建築現場


建築現場 2000年10月9日(居間床下貼り完了)

 

駒ヶ岳通信(10)でお伝えした天井羽目板貼りは9月3日にトイレのパイン羽目板貼りから9月23日のユーティリティの天井を終わるまで21日間の作業でした。これは今までの作業で一番時間がかかっています。床工事をする前には床下に暖房設備の配管(ポリパイプ)を配置しておかなければならないのですが、設備メーカーであるサンポットと代理店である高橋建材との連絡がうまくいかず納入が遅れています。24日〜26日にかけては床工事に入れないので屋根裏の食卓排煙装置の補足作業をしていました。ファイヤープレイスのレンガは乾くにしたがってセメントの白っぽさが目立ちます。酸洗い(希塩酸で洗う)をすると落ちると聞いたので早速試してみましたがあまり効果はありませんでした。一応ファイヤープレイスが完成したので薪ストーブを注文しました。

9月27日にポリパイプが到着したので早速ポリパイプの配置と給気ダクト工事にかかりました。ポリパイプを通す穴はGF階から1Fへ新鮮空調空気を通すために用意したスリーブ口を共用することとし給気ダクトと一緒に施工しました。この給気口はコンクリートスラブ150oの下にスタイロフォーム50oが貼り付いていますので200oの厚さがあります。給気ダクトはエモトの配管部材であるプラスティックエルボーを使いそれに断熱パイプを取り付けてつなぎます。さらに、温水用のポリパイプの曲がり径を気にしながら納め、全体をスタイロフォームの箱で下側から囲むようにして押さえました。箱の中には一液性のウレタンフォームを充填し密閉性と断熱効果を高めています。

以上の準備が出来たところでいよいよ床工事です。10月2日、床工事を始めようとしていた矢先いきなり薪ストーブが届きました。北海道の約束はあまり当てにならず、いきなりというケースが多いようです。薪スト−ブの重さは170Kgあります。1F階のファイヤープレイスへは外した引き戸のところまでユニックでつり上げ人手で引き込み、3人がかりでファイヤープレイスのところまで運びました。結局、その日は搬入と煙突の取付調整作業でつぶれてしまいました。

本格的な床工事は10月3日から6日まででホームベースの配置とレベル調整を終了し、さらに下貼り合板の配置と釘打ちを7日〜9日までの3日間で完了しました。下貼りとは言え床が出来ましたのでこれから家にはいるには靴下です。



ポリパイプの配置と給気ダクト工事


この家のメインの暖房は空気暖房です。GF階で床下放熱器を使い新鮮空気をあたためて各部屋の床下に流すことにより部屋全体を暖めようというものですが、これがうまく機能しない場合のことを考えてパネルヒーターへのポリパイプルートを作っておくことにしました。

ポリパイプをGFから1Fへ通すための穴は給気口として準備したスリーブ口を共用します。このためポリパイプを通す作業とGF階に空調パイプを取り付ける作業は一緒に施工しました。

2000年9月27〜28日

ポリパイプの配管

設備屋さんが温水パイプを施工する場合はもっぱら銅管を使いエルボーなどの接続部材を使って半田溶接するがポリパイプの場合は曲がるので単に流しておくだけで良いとのことだ。しかしながら内径13oのポリエチレンパイプの外径は18o位あり、最小曲がり半径は150oとのことなのでこれから施工する床下地の高さ(約100o)を考慮してスリーブ口のコンクリートを少し打ち欠いた。右奥でループさせて置いたところは床下からの新鮮空気の吹き出し口となるレジスターがある。パネルヒーターを設置する場合はそこからパイプを取り出し工作する予定である。パネルヒーターの接続バルブには一つの配管系統に複数のパネルヒーターをタンデムに配置した場合、すべての高温水を一番目のパネルヒーターに全部流してしまうのではなく、50%を次のパネルヒーターのためにスルーパスさせる機能があり配管長を節約することが出来る。上の写真は入り口がダイニングキッチンで隣の4畳半を廻って帰還するように配管した。

ポリエチレンパイプは長い間には酸素が浸透しボイラーを腐食させることがあるので銅管の方がいいが、バーナーなどの半田溶接工具が必要となる。予備的措置に工具を購入するのはもったいないのでポリパイプとした。



2000年9月29〜10月1日

給気口下

あらかじめ基礎工事の時の廃材であるスタイロフォームを箱状に成形しておき給気口にあてがったプラスチック製のエルボーと給気パイプ、温水用ポリパイプを一緒に下から閉じこんでウレタンフォームを注入したところ。ウレタンフォーム自体に接着効果はあるが膨れるので落下しないように下から支えている。

この工事は手順を間違えたかもしれない。スタイロフォームの箱の一方を開けておき、パイプ類をセットし天井に接着剤で着けてしまったあとで開口部の隙間からウレタンフォークのノズルを入れようとしたところ作業空間に無理がありノズル口が折れてしまった。まだ半分ぐらいウレタンが残っており、もったいないのでノズル口の修復を試みたりいろいろ無駄な時間を費やしてしまった。

いま考えれば単純に箱の中にウレタンを満たし、それが柔らかいうちに下から押さえつければ良かったのだが。







2000年9月29〜10月1日

コンクリート壁の貫通

あらかじめ空調配管が通るルートはスリーブを埋め込んでおいた。これらの配管はGF天井に固定しながらGF階中央の空調設備へ集められる。

天井への固定はスラブ下スタイロフォームを通してコンクリートスラブへグリップアンカーを打ち込み、自在バンドで固定した。市販の自在バンドを曲げたのだが強度は心配ないが変形するのにかなり苦労した。



















食卓排煙装置薪ストーブ


天井根太の作成の時に食卓排煙パイプを流しておきましたが天井が出来あがったので食卓排煙装置を工作しました。75oの塩ビパイプの中に60oのアクリルパイプを埋め込みます。両者の内外径差が3oですので塩ビパイプを固定しておくとアクリルパイプを中で上下することが出来ます。食卓照明にスライド機能付きの器具を購入し、そのスライドワイヤーを延長してアクリルパイプの中を通すようにしました。塩ビパイプの途中にはT字接続管でフレキパイプをつないであります。照明器具を上部にスライドさせるとアクリルパイプがT字接続部を塞ぐ形となり空気は流れませんが下に降ろすとアクリルパイプがT字部分の下にきて、アクリルパイプからフレキパイプへの空気ルートが形成されます。フレキパイプの先には中間ダクトファンを取り付け強制排気します。これでお鍋が心おきなく楽しめるという趣向です。

薪ストーブはDutchwestのセネカ(FA405)定価34万円を選びました。複合式(輻射と対流)薪ストーブで燃焼用の空気を外部から取り入れ煙突で排気します。対流のための空気は室内空気を取り入れ燃焼室とは別の壁スリットを通して暖める方式ですので室内の空気を汚しません。重さが170Kgもあり、分解出来ないとのことですので一人ではどうにもなりません。こうゆう時はなかなか値段交渉がうまくいかず運搬と搬入込みで定価の75%の値段でした。

2000年9月25日

食卓排煙装置

DK天井と右上にその屋根裏を写したものである。ちょっと見えにくいが塩ビ管にはT字管でアルミフレキパイプにつながっている。屋根裏はすべて300oのブローイングを予定しているがこの部分だけはグラスウールの敷き込みで断熱を図り排煙パイプまでのアクセスを可能とした。照明器具は取り敢えず市販の上下スライド機能付きペンダントライトのワイヤーと電源コードを延長しているが、将来はこれも自作を検討中。






2000年9月26日

中間ダクトファン

左の写真のT字管につないだアルミフレキパイプは同上の写真で中間ダクトファンにつながる。壁から外への排気口はまだ施工されていないがこの場所はレンジフードの上部にあたりここから外へ排煙される。

中間ダクトファンは食卓近くの壁に取り付けた手動スイッチで動作する。マイクロスイッチをパイプ内に取り付けアクリルパイプの上下で自動的に作動させることも考えたが複雑化するとトラブルの原因になるし、こちらには秋葉原がないので簡単にはマイクロスイッチが手に入らないこともあってあきらめた。



2000年10月2日

薪ストーブ

北海道の人たちはほとんどアポ無しである。納期を聞いてもなしのつぶてだったが、こちらが床工事の準備をしているといきなりの搬入となった。

1Fは事実上2階高である。階段を持ち上げるには重すぎるので居間の引き戸を外し、ユニックでつり上げたストーブを部屋に引き込み、3人掛かりでファイヤープレイスまで移動しセットした。

ストーブ背面に吸気口がありこれにつなぐため100φのアルミパイプを用意していたのだが実際の吸気口は3インチ、すなわち75oだったのでパイプ径があわずまだ施工していない。



床工事


コンクリートスラブ面にかなりの誤差があり通常の床根太方式ではレベル調整に自信がもてませんし、新鮮空調空気を通すことによって根太材が乾燥し木痩せからのセトリングがありそうなので、少々お金はかかりましたが防音用の床下地部材を使用しました。

20o厚のパーチクルボードに硬質ナイロンのパネルボード受けをねじ留めし、ナイロンボルトとゴムを取り付けます。ボルト長は床の高さに合わせて75o、100o等の種類が用意されています。これをみゆきが組み立て小生が配置し、レベル調整します。

経験していない作業をするときはどうしても始めに時間がかかります。レベル調整はプラスチックボルトの上部に穴が開いており、そこから六角レンチで調整するのですが、はじめは手こずりました。予想される高さくらいにボルト位置を設定し、全部のボルト上下しながらボード全体のレベルを調整したのですが、どれかをいじると別なところに影響が出てガタが出てしまいます。約一日いろいろやった結果要領が分かりました。まず、ボード全体を十分に低くしておきます。片側の稜線を水糸にあわせて調整し、ついで反対側の辺を持ち上げるように調整すると一発でガタ無く調整できることが分かりました。

2000年10月3〜6日

床下地盤の配置

パーチクルボードサイズには910oを一片とし、600o、750o、910o、および1200oのサイズがある。910ox910oが基本形だそうで専門業者はもっぱらこれを使い、部屋に合わせてカットしながら敷き詰めていくのだそうだ。小生はあらかじめパソコンCADで配置図を作り各サイズを組み合わせることにより出来るだけ切らずに配置した。

床のレベルは先だって施工しておいたきわ根太であるので、外周に接するボードは5oのゴムパッキンを貼り付けて壁に押しつけながら固定できる。壁に接しないボードは下貼りで固定するまではただ置かれた状態なのでぐらぐらする。レベル調整不良で下貼りやフローリング施工後床鳴りが発生するのが一番困るので、調整は慎重に行った。前出のレベル調整方法にたどり着くまで、一日中パネルの上を歩いては調整し、少しでも音が出るとまた調整という繰り返しだった。


2000年10月3〜6日

部屋の入り口部分

きわ根太を作成するときのレベル調整に骨を折った甲斐があり、各部屋の入り口分には不陸が全く起こらず平らに施工することが出来た。
















2000年10月3〜6日

上がり框の部分

上がり框部分だからといってボード配置に特別な違いはない。いつものことだが作業中は夢中になってしまい、その経過を写真に納めることが難しい。上がり框のところがボード貼りの最後で、これまでボードの下がどんな構造に成っているかを写した写真が一枚もないことに気づいて撮った写真である。

ゴムとプラスティックボルトおよびパーチクルボードの組み合わせで床下地を構成するという説明で想像できたと思うがご覧の通り単純な構造である。











床下地合板貼り


ホームベースの説明によると床下貼りは5.5o以上の合板が必要となっています。OSBタイプの安いのでも良かったのですが壁の下地に使った9oのCSP合板が余っていましたのでこれに同じ種類の合板を買い足して使用しました。余っていた構造用合板は910x2730oの大判ですので一部屋に3〜4枚も敷きこむと半分以上が出来上がってしまいます。パーチクルボードへの固定はコースレッドで、もっぱらみゆきが打ち込みました。

出来上がった状態はドアこそ付いていませんが完全な部屋で今でも住めそうです。ここからはほこり汚れを持ち込まないため普通の家と同じように靴下でしか入れないようにしました。

2000年10月7〜9日

DK床合板下貼り

DKの下貼りで大判の合板を4枚横一列に貼ったところ。奥の方は厨房設備が置かれる場所にあたり、床スラブに工事が必要なので配置していない。











2000年10月7〜9日

北寝室からDKまで

北寝室から4.5畳の洋室を通してDKまでを写した。床貼りで一番心配したのは不陸が起こることだが、一体的な平面が出来た。











2000年10月7〜9日

居間

台窓から見た景色。小原さんの畑はまた麦を巻いたのだろう緑色が広がっている。畑との境界線の木々はまだ濃緑だが庭木として植えた楓類はそろそろ色付き始めている。










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