◇リビア核関連機器 米へ搬出完了
米国家安全保障会議のマコーマック報道官は3月6日、リビアの核開発関連機器など計約500トンを積んだ貨物船が同日リビアを出発し米国に向かっていると発表。リビア国内で存在が確認された核開発関連機器はすべて搬出された。スカッドミサイル5基や発射台も積まれているという。またリビアは11日、追加議定書に署名。リビアと米英の関係は急速に改善されており、マクレラン米大統領報道官は2月26日、米市民のリビアへの渡航制限を23年ぶりに撤廃することを表明した。
◇サウジ WTO年内加盟 米との交渉大詰め
サウジアラビアが今年中にWTOに加盟する見通しとなった。貿易制度などを審査する多国間作業部会で大筋決着のメドが立ち、米国との金融サービス開放などをめぐる2国間交渉も大詰めに。
◇ギリシャ総選挙 保守党が勝利
ギリシャで7日行われた総選挙(一院制、300議席)で、保守野党の新民主主義党(ND)が勝利、11年ぶりに政権に返り咲くことになった。開票率97%でNDが得票率46%で、議席の過半数を占めることは確実。93年から3期連続して与党の座にあった全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は41%。
◇米の地下貫通核 5年で生産目前まで
米政府が「使える核」として研究している「強力地下貫通型核兵器」が、5年後には単なる研究だけでなく、核兵器製造の一歩手前の段階にまで移行することが分かった。3月8日付の米議会調査局の報告書によると、2005年度からの2年間で予備調査を完了、07年度からは議会の承認を得た上で実際の核弾頭の設計に移行、09年度に完了した後は、兵器生産体制の準備に入る。ラムズフェルド国防長官は昨年5月、「あくまで研究だけを行う。それ以上でも以下でもない」としていた。
◇韓国 大統領弾劾案を可決 史上初
韓国のハンナラ、新千年民主党の2野党は9日、盧武鉉大統領に対する弾劾訴追案を国会に提出。提案理由は@特定政党(「開かれたウリ党」)への支持発言を重ね、法治主義を否定したA自身と側近の不正腐敗により国政運営の正当性を失ったB国民経済と国政を破綻させた、としている。12日、国会は弾劾訴追案を可決。大統領の権限は停止され、高建首相が大統領職務を代行する。在籍議員271人のうち195人が投票し、193人が賛成、可決に必要な3分の2以上に達した。弾劾決議はこの後憲法裁判所に送付され、180日以内に弾劾の可否を決定する。憲法裁で裁判官9人中6人の賛成で可決すれば弾劾が正式に成立し、その60日以内に大統領選が行われる。憲法裁で否決されれば、弾劾は無効となる。韓国では4月15日に総選挙が行われる。盧武鉉大統領は11日の記者会見で総選挙が「信任投票」だと表明しており、総選挙の結果が弾劾の行方も左右しそうである。今のところ韓国世論調査では「弾劾反対」が75%を占め、2野党の支持率が下がり、「開かれたウリ党」の支持率が上がっている。
◇IAEA理事会 イラン非難決議採択
IAEA理事会は13日、未申告だった新型遠心分離器の開発計画の存在を「遺憾」とするイラン非難決議を採択した。核爆発の起爆用に使われる放射性物質ポロニウムの生産については、積極的な情報提供とIAEA調査への協力を求め、次回6月理事会までに全情報開示を求めた。また、エルバラダイ事務局長に対し、核の闇市場について5月末までの報告書作成を要請した。
◇コソボ情勢悪化 アルバニア系住民がセルビア正教教会など焼き討ち 国連暫定統治下のコソボ自治州で、セルビア人とアルバニア系住民の間で衝突が再発し、ここ1年で最悪の事態に発展。18日には各地でアルバニア系住民が暴徒化しセルビア人を襲撃する事件が相次ぎ、17日からの2日間で死者は31人、負傷者は約500人となった。国連コソボ暫定統治機構は18日、アルバニア系住民によって破壊されたセルビア正教の教会・修道院が17に及び、セルビア人数百家族が居住地を追われたと発表した。
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