗い場のカウンター内を通すこととした。


6月8日(木)

お風呂工事屋さん

お風呂工事はまず床下に排水溝を掘るところから始まった。水道屋さんである松田設備工業に来てもらって所定の位置にGFのボイラー室へ直接下る排水溝を150oのスラブに掘ってもらった。そのあとでお風呂屋さんが洗い場と一体型のパンを置いたところである。このパンの下はコンクリートスラブに調整ネジ付きボルトで支えられている。パンが搬入された時、パン表面には穴が何もない。どうやってレベル調整するのかと見ているとボルトの上部をドリルで穴を開けると調整ネジが顔を出すという仕組みだった。調整後調整用のネジ穴を含め支持ボルト全体がスラブに固定されるように2液用のエポキシ接着剤を開けた穴から流し込み全体を密封固定した。調整ネジの頭部に穴をあらかじめ開けて置いた方がいいと思うのだが、理由は聞き漏らした。



6月8日(木)

水道工事

お風呂屋さんと水道工事屋さんの工事区分は分かり難い。カランをつけるのはお風呂屋さんで風呂桶へ追い焚き口とその配管をするのは水道屋さん(設備屋さん)の仕事らしい。勿論、お風呂の外壁以降は水道屋さんの仕事だが。上の写真は洗い場のカウンターを取付る前の配管である。上部のフレキパイプは洗い場のカラン用、下の断熱材で覆っている配管が追い焚き用の配管である。湯船の追い焚き口は湯船の底から100o位のところにつける。給湯用のボイラーはGF階にあり、そこから上階へ配管するのだが追い焚き配管をカウンターの中に通すため写真で見るようにいったんカウンターの位置まで上げた後、湯船の追い焚き口に対して少し下るような配管になってしまった。これはカウンター内の配管部分に空気が入った場合、ベーパーロックに陥る危険性がある。たいしたことはないと思うが要注意である。

6月8日(木)

浴槽の配置

浴槽はアクリル系人工大理石を選んだ。設置工事はパンの上に置いてスペーサーでレベルを調整するというものだった。スペーサーを使ったレベル調整というものは木工時でも経験したがなかなか時間がかかる作業である。お風呂工事屋さんも何度か重い浴槽を上げ下げしながら調整していたが、これこそボルトで調整する構造の方が容易だし、精度の高い調整が出来ると思うのだが?

6月13日(火)

お風呂の完成

お風呂工事は6月8/9日の2日間の予定であったが、搬入された壁パネルに問題があり取り替えるため日を置いての完成となった。勿論、水道、ボイラー等の設置はまだなので試験運転もできないが、この一郭だけは完成である。壁はHQパネルといい石膏ボードに塩ビ鋼板を貼り付けたものでつるつるなので掃除が簡単である。床もFRPなので目地が無くかびることは無いだろう。

6月13日(火)

鏡と棚

湯船の側から洗い場コーナーを写したところである。窓は700x700で比較的大きい窓としたため、小物棚をコーナータイプとするとともにシャワーの取付位置を鏡の左側にした。浴室換気暖房乾燥機を取り付けて、工事費込みの値段が税込み100万円だった。





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