「片思い」の所以についてあれやこれや考えたこと
 
―キューバ&WTO閣僚会議抗議の旅「印象記」(4)―
 

紙面の都合に合わせて書いてきたら、前号は休載、今号もスペースがなくなってしまった。そこで、最後に訪問先のごく簡単な概要だけを紹介しておきたい。

  • 熱帯農業基礎研究所―有機肥料の開発や都市農業プログラムの育成に力を入れている。
  • バイオ農業研究所―カビ毒利用の農薬を製造。
  • 農業省―何よりも、我々のような小さな私設訪問団でも数名の担当責任者が対応してくれる熱意とフランクさに脱帽。
  • UBPC(協同生産基礎単位)―93年、国営農場を分割し、新しい協同組合農場の組織化が決定された。97年の耕地面積はUBPC47.6%、国営農場24.4%、CPA(小農の協同農場)10%、その他の小農17.2%。
  • ホームドクター―ハバナ市では120家族に1つ(医者と看護婦)のホームドクター。キューバでは医者は人口167人に1人で、世界でも断トツ。また現在、61ヵ国に4335人の医者・医療技術者が派遣されている。
  • 小学校―幼稚園から大学まで教育は無料。小学校の1学級生徒数は世界でも最小。訪問した小学校は22学級で、1クラスは最大で20人。

 「平等」という面では世界でも屈指の社会を創りあげてきたキューバだが、無論、様々な問題も抱えている。ほんの短い滞在の間でも、ドル獲得のための観光重点政策に伴う格差の拡大、「資本主義頽廃文化」の流入、カストロをはじめとする革命世代との世代交代etc.…「シンドイやろなぁ」と思う問題がいくつかあった。でもやっぱり、92年に制定された新憲法の以下のような条文を読むと、「頑張れ!頑張れ!!」と言いたくなってしまうのだ。
 「国家は、環境と自然資源の保護が持続可能な経済的社会的発展と密接に結びついており、それによってこそ人類の生活はいっそう合理的なものとなり、現在と将来の世代の生存と福利と安全が確保できると考える。…水や空気を守り、土や花や植生をはじめとする自然のあらゆる豊かな潜在力を維持することに貢献することは市民の義務である」   (終・つ)

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