南部堺のコロダイ
平成14年9月22日〜23日
あわただしく仕事をこなしているうち、季節はもう9月下旬。あれだけ辟易する熱波を撒き散らしていた夏も、時間の流れに降参するように秋へとバトンタッチしようとしている。気がつけば今年は夏の使者・コロダイに出会っていない。仕事の繁忙期にクラブの用事を手伝ってくれた飛錘さんに「今年中にコロダイを釣らしてあげるからな」と約束したものの、それも果たせていない。これはマズイ。ということで急遽、コロダイが例年になく好調と聞いている南部堺への釣行を決行することになった。メンバーは私、飛錘さん、スーヤンさんだ。場所取りが熾烈と聞いていたので早めに神戸を出発、現地には正午に到着。しかし、めぼしいポイントには先客の姿が。かろうじて空いているのは森の鼻の通称切れ波止の先端のみ。ちょうど干潮なので歩いて渡れるのはいいが、波止の周辺は水が干上がり、陸地に取り囲まれている。潮が満ちてくればここは海に囲まれ魚が入ってくるのだ、しかし、波止の根元の崩れ落ちた個所も水没し陸の孤島と化し戻れなくなり、移動ができなくなる。実績場なのは知っているが、こんなところで本当に釣りが出来るの?スーヤンさんはこの状況を見て地方の空いているポイントを釣り歩くことに決めたらしい。私は前から一度チャレンジしてみたいポイントであったので、不安を抱えながらも波止でやることを決意。飛錘さんも波止に残ることに。
日のあるうちは根の位置の確認も兼ねてカワハギ狙い。しかし、型がイマイチなので小休止タイムとする。午後5時頃から仕掛けを大物用にチェンジし、本格的に釣りを開始。しかし、根掛かりの嵐でオモリが帰ってくる方が珍しい状態。事前につっじい氏からアドバイスをいただき、投入するべきポイントも確認していたのだが、方向か飛距離が合っていないらしい。強い追い風に距離感が狂い、ミチイトのPEにバックラッシュが多発する。まさになすすべなく日が暮れ始めた。焦りながらもあきらめずに切れた仕掛けの補修を繰り返し、微妙な調整を繰り返す。その甲斐があって、あたりがすっかり暗くなる頃に、ようやく仕掛けが回収できるようになってきた。しかし、すこしでも投げるポイントを外すと百発百中根掛かりする、全くもってタイトな場所だ。
マムシを大きめにつけて投入を繰り返すがエサ取りが猛烈だ。たぶん着水して1分ももたずにハリが裸になっているだろう。こうなると打ち返しあるのみ。こういうシュチエーションでは、投入直後の竿にアタリが出ることが多い。7時すぎ、予想通り投入直後の竿のリールのドラグがジーッと音を立てた。かなり大きなアタリだ。駆け寄って2回目を待つが反応がない。力いっぱいに合わせてみるがハリにのらなかった。惜しい。しかし、魚が回ってきたのは間違いない。ここから打ち返しのペースをスピードアップ。特にアタリのあった地点を重点的に攻める。そして一時間後。仕掛けの回収をしていると、直前に投入した竿のドラグがかすかに滑った。糸がからんだのかな?少しタイミングが違っていたような気もするけど・・・。巻き上げてみると、やはりハリがその竿の糸を引っ掛けている。そのまま糸のたるみを放置すると手前の根にかんで仕掛けをロストすることになるので、あわててその竿を手に取る。あーっ、やっぱり根にかかっている。一度、二度と大きくしゃくる。外れるか・・・とその時、予想もしなかった魚の感触が伝わってきた。半信半疑でリールを巻き始める。大きく首を振り、底へ突っ込もうとする。紛れもない大型魚の感触だ。飛錘さんにタモ入れをお願いして慎重にやりとり。やがて月明かりにぼんやりと光る白っぽい魚体が姿を現した。やった!コロダイだ。57.7p。和歌山にしては上出来の型だ。飛錘さんも生きているコロダイははじめてとあって大感激の様子。ふたりでがっちり握手。ここまで来た甲斐がありました。
夜中の干潮をはさんで夜明けの満潮に更なる期待をかけたが突風を伴う風が吹き始め、波が高くなったせいか本命のアタリはなし。飛錘さんにも釣ってもらおうと、コロダイの釣れたポイントに一本入れてもらったのだが・・・残念。でも、あきらめずに通えば必ず釣れるから・・・めげずにがんばりましょう。
釣果 コロダイ57.7p、オジサン