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<<特集>>イラク情勢--米英軍への襲撃頻発米英軍に対する襲撃が頻発している。5月1日にブッシュ米大統領が戦闘終結宣言を出して以降2ヵ月の間に死亡した米兵は63人、負傷者も多数出ている。また、パイプラインの破壊活動などにより、原油輸出を再開したものの、石油生産の回復は順調には進んでいない。治安回復、水や食料、ガソリンなどの供給もうまくいっていない。大量破壊兵器も依然見つかっていない。ブッシュ大統領は戦闘終結2ヵ月に当たって、米軍の占領が長期化する見通しを述べた。◇原油輸出再開 22日、トルコのジェイハンの石油タンクに備蓄されていたキルクーク原油800万バレルが積み出され、原油輸出が再開された。バスラ原油もイラク南部のミナ・アルバクルから7月末に積み出しされる見通し。暫定石油省代表のガドバン氏は、7月末までに日量120万バレルの生産が可能だとしている。 ◇新イラク軍発足 7月にも 米英暫定当局(CPA)は23日、新イラク軍を設立する方針を発表。早ければ7月中旬にも発足する見通し。新イラク軍は、1万2000人規模の歩兵部隊で発足。2年後には4万人規模の3個歩兵師団を編成することを目指している。 ◇米軍が大規模掃討作戦開始 米軍は29日から、米軍襲撃への対抗措置として、バグダッド北方のイラク中部からイラン国境にかけて「砂漠のガラガラヘビ作戦」を開始した。 ◇英・ポーランド主導の占領軍 治安維持で本格活動 英・ポーランド軍が主導する2万5000人の部隊が治安維持活動に入る。英国防省は1日、デンマーク、チェコ、オランダなど欧州中心の9ヵ国5000人の部隊が新たに英軍の指揮下に入ることを明らかにした。計1万6000人でバスラを中心とする南部の治安維持に当たる。一方、ポーランド軍主導で、スペイン、ハンガリー、スロバキアなど中・東欧中心の15ヵ国9000人の部隊が、9月から中南部で治安維持活動を始める。 ◇「統治評議会」の構成合意 2週間以内に設立 CPAは4日、「イラク統治評議会」の構成について、CPAとイラクの各政治勢力が基本合意すると共に、同評議会が2週間以内にも設立される見通しになったことを明らかにした。CPAは当初「政治評議会」を諮問機関として位置付けていたが、イラク人側の反発を受け、名称を変更し、一定の権限を認める姿勢に転じた。CPAによると、統治評議会の権限は、@暫定行政機構の「暫定閣僚」を任命A22の「省庁」の監督B財政を含めた政策決定−など。新憲法起草に当たる「憲法協議会」をめぐっては、各派が人選方法などで対立していて、7月末までの設立は不可能な状態。 |