8月25日、自民党の山崎幹事長が小泉首相に、05年11月に自民党が結党50周年を迎えるに当って、「党の憲法改正案をまとめたい」と提案したことに対して、彼は了解しました。翌日、記者団にこれを聞かれて、彼は「本当に自衛隊は軍隊ではないのか」と答えています。
自民党内には元々、改憲で自衛隊を海外派兵可能にすることによって日本の国際的評価を高めたい、との願望がありました。自民党内の自衛隊応援団である「防衛族」がテロ特措法の成立に熱心だったのも、この思惑があってのことでした。だが、現実は皮肉なもので、日本の国際的評価を高めるどころか、自衛隊を「ブッシュのポチ」として差し出すことに他なりません。世界の笑い者にされるだけです。
北朝鮮の核を巡る6ヵ国協議が示すように、世界は国益を掲げてそれぞれの国家が離合集散を繰り返す場から、協調の場へと変わりつつあります。単独主義に走ってイラク戦争を始めたブッシュは、国連総会で集中砲火を浴びただけでなく、国内でも支持を失っています。小泉首相がブッシュの口車に乗って後ろからノコノコ付いて行けば、日本はテロの標的として国を危険に晒すことになります。小泉が進める改憲とは、米国、しかも米国民の支持をも失いつつあるブッシュだけのためです。ブッシュはどうせ次の選挙で追われる身です。小泉が負け犬に賭ければ、彼と心中しなければなりません。下手な勝負から早く身を引いた方が得です。
日本が軍事で世界に貢献したいとの思い込みは、彼らが自分の国が持っている固有の価値を知らないからです。日本は世界でも稀な恵まれた土地生産性の高い国で、こんな狭い国土で1億人を超える人達を養ってきました。この世界一恵まれた国土を破壊し、中山間地から住民を追い出しておきながら、外国へ土地を奪いに行くというのでは、日本人は再び世界から袋叩きに遭います。
先ず、中山間地の荒廃した地域に職を作り、人を取り戻すことです。荒れ果てた山を管理し、密生した森林を間伐して森を再生し、上流の河川を補修・管理するには、沢山の人手が要ります。そうすれば、この地域に住民が戻ってきて、様ざまな仕事が生まれます。長野県や和歌山県で既に実績があります。その費用は道路財源となっているガソリン税を環境税へ転用し、これを財源に当てれば十分可能です。増税の必要はありません。 (渡邉)
|