淡路島・野島のスズキ

平成13年11月25日

  投げ釣りの世界では、カレイが最盛期を迎えているが、ルアーマンの間では、抱卵した特大スズキがわんさか押し寄せてくる心踊るシーズンでもある。私も5年ほど前、淡路・野島で大スズキを釣り、その引きはさることながら、カマの煮付けのうまさにいたく感動した覚えがある。今回は突然、抱卵・脂のりまくりスズキのカマのとろとろの煮付けを食べたくなっての思いつき釣行。これを投げで狙ってみようという試みだ。潮は午前4時ごろが満潮。その前後がチャンスになると読み、午前0時10分のたこフェリーに乗り込む。
 釣り場に着くなり出鼻をくじかれた。漁船が一隻、海面を煌煌と照らして漁の真っ最中。しかもスズキの回遊路にあたる、本命ポイントの真上である。しばらく竿をセットしたまま投入を待つ。30分ほどで漁船が立ち去ったので、ようやく釣りを開始。しかし、フグの猛攻である。ユムシすら5分ともたず丸裸。8号のハリスも一投ごとに交換を強いられる状況。1時間たっても状況に変化はない。ニベ狙いでの場所移動が頭にちらつきはじめた時、本命ポイントに投入していた竿に微かなアタリ。コンコンと竿先を叩くが、ドラグを鳴らすまでは至らない。どうせフグだろうと期待せずに巻き始める。でも今までよりは少し重たい感じだ。いったんリールを巻く手を止め、念のためタモを持って足場の悪いテトラを降りていく。リーリングを再開すると、糸が真横へいっている「????」と同時に強烈な重みが竿にのしかかってきた「ひょっとして」慎重に巻き取り、魚が姿を見せる。ライトに浮かび上がったのは紛れもないスズキ。しかもデカい。あわててタモ入れを試みるが、距離感がつかめず2度、3度と失敗する。魚は、テトラを降りていく間しばらく遊ばせる形になったので弱っている。何度かエラ洗いをみせたのちはおとなしく水面を漂うだけ。といっても相手は重量級。なかなか頭をタモの方向へ向けさせてくれない。そうこうしているうちに、両手が痺れてきた。こんな状況でいつまでもがんばっていられない。「頼む、入ってくれ」心の中での叫びが通じたか、ようやく魚とタモのタイミングが合った。一気に掬い上げる。波止へ放り上げ、メジャーをあてると80pを越えている。よしっ、カマの煮付け一丁上がりだ。
 その後もフグの猛襲は続き、20匹用意したユムシも2時間で尽きた。この状況ではマムシは全くの役立たず。夜明けとともに納竿とした。

釣果 スズキ81.2p              

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