■ひとくちメモ■ |
防衛庁 ミサイル防衛1400億円要求へ |
防衛庁はミサイル防衛(MD)の来年度概算要求に約1400億円を盛り込む方針。米国から購入予定の海上発射型迎撃ミサイル「SM3」の調達費用が数百億円分を占める。1発約20億円に上る見通し。自衛隊が現在保有するミサイルは最高でも5億円未満。防衛庁が計画するMDシステムは、飛来する弾道ミサイルをイージス艦から発射するSM3で迎撃し、失敗した場合は地対空ミサイル「パトリオットPAC3」で撃ち落す2段構え方式。07年度までにイージス艦1隻とパトリオット1個高射群のシステムをMD用に改修し、ミサイルも配備する予定。 |
北朝鮮核問題6カ国協議開催--日米英豪など共同臨検訓練実施、北朝鮮に国際的圧力 |
27日から北京で北朝鮮の核問題について6ヵ国協議が行われる。日米韓の3ヵ国は20日までの事前調整で、対北朝鮮で個別提案をすることを決めた。13日の局長級協議で、北朝鮮への具体的な要求項目の履行手順を示す工程表の作成を主張する韓国と、包括的な提案を主張する米国が激しく対立し、その後も調整つかなかったため。主催国の中国が「日米韓の共同提案は6ヵ国協議を複雑にする」と懸念を表明したことも、影響を与えたようだ。 日本政府は北朝鮮に対して、(1)核開発計画の放棄と査察受け入れ、(2)弾道ミサイルの発射凍結の継続と撤去・廃棄、(3)日本人拉致問題の全面解決−を包括的に要求する方針。北朝鮮が核や拉致問題で前向きな対応を取った場合は、「重油供給」「火力発電などによる電力供給」という2段階のエネルギー支援や人道支援などを検討する考えを示す。本格的な経済支援については、日朝国交正常化後を前提とし、「拉致問題の全面的解決がなければ実施しない」と明確に通告する予定。拉致問題では、6ヵ国協議で解決の必要性を確認した上で、日朝の2国間協議を開くことを目指し、当面拉致被害者5人の家族の帰国などを求める方針。 中国外務省は21日、6ヵ国協議に参加する各国首席代表の名簿を発表した。北朝鮮は金永日外務次官、米国はケリー国務次官補、中国は王毅外務次官、日本は藪中アジア大洋州局長、韓国は李秀赫外交通商次官補、ロシアはロシュコフ外務次官。北朝鮮と中露が外務次官なのに対して、日米韓は局長級となった。北朝鮮が問題視していたボルトン米国務次官は代表から外れた。 一方、25日に入港した万景峰号に対して、日本政府は約1900人の監視体制をとる中で、税関・入管・保安庁・国土交通省の職員約130人が立ち入り、徹底検査を行った。異様ともいえる検査体制で、圧力の姿勢を示している。またバウチャー米国務省報道官は、9月にオーストラリア沖で日米英豪など11ヵ国が参加して共同臨検訓練を実施する予定を発表。北朝鮮に対する国際的圧力を強めている。 |
パレスチナ ロードマップ早くも崩壊の危機―イスラエル、暗殺作戦強行 |
動き出したかに見えたロードマップだが、停戦合意が事実上崩壊した。8月に入って、パレスチナ人の受刑者釈放やイスラエル軍の自治区からの撤退の拡大など一定前進するかに見えた。しかし、パレスチナ人受刑者問題では、イスラエルは、自治政府との合意のないまま、7000人のパレスチナ人受刑者のうち340人のみを釈放(釈放間近の者も多く、内実がないと自治政府側は批判)。シャロン首相が建設を進める分離壁も焦点化し始めた。 8日には、イスラエル軍は、ヨルダン川西岸ナブルス近郊の難民キャンプでハマス幹部の掃討作戦を実施、ハマスの活動家2人を含むパレスチナ人4人が死亡した。14日には、ヘブロンでイスラム聖戦の幹部を殺害。これに対し12日、イスラエル中部の町とヨルダン川西岸の入植地で連続2件の自爆事件があり、イスラエル人2人が死亡、10人以上が負傷した。アルアクサ殉教者軍団とハマスがそれぞれ犯行声明を出した。さらにエルサレムで19日、路線バスが爆発。少なくとも18人が死亡、136人が負傷。ハマスとイスラム聖戦が犯行を認めた。これに対してイスラエル軍は、21日未明からジェニン、ナブルス、トルカレムの自治区に侵攻。さらに、ガザ市中心部で21日、ミサイル攻撃でハマス最高幹部の一人、イスマイル・アブシャナブ氏を暗殺した。 自治政府を飛び越えて直接ハマス活動家の暗殺作戦に乗り出したことによって、ロードマップの枠組みが崩壊しかかっている。ハマスとイスラム聖戦は21日、停戦の破棄を宣言した。戦闘は激化する様相だが、一方でロードマップの枠組みを立て直そうとの米国の思惑がある限り、枠組みに戻る可能性は残っている。しかし、イスラエルの占領の問題を直視せずに、パレスチナ武装勢力の解体を主目的にする限り、根本的解決の道にはいたらないであろう。 |
カンクン閣僚会議に向け 米・EUペースの駆け込み交渉 |
WTO新ラウンドの非農産品交渉で米国、EUとカナダは11日、関税を大幅かつ一律に引き下げる方式の採用を求めた共同提案を加盟各国に提出した。3ヵ国共同提案は、特定の数式を使い、関税を一律に一定の税率より低い水準に引き下げる方式。途上国には例外を認めている。林産品や水産品で保護の継続を目指す日本にとっては、厳しい内容。 続いて13日、米国とEUは新ラウンドの農業分野で妥協案について合意した。日本のコメのような高関税品目は、関税率の上限まで引き下げるか、2国間の個別交渉で低関税で輸入できる枠(関税割り当て)の拡大を実施するかなど、いずれかの方法によって自由化を促進するよう求めている。上限などの率までは決まっていないが、米国は100-200%程度の上限を考えている模様。18日のWTO大使級会合で米・EU案が改めて取り上げられ、同案について途上国は「優遇措置が不十分」と途上国対策の充実を主張。多くの途上国は、3月に出されたハービソン議長案に盛り込まれていた関税削減の免除や、先進国の補助金削減を求めている。 日本政府は20日、WTO大使級会合で、米国・EU案への修正案を単独で加盟国に提示した。コメや乳製品の関税の上限設定と低関税の輸入枠拡大撤回を求めている。米欧の輸出補助金や国内補助金削減の問題との取り引きを考えている模様。WTO事務局は22日までにカンクン閣僚会議宣言案2次案の提示を目指していたが、めどはたっていない。 |
<統計・数字から> |
◇国債40兆円突破も 04年度
野村証券が試算 財政悪化必至 依存度も過去最悪に ◇銀行貸出金4.9%減 7月末 52ヵ月連続マイナス ◇中小向け融資 5兆6000億円減少 公的資金投入23行 金融庁調査 9行が目標未達成 ◇米貿易赤字、上期最大に 25.3%増 中国からの輸入拡大 ◇日米演習のべ366日 昨年度 作戦一体化進む ◇米国民、景気・雇用に最も関心43% テロ・戦争21%を上回る ◇コメ10年ぶり不作 作況指数94 民間予測 低温と日照不足響く ◇イネの大敵「いもち病」流行の恐れ 警報・注意報、25都道府県に コメ不作に追い打ち ◇六ヶ所村核燃料再処理工場 不良溶接291ヵ所 原燃報告 ◇「重要犯罪」1万件突破 上期最多 殺人12%、強盗24%、放火12%増 検挙率5割切る 少年事件も凶悪化 ◇東京都心、ヒートアイランド深刻 100年で4度上昇 最低気温 環境省調査 ◇教育基本法改正 264議会「待った」 市町村意見書「愛国心」導入に疑問 滋賀県など9議会は「賛成」 ◇生鮮食品 消費者の3割、価格より国産 民間調査 ◇通販売上高 4年連続最高 昨年度2兆6300億円 ◇出生最低115万人 65歳以上18% 少子高齢化歯止めかからず 昨年度、総務省調査 日本の人口1億2668万 ◇1発20億円なり 海上発射型の迎撃ミサイル 費用対効果焦点に MDシステム |
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