◇南米7ヵ国 自由貿易協定(FTA)調印
南米南部共同市場(メルコスル=正・準加盟7ヵ国)の4ヵ国と、アンデス共同体(加盟5ヵ国)の3ヵ国の貿易担当相は16日、FTAに調印した。南米大陸12ヵ国のうち7ヵ国に自由貿易圏が誕生することになる。米国は米州自由貿易圏(FTAA)交渉を進めようとしているが、農業補助金行政を続ける米国への南米諸国の反発が強く、交渉は難航している。
◇イスラエル 占領固定化する「治安措置」通告
イスラエルのシャロン首相は18日、「パレスチナ自治政府が今後数ヵ月間、中東和平の行程表に定められた義務を無視しつづけるなら、イスラエルは独自の治安措置を取る」と宣言。ラピード法相は、「3ヵ月以内にこの治安措置を取る」と述べた。「治安措置」とは、一部の入植地を移転したうえで「治安ライン」を一方的に決め、そのラインに沿って隔離壁や軍の再配置を行うというもの。「ロードマップ」さえ無視した、占領の固定化である。
◇リビア 核兵器開発認め米英に廃棄確約 無条件査察に合意
リビアのカダフィ大佐とブッシュ米大統領、ブレア英首相はそれぞれ19日、リビアが過去に核兵器をはじめ大量破壊兵器を開発したことを認め、すべての計画を放棄することを決定したと発表した。ブッシュ大統領は、米英とリビアの秘密交渉が「9ヵ月前、カダフィ大佐の特使による我々への接触で始まった」と語った。リビアが米英に確約した措置は、▽化学兵器と核兵器開発計画を全面的に放棄▽核に関するすべての活動をIAEAに申告▽射程300キロ以上の弾道ミサイルを廃棄▽NPTを履行するため国際査察団を受け入れ、IAEA追加議定書に署名▽貯蔵されたすべての化学兵器を廃棄。化学兵器禁止条約に加盟▽これらの行動を検証するための査察、監視の即時実施を許可―以上。数ヵ月以内に合意書に署名する見込み。これを受けて、エルバラダイIAEA事務局長を団長とする査察団が27日、査察を開始した。また、リビアはIAEAの追加議定書にも署名する予定。
◇アフガン 新憲法採択
アフガニスタンのロヤ・ジルガは1月4日、新憲法を採択した。新憲法の骨子は、▽イスラム教共和制。他宗教の信者も法の規定の範囲内で儀式を行う自由を持つ▽男女は法の下に平等▽直接選挙による大統領制。大統領は内閣を主宰し、軍司令官をかねる▽議会は直接選挙による下院、上院の二院制▽大統領は、閣僚と司法長官、中央銀行総裁を下院の承認を得て指名する▽ザヒル・シャー元国王に終身「国民の父」の称号を授与する▽憲法の履行状況を監督する独立委員会を設置―など。会議は3週間におよび、少数派が採決をボイコットする場面もあり最後までもめたが、米国や国連が最終的に仲介し、全代議員が賛成した。米国の強い意向が伺える。
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