日本全国釣り歩記

これまで釣り竿をかついで日本全国、あちらこちらを釣り歩いてきました。このコーナーではそんなご当地の釣り事情をお伝えしていきます。数回しか行ったことのない場所もありますので、実状はちょっと違ったりするかもしれませんが・・・みなさんの遠征計画に少しでもお役にたてればと思います。

現在、21都道府県を制覇???

北海道 北海道まで行くと、釣れる魚の種類はがらっと変わります。北海道のアングラーを熱くさせる代表選手は、やはりアキアジ(サケ)。9月になると河口近くの海岸線という海岸線はアキアジ狙いの竿が林立するようです。ただし、河口付近にはサケの禁漁区域が設けられていることが多いので、密漁の嫌疑をかけられないように注意。投げ釣りは防波堤や護岸のほか、磯から投げる本格的磯投げスタイルも一般的なようですが、土地鑑のある同行者がいないと、はじめてのポイントを把握するのは至難の業です。むしろ、普段お目にかかれない北の魚に遊んでもらうぐらいの気持ちで挑んだ方が、楽しい釣りができるかもしれません。クロガシラ、ソウハチなど本州では見ることのできないカレイ類や、ウサギアイナメ、スジアイナメ、コマイが竿を曲げてくれます。関西風の仕掛けでも間に合いますが、本格的に磯からアブラコやカジカの大物を狙うなら根掛かり対策を講じる必要がありそうです。タカノハやオヒョウといった超ド級のカレイを狙うもよし(確率は宝くじ並み)のんびりと竿釣りでキュウリ、チカを狙うもよし。8月下旬の道東ではカラフトマスが釣れたりしてバリエーションは無限大です。

青森 本格的な投げ釣りをする人は少ないようです。それだけに未開拓のポイントはかなりありそうですが、足場の悪い磯場の海岸線が続くため、的を絞るのが難しいというのが実状です。ただ、八戸の巨大な港はそれだけでも多くのポイントを提供してくれます。沖防波堤では初夏と秋を中心に、50pオーバーのアイナメは相当釣れています。カレイもマコ、ヌマ中心にかなりの実績を誇ります。そして忘れてならないのがマハゼ。地元の方が自信を持っておられるように、25pクラスは当たり前、30cmを超えるようなランカーサイズも狙えるようです。ビッグなマハゼを狙うなら冬がいいようですが、そこは本州最北端の地、低温と雪に対する相当な覚悟が必要のようです。竿釣りでは波止から大型のサバが釣れるようですし、ソイを狙うソフトルアーも盛んなようです。

岩手 山田湾のアイナメが有名です。リアス式海岸が続く海岸線は、渡船でないと行き着けないポイントが数多くあり、どれほどの可能性を秘めているのか分かりません。アイナメ、ナメタガレイとも、60cmを大きく越える実績があるという話を方々で聞くことができます。アイナメのベストシーズンは、やはり6月のようですが、本命のポイントは外洋に面した磯や小島なので、少しでも波があると渡礁できません。梅雨のこの時期は、東北ではヤマセと呼ばれる冷たい東風の季節でもあります。東風には弱い地形でもあり、遠征前には入念な気象状況の把握が求められます。

宮城 マコガレイ、イシガレイ、アイナメの日本記録が記された、北方志向のキャスターには垂涎の地です。知られているポイントだけでも凄いのですが、手付かずのポイントはまだまだあるものと推測されます。特にアイナメに関しては、黒潮と親潮のぶつかる海域に点在する数々の離島や、牡鹿半島周辺に数多く存在する前人未到の地磯など、可能性大です。ソイ類も濃いエリアですし、意外なところでは、スズキやマゴチなども数・型とも実績十分です。なおこの周辺は、釣り人に対して非常にフレンドリーに接してくれる港がある一方で、釣り人に強烈な嫌悪感を持っている地域もあります。私自身、何の邪魔もしていないのに罵声を浴びせられたこともありました。無用のトラブルは避け、ゴミなどを放置しないように心がけましょう。

福島 このエリアで最も有名なポイントといえばやはり小名浜でしょう。今でも日本記録クラスのマコガレイが年に何匹か飛び出しているようです。巨大な釣り場である小名浜ですが、個人的にはあまり気が進まないポイントでもあります。風向きが悪いと工場の煙が飛んできて、息苦しくなることも。また、キャストした錘が、海底のドロに埋まる感触も好きではないです。ただ、ビッグなカレイが数多く潜む場所であるのは事実。周辺には、ナメタを狙える波止があったり、ヒラメの大型が出る場所があったりと、関東日帰り圏では有数の大物エリアです。東京勤務をしていた10年ほど前、小名浜に近い某港の地方の護岸(関西ならテンコチも釣れないだろうという感じの場所)で同行者が40pオーバーのマコガレイを釣り上げ、大きなショックを受けた覚えがあります。

茨城 日立の沖堤は、常磐では小名浜と並んで大ガレイ場として有名です。一時期ほどの注目度はありませんが、ザブトンガレイはかなり出ているようです。私は地方の護岸でしか釣ったことがありませんが、あまりいい目をしたことはありません。まあ、釣る人は釣っていますが・・・このあたりまで南下すると、手抜きをしていては勝利の女神は微笑んでくれないようです。日立沖堤は足場が高いので、長尺のタモは必需品。

千葉 外房では黒潮が沿岸を通っているので、さほど沖にでなくてもカツオ、マグロの群れと遭遇することができます。ソルトウォーターにハマっていたころ、午後出船でカツオ・キメジを7匹上げたことが思い出されます。一本釣りをしている漁船の横でルアーをキャストする感覚は、たまらないものがありました。最近ではポイントの開拓が進み、ジギングで年中ヒラマサが狙えるようです。乗合船も数多く、「忍耐の釣り」であるジギングの入門には最適のエリアかもしれません。機会があれば、もう一度攻めてみたい場所です。

東京 晴海ふ頭で大きなアイナメが釣れる・・・なんていう話を聞きながら、とうとう投げ釣りをする機会はありませんでした。ただ、そこは江戸前で有名な東京湾。釣れる魚はおいしいらしい?船からハゼ狙いをしたことがありますが、ハゼを釣るのってこんなに難しかったっけ?と思った記憶があります。

神奈川 三浦半島や横浜近辺など、最近では投げ釣りのポイントが続々と開拓されているようです。しかもカレイの40p級ががんがん上がったりして・・・私が東京に住んでいたころには考えられなかったことですが・・・。私にとっての三浦半島は、やはりソルトウォーターの基地。逗子市あぶずる港のまさみ丸は私にとってのマザーシップ。今でもトップウォーターの面白さをいちばん体感させてくれる船です。相模湾で狙える魚種はメーターオーバーのシイラだけでなく、本ガツオ、メジ、キメジ、マツダイ、カンパチ、オキアジなどなど・・・1時間も走ればイルカやクジラにも遭える想像以上に豊かな海です。ルアー以外ではカッタクリという釣り方で狙うワカシ(ツバス)やサバも条件さえよければ入れ食い状態。おもしろい釣りは保証されたようなものです。

静岡 三保海岸からの投げで狙うマゴチ、ヒラメ、サーフからのトップウォーターで狙う青物たちは常に私の憧れでしたが、未だに足を踏み入れたことがありません。しかし最近になって、意外な魚種のポイントがあることを教えてもらっておもしろい釣りをしました。その魚はコトヒキ。いつか釣れればいいな程度にしか思っていたこの魚が一晩で10匹以上も・・・。びっくりしました。

三重 七里御浜でしか竿は出していませんが、周辺には聞き覚えのある地名がたくさんあります。昔から関西の大物師に愛され続けたエリアなのだと思います。その七里御浜。私はウネリのため玉砕しましたが、是非もう一度トライしたいという気持ちをもたせる「雰囲気十分」の場所でした。例年、7月頃にはコロダイやタマミの入れ食いがあり、モンスターサイズも登場する模様。関西から長時間かけても行く価値ありです。尾長ガッチョ、ベラといった、関西ではほぼ大物と出会うのが不可能な魚も可能性ありと聞きますし、これから研究してみたいエリアのひとつです。

和歌山 投げ釣りにしても、ソルトウォーターにしても、私は和歌山とは相性がよくありません。でも釣る人は釣ります。南部堺あたりまで南下すれば、タマミ、コロダイ、ヘダイの超大物と遭遇できるチャンスがあります。南紀・すさみ沖はトーナメントが開かれるほどカジキの濃いエリア。トローリングを入門するにはいいかもしれません。冬場はメバチマグロの20キロ級が狙えるそうです。そういえば、岸から数キロしか離れていないところで、20キロはあろうかというキハダが何百匹とジャンプする様を見たときは腰を抜かしそうになりました。

兵庫 釣れないなかでも、最近注目されているのが明石海峡。毎年6月頃、投げ釣りでマダイやチヌの良型が上がるのをはじめ、秋のオフショアではハマチ、カンパチがジギングで狙えます。そしてこれから注目を浴びそうなのがマグロ。ここ毎年、秋になると推定で数十キロある本マグロが入ってきているようなのです。ただ、どうしても取れないらしい・・・萩あたりからノウハウが入ってくれば、とんでもないことになるかも・・・

徳島 鳴門周辺は日帰り圏内にあって、意外なほどに大物が狙えるエリアです。里浦海岸では、毎年のように尺ギスが上がりますし、チヌ、マゴチの大型も濃いようです。ただし、水深がなく、大河が多いので雨後やウネリが入った時など、フグ地獄、ゴンズイ地獄と化すことがあります(というか、私はそんな時ばかり・・・)冬場の投げ釣り大会で上位を独占するのも鳴門周辺。寒さに耐えて夜釣りを敢行すれば、ハネ、スズキが高確率で釣れます(私は釣ったことがありませんが・・・)

高知 宿毛など、南西部は関西から7時間はかかろうかという遠隔の土地。行くだけでたいへんですが、70cmを越えるタマミ、コロダイの話がそこかしこに溢れています。宮城が北方キャスターの聖地なら、高知南西部は南方系キャスターの聖地。全日本サーフの日本記録(平成13年10月現在)だけをみても、チヌ、イトヨリ、ウマヅラ、フエフキ、シマイサギ、スズキ、カワハギ、イラと8魚種でタイトルを保持!あらゆる魚種がジャンボサイズ。沖の島で1.5メートルぐらいありそうなアナゴを釣った時は笑ってしまいました。

香川 小豆島といえば、車横付けのポイントも数々ありますが、せっかくここまで行くなら足でポイントを稼ぎたい。大角の鼻やナゴラ浜など、体力勝負のポイントは釣り荒れていないだけに、意外な大物も期待できます。特にキスに関してはまだまだ穴場がある模様です。

福井 波松海岸はイシガレイの50p級が狙える、近郊では稀有のポイント。しかし、そこは日本海、カレイの好季は季節風で荒れることが多く、なかなか竿を出すことができません。大物が健在の理由もそこにあるのでしょうが・・・。

京都 丹後半島は、関西でも有数のソルトウォーターエリア。ほとんどがジギングになりますが、ブリ、メジロ、ヒラマサは相当に濃いエリアです。回遊状況さえ読み間違えなければ、釣果は確実?魚の寄り場となる瀬も数多くあり、ヒラメ、アコウといった高級な根魚も狙えます。時期によってはマグロが回遊するという話も・・・。

鳥取 鳥取砂丘や弓ヶ浜など、長大な砂浜はキス釣りのメッカ。競技会の会場にもなっています。境水道は、全国的にみても有数の汽水エリアであって、急流のポイント。多種多様な魚が竿を曲げてくれます。県東部には、カレイやキスの大物を狙えるポイントも点在していて、なかなか魅力的な場所です。

島根 私にとっての島根といえば、隠岐以外ありません。14年前、はじめて渡った時には、カレイやアイナメがおもしろいように釣れ、投げ釣り天国ここにありと思いました。しかし、最近は酸性雨による森林の立ち枯れのせいか、釣れなくなってきたような気がします。しかし、マダイに関してはまだまだ夢のもてるスポット。時期さえ外さなければ、高確率で釣果を得ることができます。80pを越えるような大物も期待できます。かつてはマコガレイの日本記録がマークされた場所ではありますが、隠岐のカレイはマガレイが多いため、ザブトン級はなかなか難しいのが本当のところです。

長崎

鹿児島

沖縄
 沖縄に行くならやっぱり超大物を狙いたい。ルアーならガーラ(ロウニンアジ)や20キロ以上のマグロ。磯なら超ド級のミーバイ(ハタ、アラ)、投げならタマン(タマミ)がビッグターゲットです。オフショアのガーラは最大50キロ近いのが出ます。私も30秒だけファイトしたことがありますが、20キロクラスと推定される奴は、7号のPEラインをぶち切った、というよりは溶かして逃げていきました。大きなポッパーをフルスイングして、早巻き、もしくはポッピングで狙うこの釣りはキャスターの方ならとっつきやすいと思います。パヤオにマグロが回遊していれば、まさに釣堀状態。夢のようなジギングがカツオ混じりで体験できます。投げは夜釣りが中心になります。タマンは70cmオーバーが、マゴチも大型がでます。本島南部は海が荒れているので、やんばるといわれる本島北部、名護より北の海がお勧めです。ただ、数は少ないながらハブには注意を。エサはボラ、カニ、イカやタコが一般に使われます。少し大きな釣具店には生きたボラが常備されていてびっくりです。ポイントは水深のある大きな港の潮通しのいい場所のほか、干潮には底が出てくるほど浅いリーフ混じりの砂浜など。明るいうちにリーフの位置を確認しておかないと、釣りにならないので注意が必要です。
 時にはミーバイやガーラが飛びついたりするので気を抜かないように。那覇一文字、名護、本部、牧、瀬底大橋下の水道、宜名真などがポイントのようです。いい場所はいくらでもありますが、リーフが一面に張り出しているようでは投げ釣りは不可能なので、狙い場は限られます。

戻る