■ひとくちメモ■ |
ASEAN首脳会議行われる 30億人の自由貿易圏に向けて動き出す |
ASEAN首脳会議が7-8日にかけて行われた。7日に、安保共同体(ASC)と経済共同体(AEC)の構築、社会・文化の交流を謳う「ASEAN協和宣言U」が採択された。ASCの構築では、テロ対策や海賊対策の協調を掲げた。AECの構築では2020年までの経済統合を目標に掲げ、30億人規模の市場統合に向けて動き出した。 8日には、日・中・韓・インド各国とASEANの自由貿易協定をめぐる個別会談が行われた。2010年の自由貿易協定(FTA)締結に向けてすでに協議に入っている中国は、東南アジア友好協力条約(TAC)に調印し、「平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」と題する共同宣言も発表した。TACは76年に採択され、内政不干渉や武力不行使などを規定したもの。これにより中国は、経済面だけでなく、政治面でも東南アジアとの結びつきを強化することになる。インドは、2016年までにASEAN全加盟国とFTA締結完了をうたった「包括的経済協力枠組み合意」に調印したほか、TACにも署名した。韓国は来年からASEANと経済閣僚会議を定例化し、FTAを視野に入れた協議を開始する。 日本は、「日・ASEAN経済連携の枠組み」に署名し、来年からFTAの準備協議を始め、05年から本交渉に入る。交渉終了時期は明記していないが、タイなど6ヵ国とは2012年までに、ベトナムなど後発4ヵ国とは2017年までに完全実施を目指す。しかし日本は、TACの署名を要請されたが、一部日米安保条約に抵触する恐れがあるとして、署名しなかった。中国をはじめ積極的な対応を示した各国に比べ日本の対応は消極的で、アジア地域での相対的な地位低下を印象付けた。 |
パレスチナ情勢--米国、拒否権行使でイスラエル擁護続ける |
5日にイスラエルが国際法を無視してシリアを空爆したが、ブッシュ政権は、イスラエルを批判しないで逆にシリアに「テロ支援」を止めるよう警告した。さらにブッシュ政権は8日、これまで慎重姿勢をとっていた対シリア制裁法案に反対しないと方針転換を表明し、これを受けて米下院外交委は同日、6項目の対シリア制裁を含む法案を通過させた。シリアに対して強硬姿勢で臨むという政治的意味合いが大きい。また国連安保理は14日、イスラエルが建設を続ける隔離壁を違法とするよう求めた決議案を採決したが、米国が拒否権を行使したため同決議案は否決された。シリアがアラブ連盟を代表して決議案を提出、15理事国中10ヵ国が賛成、英国、ドイツ、ブルガリア、カメルーンの4ヵ国が棄権した。米国は「ロードマップ」への復帰を呼びかけるが、公正な仲介者でないことがますます明らかになる中で、反米感情が高まっている。安保理で米国が拒否権を行使した直後、ガザ北部で、米外交官の乗った車列を狙った爆破事件が起こった。ハマスなど主なパレスチナ武装組織は、イスラエル以外を攻撃対象とすることは混乱をもたらすとして、関与を否定している。 |
米、キューバ制裁強化へ |
ブッシュ米大統領は10日、ホワイトハウスで演説し、米国民による渡航制限の徹底など、キューバへの制裁を強化する考えを示した。「キューバのカストロ政権が崩壊した場合に民主化への移行を促す」ため、パウエル国務長官らを委員長とする委員会を設置することも明らかにした。演説には、大票田であるフロリダ州のキューバ系米国人や反カストロ政権団体が招かれており、2004年の次期大統領選に向けた地ならしの一環とみられる。 |
スラム居住6人に1人 30年で倍増の恐れ |
国連人間居住計画は、スラム居住者が世界人口の約1/6、都市人口の32%に相当する9億2400万人に上るとする報告書を発表。先進国(5400万人)を除いて地域別にみると、南アジア2億6200万人、東アジア1億9400万人、南部アフリカ1億6600万人、中南米1億2800万人。都市人口に占める割合は南部アフリカ71.9%、南アジア58.8%、東アジア36.4%。また報告書は、貧困改善など抜本的な対策が講じられない限り、スラム人口は30年後には20億人にまで増大すると警告。 |
EUの原産地表示保護 WTOパネル設置 |
TOは2日、食品の品質や名声を印象付ける原産地名を他地域で勝手に商品名に使わないよう規制するEUの制度について、パネルを設けて審理することを決めた。米国とオーストラリアが自由貿易ルール違反として訴えていたもの。 |
農業など4分野で再開 WTO新ラウンド 事態打開へ優先 |
世界貿易機関(WTO)は14日の大使級会合で、新多角的通商交渉(新ラウンド)の立て直しを協議した。当面は
(1) 農業、(2)非農産品、(3) 綿花補助金、(4) 投資保護などの新通商ルール整備、に絞り、分野横断的な折衝を再開する方向となった。新ラウンドは、9月のカンクンでの閣僚会議で米国・欧州連合とブラジル・インドなど途上国が衝突し、決裂状態となった。カスティーヨ一般理事会議長(ウルグアイ)は、対立が激しかった4分野を優先して事態の打開を目指す意向を示した。農業から新協議を始める。 |
3年間で30万人削減 東証上場の製造業930社調査 |
東京商工リサーチの発表によると、東証上場の製造業930社のうち約8割がこの1年間に従業員を減らし、減少数は11万7600人、この3年間で30万5842人になる。業種別では電気機器41,434人、輸送用機器17,932人、機械13,057人、化学7,758人、非鉄金属7,462人、食品6,465人、など。企業別では日本電気7,747人、日立製作所6,215人、富士通5,793人、など。 |
「野宿者の住む場保障を」国連副委員長法廷で力説 釜ヶ崎のテント撤去めぐり |
大阪市西成区で98年、テントを強制撤去された野宿生活者28人が市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で8日、国連社会権規約委員会のアイベ・リーデル副委員長が原告側の証人で大阪高裁で証言した。リーデル氏は原告側の要請で来日。口頭弁論で「行政当局は強制的に立ち退かせる以上、生存に必要な最低限の居住施設を保障すべきだ」と訴えた。リーデル氏は01年にも来日し、釜ヶ崎を視察。同委員会は同年8月、「大阪を中心に膨大な数のホームレスがいるが、対策が講じられていない」との所見を公表した。しかし、同年11月、大阪地裁は「国連の規約に法的拘束力はない」として請求を棄却、原告側が控訴していた。 |
<統計・数字から> |
◇政府・日銀 日米欧で円売り介入 9月の介入 月間最大4兆4500億円 ◇外貨準備急速膨張 円高にドル買いで対抗 6000億ドル突破 世界一 ◇景況感33ヵ月ぶりプラス 大企業製造業 株高・輸出好転で 中小厳しさ続く 日銀短観 ◇日本株買越額 外国人6兆円 4-9月 半期で最高 ◇日銀 銀行保有株買い取り1兆8431億円 異常事態脱出めどなく ◇「景気回復へ基盤」 10月の日銀月報2ヵ月連続上方修正 輸出環境が好転 円高、懸念材料に ◆細る個人資産 「金融」8期連続減 外貨預金は増加 日銀6月末速報 ◆年金積立金2年連続減 株価低迷が直撃 昨年度末141兆円 国民年金もマイナス ◆家計、貯蓄への余裕失う 初の「資金不足」 6月までの1年間 高齢化進展も一因 ◆貸出、連続400兆円割れ 9月銀行 小泉内閣下で59兆円減 ◆倒産4-9月9000件下回る 不況型倒産は最悪 近畿2000件割れ 7期ぶり ●全日空 全社員給与下げ 来春から5% 労組に提案 ●デパートの「丸井」 95%の社員に「転職か退職か」 2週間で選択迫る 人事評価・給与決定 3ヵ月単位 ●三井住友銀 月給の一部「天引き」 成果で別枠賞与に 最大月3万円 1年積み立て ●雇用助成金消化率5割 10「目玉策」検証なく新設 ●希望者全員65歳まで雇用 企業の29% 厚労省調査 ●労働関連法制厚労省見直し 生活様式に対応 パート残業代割増 8時間規制を緩和 ●地方公務員の今年度 年収5年連続マイナス勧告 ▼「地球温暖化で16万人の死者」 WTOなど報告 ▼世界人口63億突破 貧困・エイズが課題 今年7月推計 国連白書 ▼温暖化の海面上昇 日本近海2080年に15センチ ○関空旅客18%減 8月 8ヵ月連続前年割れ マイナス幅は改善 ○介護保険4割が「知らない」 男女意識差くっきり 内閣府調査 ○障害者「支援費」通所など3事業 自治体1/4 「できない」 施設整備不足浮き彫り 支援団体調べ ○特例法期限後の合併市町村 交付税優遇短縮へ 10年を5年 |
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