カレイ投げ釣りガイド 東北編
東北の投げ釣りについて 全日本サーフ東北協会の尽力もあり、東北でも本格的な投げ釣りが市民権を得てきているようです。最近では、関西からの遠征組も増えて、有名ポイントはまさにキャスター同士の交流の場となっています。東北といえばなんといってもカレイ。日本記録級に手が届く数少ないエリアといえるでしょう。ちなみにアイナメの日本記録も東北。現在フィーバー気味の石巻周辺・牡鹿半島だけでなく、三陸海岸全般に手付かずのポイントが多数存在していると予想されます。これからがますます楽しみです。
カレイの釣期ついて もともと寒流系の魚であるカレイのこと。夏場のごく一時期を除けば一年中狙えるターゲットのようです。そんななかでもピークは11月からの乗っこみと3月からの戻り。このあたりは関西と近い感覚がありそうですね。４０㎝クラスを確実に狙うなら初夏もいいようです。厳冬期も釣れないことはないのですが、寒さの感覚は関西とは比べ物になりません。寒さ対策、雪対策を十分すぎるぐらいにしておかないと、確実に後悔することになります。マイナス５度以下の世界ではペットボトルのジュースも、車の中に放置した衣服もすべて凍りますので・・・。
エサは何がいい？ 釣果を大きく左右するエサですが、こればかりは現地に行ってみないとわかりません。時期によって傾向があるものと思われますが、まだ確固たる方程式を導き出せていないのが本当のところです。ただ、必ず大当たりするエサが出てきますので、各種揃えていったほうが無難です。地元では青イソメ、マエバ（地物の岩イソメ）といった従来のエサに加えてユムシを使う人も増えており、渡波では必須アイテムとなっています。青イソメ、ユムシ、マムシ、コガネがあればなんとかなるでしょう。外れエサしか持っていっていないと確実にボウズの憂き目にあいますのでご注意ください。最近は塩虫もふくめてコガネでの実績があがりつつあります。
どんな仕掛けがいい？ お恥ずかしい話ですが、私の当たり仕掛けは何の工夫も無い１本針仕掛けです。仲間たちは関西で使っている２本針仕掛けに手を加えて実績をあげているようです。まだ研究の段階ですが、海中でエサを自然な形で置けるかどうかかが運命を分けているようですね。ハリス部分が長いほうがいいかも。対象魚が大型なので、違和感を感じるエサには寄り付かないのかもしれません。ただ、好ポイントは根掛かりの激しいところが多いので、仕掛けを長くとるとえらい目にあいます。このあたりがジレンマなのですが・・・・。ピンク系のシモリ玉、ビーズなどをワンポイントで入れた仕掛けが好成績を収めているようです。
代表的なポイントは？ 渡波など、情報が出ているメジャーなポイントはどうしても満員御礼となりがちです。思ったとおりの釣りができないことも多いので、それなりの覚悟が必要です。そこで自分の眼力を頼りに「新しいポイントを探してみる」という楽しみ方を提案したいと思います。現地でいろいろ聞いたりしてポイントを探していくのも遠征の楽しみのひとつ。情報の交換を通じて現地のキャスターと友達になれたりするのも魅力です。私も最初の東北は十分な情報もないままの単独釣行で、ボウズ同然でとぼとぼと帰ってきたものでした。でも現地で釣具店を回り、情報を再収集して挑んだ２回目で50cmオーバーのイシガレイを手にすることができました。私もこれからは新規開拓にいっそう力をいれていこうと思います。現在鋭意開拓中ですが詳細はヒ・ミ・ツです。はっきりいって失敗の方が多いのですが、そのうち金脈に当たるのではと考えています。
さて、代表的なポイントとして（すっかり有名ですが）マコ、イシそれぞれのカレイの日本記録が出たポイントを紹介しておきましょう。
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渡波港 寄磯港
渡波 平成11年に東北サーフの菅野さんがイシガレイの日本記録を釣られたポイントです。汽水湖である万石浦を奥に持つ水道部の大波止がメインの釣り場になります。関西のキャスターには「ミニチュア版の境水道」といえば分かってもらえるでしょうか。潮流は本家境水道以上に激しく、引き潮時は釣りにならないこともままあります。また根掛かりも激しいので仕掛けやオモリのストックも十分に用意してください。60cmオーバーのイシガレイがターゲットになりますので、ビッグサーフなら17号以上、ハリスも8号ぐらいは必要でしょう。牡蠣ガラの付いた捨石が剥き出しになっているので取り込みは強引さを要求されます。タックルは全般に丈夫なものを用意すること。潮の変わり目に食うことが多いので、潮流の変化には注意が必要です。先端部のテトラ投入工事は終了しましたが、そのかわりに港内での網入れが再開されているようで今後の推移に注視したいところです。また、先端部は極端に足場が悪くなっていますので、事故防止の意味からも単独での釣行は控えたほうがいいかと思います。
寄磯 平成12年にマコガレイの日本記録が出たポイントです。何の特徴も無い内湾の小さな漁港といった感じですが、ここが50cmオーバーのマコガレイに一番近い？場所なのです。メインのポイントは漁港外側の一文字波止で地元の漁師にお願いして渡してもらうことになります。日によってはブイが大量に入れられていたりして、根掛かりのすごさに閉口する時もあります。念のため、仕掛け、オモリともストックは十分に。ポイント自体は5人も入ればいっぱいの小場所です。一応、日本記録が出たカーブ付近が本命ですが、日によって釣れる場所はがらっと変わります。釣れると大きいのは確かですが、ボウズの可能性の方がはるかに大きいので確実に釣りたいという方にははっきりいって不向きです。この周辺には地理的特長がよく似た漁港が点在しており、相当にクサイと読んでいます。新規開拓をするならこのあたりからスタートするのもいいかもしれません。なお最近、釣り人を見かけると「カレイの日本記録はここの沖磯であがったんや。渡してあげようか」と声を掛けてくる漁師がいるみたいですが、法外な料金をふっかけられる可能性がありますので事前に確認してください。
その他のポイント この他に鮎川、女川、石巻港といった大きな港、長浜のような白砂の砂浜、前網、狐崎など小さな港など、さまざまなタイプの有望ポイントが目白押し。ただしどこも当たり外れは相当にあるようです。工事もひんぱんに行われているので、現地の釣具店等で情報を聞いてから動いた方が無難でしょう。峠道が多いので、移動には骨が折れます。今後の注目は牡鹿半島周辺に点在する島々。田代島では65cmを超えるマコガレイが船釣りで出ているといいますし、アイナメの日本記録は寄磯からほど近い江島で釣れたものです。テックイといわれる75cm超のイシガレイも同近海の船釣りではあがっているみたいです。また北上川より北側、気仙沼にかけての海岸線はいかにもアイナメ場といった感じですが、ほとんど情報がありません。高級魚であるホシガレイ、ナメタガレイといったその他のカレイも含めて、記録更新の可能性が期待されるフィールドにあふれています。